治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「浅見さん、本部について書いていましたね」

2012-02-12 13:05:36 | 日記
さて、前回エントリにたくさんコメントをいただいています。
いい話し合いの場になって、よかったです。

その中で「千葉県の父」さんから

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自閉症協会の姿勢についてここで議論となっていますが、自閉症協会は都道府県または市区によって、それぞれ協会カラーが異なります。”自閉症協会”とひとくくりでなく、個々にみていただけるとありがたいです。

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とのコメントをいただきました。
ごもっともな指摘だと思いますので、これについてご説明します。

私は前エントリの最初にあえて
「日本自閉症協会本部」と書いておきました。

「日本自閉症協会本部」の「中の人」とはいまだかつてコンタクトしたことがございません。
「いとしご」の編集部からご連絡いただいたことはありますが。
求められるまま本をお送りしたら、書評を載せてくださったようです。

その他の接触といえば、十年にわたる被害の間
こちらからお願いのメールを何度か送ったことでしょうか。
一度もお返事をいただいたことはないので、「中の人」は存じ上げません。

けれども色々な支部の方たちとは接触させていただくことがあります。
地方に呼んでいただいたとき、芋水をともにすることも。
あるいはその地の自閉症協会が著者や私の講演の主催もしくは共催者になってくださっていることもあり
当然ですが接触が出てきます。

そういう場所でいやな思いをしたことはありません。
一度もありません。

今回私がこういうことを書いて、自分の地域の自閉症協会に不満を感じていないようである方が「地域によって違うのだろうか」と疑問を呈していらっしゃいましたが
法人の形態一つとっても、NPOあり、社会福祉法人あり、任意団体あり、という印象を持っています。
そういう様々な地域の団体をまとめるのがおそらく日本自閉症協会本部なのだろう、と私は推測しています。

さて、あるとき、ある芋水をともにする場で、地元の自閉症協会の方に

「浅見さん、本部のこととか本に書いてましたね」と言われたことがあります。
この本です。



「書いてたっけなあ」と思って、今回見直してみましたが
おそらくここですね。

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 支援団体は触法事例の報道に対して、合同で抗議の声明を出したりします。けれども自分たちの足元で起きている自閉症当事者が加害側に回った人権侵害例については、どこの支援団体も他人事。
 世間の偏見をはぐくむのはこういうバランスを欠いた支援のあり方であって、事件報道じゃない。遠くの殺人者より、身近で他人に迷惑をかけている子どもや大人と迷惑行為を「障害があるからしょうがない」と放置する支援が偏見を生んでいるのだと、早く気づいてほしいなあと思いました。今も思っています。
 不幸にも、障害特性が他への害とつながってしまうお子さんもいる。そういうお子さんの親御さんでも、本当に真摯に対応されている方、なんとか他害を止めようと努力なさっている方は、周囲からあまり責められません。むしろ、支援の輪が広がっていきます。
 人の気持ちとは、そういうものではないでしょうか。
 
「自閉っ子と未来への希望」 P208)

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たしかにここには、当該の団体が含まれるかもしれません。それだけではありませんが。

でも支部は、本当にそれぞれの地域で貢献していらっしゃるということを否定する情報は私のもとにはありません。

そしてそもそも、同じ地域でも、様々な方針をそれぞれのおうちでお持ちなのではないでしょうか。

ベムこと宮本晋は、「千葉県の父」さんと同様、千葉県に住む一人の父親です。
宮本晋が去年、大地君の本の出版の際、自閉症協会の掲示板で花風社バッシングを繰り広げたことを
覚えていらっしゃる方も多いと思います。
それを止めてくださったのも、自閉症協会の支部の方たちです。

ですから奈良県においても
今回のことに違和感を持っている方がいても不思議ではないと私は考えています。

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