秋は実の季節。里山のあちこちでみられる実をウォッチング。これはアカメガシワの若い実でまが雌しべは柱頭が3つに別れています。表面には腺毛の類が沢山ついているのが見て取れます。長い毛状突起もありますね。真皮は3室。このふくらみの中に3個の種子があるはずです。
いがぐり状態のものはダイコンソウの若い実です。先端は奇妙な形で曲がっていて衣服などに付きやすい構造をしています。これは花柱の先の柱頭が変形するのですが、最初は素直な形をしているのに面白い変化です。目的は「ひっつき虫」になることでしょうが単純にかぎ状に曲がれば事足りるのにどういういきさつがあったのでしょうか。苦労して編み出した形質です。一度ルーペでご覧になると面白いですよ。
有名なひっつき虫。キンミズヒキの実です。先が曲がった棘のようなものが沢山見られます。これでひっつくのですが、この棘つぼみの頃から用意されていて花弁の外側にあるがくのさらに外にあるのです。前記のダイコンソウとは少々異なり同じバラ科のひっつき虫でもいろいろな進化があります。