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森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ハクサンシャクナゲ(ツツジ科) 苞葉 その3

2006年07月29日 | 自然観察日記
 苞葉にもう一種。先日の鳳凰山に登ったときに出会ったもので、ハクサンシャクナゲの葉である。新芽が展葉したものだが、全体が一つの花のように花弁状に黄色がかった白色になっている。花の付いた枝の葉が色づいているのではなく、新しく葉を広げた部分が白い。緑色の展葉も沢山あるが、このような状態のものも結構見かけた。やはり苞葉と考えていいだろう。
 シャクナゲは結構完成した花を作るし、結実も比較的いいように思うのだが、これがどういう意味を持つのかは興味津々というところ。新しい形を工夫し挑戦している姿だろうか。
 

ハンゲショウ(ドクダミ科) 苞葉 その2

2006年07月29日 | 自然観察日記
 苞葉というものを考えるとき、非常に判りやすい種だ。ドクダミの仲間のハンゲショウ。「半夏生」と書くそうだが「半化粧」の方が理解しやすい。越後に野生を知らないが庭の花としてよく栽培されている。上部の葉が白化しあたかも花弁のようである。その腋から花穂をだす。この部分のさらなる統合によって完成された花を想像するのは難しくはないだろう。

マタタビ(サルナシ科) 苞葉 その1

2006年07月29日 | 自然観察日記
 山岳道路を走っていると白い葉が目に付く。マタタビの苞葉だ。遠目からでも直ぐそれとわかる。大きな株になると数m平方くらいの白い布をかぶせたような状態になる。個体は雌雄異株で苞葉はどちらも白化するようだ(そういえばしっかり確認していない!)。
 花弁も起源は葉である。花がどういう過程で形成されてきたかを考えるとき、苞葉の存在は重要である。もちろんマタタビは独自に花を形成するが、比較的小さく目立つ花ではない。白い苞葉を持つことによって、遠くから昆虫を呼び寄せる手段に利用していると考えられるが、全体的に雑然としていて発展途上のようだ。この機能が更に発展していくとどのような形態を獲得していくのだろう。興味深いところである。