「ふるさと納税」
やってみたいと思うのですが、気に入った返礼品も見つからないため、いまだやったことがありません。
そんな「ふるさと納税」、令和3年分(2021年分)より一部簡素化されるそうです。
そこで、再度ふるさと納税の概要と確定申告の簡素化について、解説した記事をご紹介します。
記事(2021年9月12日 msnマネー)によると
『◆自己負担金2,000円でお礼の品が受け取れるふるさと納税
ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付ができる制度です。寄付を行うと、2,000円を超える金額について、所得税や住民税から控除(差し引く)ことができます。後述する「ワンストップ特例」を利用する場合は、所得税からの控除はなく、住民税から差し引かれます。
そして、多くの自治体からは、ふるさと納税をしてくれたことへの感謝の気持ちとして、お礼の品を受け取ることができます。
肉、魚、果物、お酒、雑貨、工芸品など、返礼品の種類は多岐にわたります。豪華・お得な返礼品のニュースを目にしたことのある方も多いでしょう。普段はなかなか手が届かないような高級食材を味わう方もいれば、洗剤やティッシュペーパーといった生活必需品を受け取って家計の足しにする方もいます。
さらに、寄付金の使い道も指定できます。災害復興支援、自然保護、地場産業活性化、子供の教育などさまざまです。
つまり、ふるさと納税とは、自己負担金2,000円で返礼品を手に入れることができ、政治にも参加できる(寄付金の使い道指定もできる)、というわけです。
◆ふるさと納税の控除を受ける2つの方法
ふるさと納税を行い税金の控除を受けるには、「確定申告」と「ワンストップ特例」を利用する方法の2種類があります。
▼確定申告を行う方法
確定申告は、1年間に得た所得から収める税額を計算して、国(税務署)に伝えて納税する手続きのこと。原則毎年2月16日〜3月15日の間に、前年1年間分の確定申告を行います。確定申告は主にフリーランスや自営業者といった個人事業主や、株式投資や不動産などで一定の所得がある人などが行う手続きです。収入が給与のみの会社員や公務員などは原則として行う必要はありませんが、次に説明する「ワンストップ特例」を利用せずにふるさと納税で寄附金控除を受ける場合は、確定申告が必要です。
ふるさと納税をした場合の確定申告の手順は、以下のとおりです。
(1)自治体を選び、寄付をする
(2)自治体からお礼の品と「寄附金受領証明書」が届く
(3)寄付金受領証明書を添えて確定申告を行う
以上により、寄付した年の所得税が還付され、翌年度の住民税が安くなります。
▼ワンストップ特例を利用する方法
「確定申告はちょっと手間」という方におすすめなのがワンストップ特例制度です。ワンストップ特例制度を利用すれば、確定申告をしなくても控除が受けられます。
ワンストップ特例制度を利用する場合の手順は、以下のとおりです。
(1)自治体を選び、寄付をする
(2)自治体からお礼の品と「ワンストップ特例申請書」が届く
(3)ワンストップ特例申請書に必要事項を記載して、返送する
以上により、寄付した翌年度の住民税が安くなります。
ただし、ワンストップ特例制度を利用するには、「年収2,000万円を超える給与所得者ではない」「給与を複数から得ていない」「確定申告をしないこと」「1年間のふるさと納税の寄付先が5自治体以内であること」が必要です。
「確定申告をしない」という部分は、給与所得者であっても「住宅ローン控除の手続きをする」「医療費控除を利用する」などと、別件で確定申告が必要な方はワンストップ特例が利用できないということです。つまり、仮にワンストップ特例を申請していても、確定申告する場合は、ふるさと納税の申告もしなければならないということです。
また、ふるさと納税の寄付先が6自治体以上になった場合もワンストップ特例制度は利用できません(なお、同じ自治体に複数回寄付した場合でも、寄付先が5自治体以内であればワンストップ特例制度は利用できます)。
◆令和3年分(2021年分)からふるさと納税の確定申告が簡単に!
ふるさと納税をするのに確定申告が必要だという方に朗報です。令和3年分(2021年分)から、ふるさと納税の確定申告が簡素化されるのです。
これまで、確定申告で控除を受ける際に必要になる「寄付金受領証明書」は、寄付ごとに自治体から発行されていました。ですから、寄付をすればするほど、郵送されてくる寄付金受領証明書が増えてしまったのです。そのため、これを翌年の確定申告まで保管して、いちいち添付して、金額を記載・入力・合計して…という手間がありました。
それが令和3年分(2021年分)からは、国税庁長官が指定した「特定事業者」が発行する「寄附金控除に関する証明書」を添付すればいいことになりました。
特定事業者とは、簡単にいえばふるさと納税の情報をまとめているポータルサイトのこと。国税庁長官が指定した特定事業者は、2021年7月30日時点で次のとおりとなっています。
・ふるなび(株式会社アイモバイル)
・さとふる(株式会社さとふる)
・楽天ふるさと納税(楽天グループ株式会社)
・ふるさとチョイス(株式会社トラストバンク)
・ふるさとパレット(東急株式会社)
・ふるさとプレミアム(株式会社ユニメディア)
・ふるさとぷらす(株式会社エスツー)
・セゾンのふるさと納税(株式会社クレディセゾン)
・ANAのふるさと納税(全日本空輸株式会社)
・ふるさと本舗(株式会社ふるさと本舗)
・三越伊勢丹ふるさと納税(株式会社三越伊勢丹)
・JALふるさと納税(株式会社JALUX)
これらのポータルサイトでふるさと納税を行うと、「寄附金控除に関する証明書」を発行してくれます。寄附金控除に関する証明書には、1年間に行った寄付の内容や合計額が記載されています。これを確定申告の書類に記載し、寄附金控除に関する証明書を1枚添えて提出すれば確定申告完了。とても手軽ですね。
寄附金控除に関する証明書は、各社サイトからダウンロードできます(一部サイトでは郵送してくれます)。なお、複数のサイトでふるさと納税を行なった場合は、そのサイト分だけ寄附金控除に関する証明書が必要になりますので要注意です。
ワンストップ特例制度を利用している方は、そもそも確定申告をしていませんので、今までと手続きは変わりません。
◆ふるさと納税の控除上限額には要注意
確定申告の手続きが簡素化され、ますます使いやすくなったふるさと納税。ですが、ふるさと納税でできる寄附金控除の額(控除額上限)は、ふるさと納税をする人の年収や家族構成などによって異なります。
自己負担金2,000円で済むふるさと納税の控除額上限の目安(参照:図①)
たとえば、年収500万円の独身の方が寄付する場合、年間の控除額上限はおよそ6万1,000円。この上限いっぱいまで寄付をした場合、自己負担は2,000円で、残りの5万9,000円分は所得税・住民税から差し引くことができます。
この上限を超える金額を寄付してもいいのですが、控除できる額には上限がありますので、上限に収めるのがもっともお得。総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」などで自分のケースをシミュレーションできますので、ぜひ試して上限を知った上で、ふるさと納税を活用しましょう。』