治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

力の出し入れ

2014-08-25 09:26:12 | 日記
この動画の場面、実は私現場で見てたんですが

素人目にはこれがどういう稽古かわからないんですよね。

でもコンディショニングの概念を知ってからわかったんですけど

人間の身体は、力の出し入れが自在にできることが「具合のいい状態」なんです。
そしてこの稽古だと、たしかにそれを身体で覚えるんですね。
長い伝統のある稽古には、やっぱり知恵が詰まってるようです。

ところが発達障害の人は関節にも発達障害があるから、これがうまくいかない。

力が入りっぱなし

もしくは

力が入らない

っていう状態が多いみたいなんですね。
それが睡眠や姿勢や排泄(発汗も排泄です)の不具合につながっていきます。
だから力の出し入れ覚えようよ、というのがコンディショニング。

書店売りはまだですが、お盆前にかなり多くの方々に本をお届けすることができましたが
すでに読んで実行しているおうちでは、夜になると

「揺らして~」と来るお子さんが続出しているようですね。
気持ちいいんでしょうね。お通じとかもよくなるみたいだし。
そして親御さんは「風船人間のワーク」でラクになっている方が多いようですね。

親子どっちにも良い睡眠
名目上の時間だけではなく「疲れのとれる睡眠」が可能になっている。
よかったな~と思います。
睡眠が神経回路を育てるのに必須であることは黒田洋一郎先生のご著書にもあるとおり。

感覚統合ルームでやるブランコ。
あれも揺らすワークです。
目的は「前庭覚を入れる」こととされている。

前庭覚の入らない身体は強ばっているでしょうね。
世界が怖いはず。

だから

ブランコと金魚は、実は似たワークかもしれません。

ただ感覚統合を初め、これまでの身体感覚アプローチは洋物が多かったせいか

「緩める」という言葉を一切使わないのですよね。

先日「固有受容覚を育てるためにウエイトトレーニング」というトンデモ理論を見ましたが
違うでしょう。
ウエイトトレーニングでは固有受容覚を認識させるとは思いますが育てるとは思えません。
固有受容覚を育てるワークにはむしろ道具はいらないんじゃないでしょうか。

でもとにかく道具使いたがるんですよね。
なんとなくプロっぽいから?
そして親に身体系LDが多いと、なんとなくトレッドミルとかあるお教室にはお金払う気になったりするんでしょうね。

ないわー。

ともかく
これまでの身体アプローチ、輸入物の身体アプローチが一切使わなかった言葉

それは「緩める」です。

緩めっぱなしでもダメ。

でも「鍛えて強い身体を作る」だけではなく
「緩めて丈夫な身体を作る」

輸入療育ではこういう発想がありません。

そのために、別にブランコいらないんですよ。

感覚統合のセッションが月に一回しかない、と嘆く必要もないんです。
プロに見てもらう時間は、外食みたいな特別の機会だと思えばいい。

おうちで、場所も道具もなくてもできることはあるんです。
それで親子ともに身体がラクになるようなことが。



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