白馬五竜高山植物園で最も力を入れているのがこのカライトソウのようです。ゲレンデと思われる斜面いっぱいにカライトソウが生育していて花がそろうと大迫力。この斜面に沿ってリフトで上に行くのですが、リフトの高さがあまり高くなく花々のすぐ上を移動するように配慮されていますから、足元に広がるお花畑に酔いながらの一時、なかなかいいものです。
高山植物は小さく可憐なイメージが主流だと思いますが、カライトソウに至ってはまるで反対で大型できわめてあでやかです。これが野生の種だとはにわかに信じがたい面もあります。自然の中では大群落は見た記憶がなく時に出会う群落に感嘆していたものです。ワレモコウの仲間で北海道や東北で見られるシロバナトウウチソウを赤くしたものと考えるといいでしょうか。中部日本の高山に生育する日本特産の誇れる花だと思います。
よく生育したカライトソウの大株です。花には花弁はなくおしべの花糸が桃色になっています。自然界にはかなり薄い個体もありますが、白馬五竜高山植物園の植栽個体は色の濃いものを選んで育種植栽したものでしょうか。