治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「愛着障害は治りますか?」ができるまで その7 甘えん坊

2016-10-25 12:29:03 | 日記
どれくらいの人が気づいているか知りませんが、私はわりと甘えん坊です。甘えん坊の回数券を人よりたくさん持っていると思います。ニキさんもそうですね。ご本人気づいているか不明ですが、ニキさんに会ったことある人にはそれがわかるんじゃないかな。そして私たちの場合には、たぶんそれがいい方に作用してきた。甘えん坊は実は、かわいがられキャラに容易に転じやすいのです。

ちゅん平は甘え下手だったね。でもそのヌケを埋めたのよね。後付けで埋めたんですよ。親子そろって埋めたんです。それは新刊にも書いてありますよ。ちゅん平の体験談を愛甲さんが分析しています。

ことほどさように、「甘え」というのは親しい間柄に許される出来事だと思っていました。

だからネット上に次々現れる私にからむ人たちを見て愛甲さんがつねづね
「あの人たちは浅見さんに甘えていますね」と分析してきたのには疑問を抱いていました。
甘えも何も、あの人たち私が嫌いなんだし。嫌いな人に甘えないよね、普通。

でも「愛着関係の発達ピラミッド」を描いてもらって愛甲さんが言っている意味がわかりました。
上手な甘えと下手な甘えはある。甘えが下手な人は信頼できない人に甘えてしまう。そしてネット上で「治るなんて差別!」とか「治る人がいると治らない人が怠慢だと思われる!」とかありえない恐怖感に駆られて騒ぎ立て時には突進してきた人たちは確かに私に甘えていた。でもそれは下手な甘えだったんだと。だって信頼できない相手に甘えているわけだしね。

なんで信頼できない相手に甘えてしまうかっていうと、回数券使い切ってないんでしょうね。

そしてそういう「方向違いの甘え」現象が方々でリアル世界でも起こり、発達障害者とその保護者が世の中からイタいもの扱いされている原因になっているでしょう。

のこのこがもりしーさんにぶしつけな事言ったのも甘えでしょ。

そんなわけで「愛着関係の発達ピラミッド」を手に入れてから私は、これまで絡んできた人々をピラミッドに当てはめると言う遊びをしました。遊びっていうか、これがおそらく私なりのコーピングなんでしょうね。不可解な絡まれ方をたくさんしたからね。

吉川については神田橋先生の愛着障害のところにばっちり書いてあったのは前の前の記事参照。

じゃあ藤居は? ベムは? 河馬は? 鳥烏賊は?

どんどんあてはめていきました。

でもなんといっても大物、YTを忘れてはいけませんね。

あの人も甘えていたらしい、私に。どういうこと?

ちなみに

原家族が機能不全で愛着障害を負っても、結婚して築いた家庭で立ち直った人ってたくさんいますよね。あるいは子育ての中で立ち直ったり。6月のセミナーのときにも、こよりさんのお話がみんなを感動させました。

でもね、仲いいか悪いかだけで見ると
YT夫婦って、どうも仲いいみたいなんですよね。
むしろ、仲良く、夫婦力を合わせて、やったんですよ、あれを。
裁判にかけられたのは夫だけでしたが、妻もノリノリだった。

二人とも親とは疎遠みたい、ていう話は入ってきましたけどね。
(だから親から賠償金取るのは無理ですよ、という文脈で)

ということはあの人たちは仲良くても治んなかったんだ。

と思っていたんですけど、愛着関係発達のピラミッドを見て

「ああなるほど」と思いました。
夫婦関係は親子関係と違うから
夫婦で親子のやり直しをすると
夫婦のどっちかが比較的健全な場合はうまくいかなくなるかも。

夫婦で親子関係やると

社会から孤立していきますね。


さて、愛着関係の発達ピラミッドの使い道はこれまでからんできた相手を分析するだけではありません、もちろん。

愛着関係の問題がある、それをどうにかしたい、と願う皆さんにとって

傷を負った自分を、あるいは我が子を「どこまで甘やかしていいのか」の目安になります。それまでは罪悪感を感じていたような甘やかしを自分や子ども許せるようになるかも。

そしてそれはもちろん、「ずっとそこにとどまらない」ことを私たちは知ったからですね。
発達はシャンパンタワーだから。
シャンパンタワーみたいに、満たされると次に行くから。
甘やかしに見えるけど、発達保障として「ここまで甘やかしていい」という目安ができましたよ。

このピラミッドを描くまで愛甲さんも、たとえば登校渋りのお子さんとかへの対応を学校現場に理解されないこととかがあったそうです。

愛甲さんはあくまで、登校できるように考えて提案するんだけど、それが甘やかしと受け取られてしまう。

ところが愛甲さんが言ったとおりにやってみると、やがてお子さんは登校し始める。

「だからね、こういうピラミッド描いたら納得するんですよ現場も」と私が言ったら
「そうですね」とおっしゃってましたよ。

一方で、学校に行かなくなった我が子を見て、あたかも自分の子が高級すぎて学校に適応できないみたいなことを大真面目に言う人がいたら、本気にしないほうがいいですね。

発達障害ギョーカイは、それぞれ愛着の問題を抱えた
・支援者の自己治療的社会的文脈無視手前勝手発言
・保護者の負け惜しみ発言

が多すぎるので、いちいちそれを真に受けてらんないので

そういうイタいこと言う人がいたら片っぱしからアレをやってみるといいですよ(ブ)。
(詳しくは二個前のブログ参照)

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