治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

小さい頃の夢

2014-04-01 09:32:51 | 日記
別にエイプリルフールにウソをつく気はないので、今日も普通のネタです。

っていうかお気楽なネタかもしれません。

「笑っていいとも」が終わるって知ったのはつい最近でした。
いつからやっているのか知りませんが
大学生のときとかに見ていた気がするので、すごい続いてますよね。
最近はたまたまランチタイムにテレビの前にいられても、ニュースを見てしまう私ですが
終わりだからなあ、とフジテレビを見てみました。

そしてショックを受けた。

そのつまらなさに。

これって私の感性が変わったのか、それともバラエティ番組が変わったのかわかりませんが、終わって当然に思えました。もっとも私はバラエティ番組のヘビーユーザーではないので感性はあてにしないでね。

「笑っていいとも」の終了より、さみしいのは747の退役ですね。
ここんところANAに乗るたびに、もうすぐ退役だというキャンペーンをやっていましたが
やっぱり私たちが一番乗ったのは747じゃなかっただろうか。

ありがとう747!
庶民が気楽に空を飛べるようになったのは、大量輸送の時代を作ってくれたからです。
おかげで世界が広がりました。

世界が広がったと言えば

朝「花子とアン」を見ました。

そうそうそう。

今度出す本の中で明らかにしていきますが
ニキさんて実は、10年前に理想としていたような生活を今しているんですよ。

「花子とアン」の企画を聞いたとき思ったのは
「そういえば赤毛のアンとか大好きだったな」という自分の小さい若い頃のことです。

外国語学部に勤務する家族にも行ったんですけど
あの頃の女の子が英語勉強したいとか
それって「赤毛のアン」とかが大きなきっかけになっていたような気がするんです。
こういうのを原書で読める人になりたいなあ、とか
もうちょっと大きくなってからは
こういうの訳せるような仕事がしたいなあ、と思いました。

でも昨日初回を見て、ショック。

語りが美輪明宏さん。

正直言って、世の中で一番苦手な人の一人です。

もう見るのやめようかな、と思ったけど
やはり「花子とアン」の魅力には勝てません。
だから、語りには目をつぶって見ることにしました。
たぶんこれが、非自閉であるがゆえの「スイートスポットの広さ」だと思う。

今日の放映では、教会にずらっと並ぶ本棚を見て、はなこが胸をときめかせる様子が映り

私もこうだったよなあ、と思いましたよ。
とにかく本が並んでいるのを見るだけで幸せだった。
あれはね、本を愛する人には、とてもよくわかる場面だと思いますよ。
もう、本が並んでいるだけで幸せ。

その後、夢かなって英語を勉強し、翻訳書も出し
大好きな本を作って売る人になったのですから
私もきっと、夢をかなえたのでしょう。
でもその夢をかなえたあとの喪失感ていうのが
自閉の人(ニキさん)と私では違うようです。

そしてたぶん、自閉の人で声で人の好き嫌いが決まる人とかは
(これは私には信じられない現象)

苦手な人が語りをしているだけで、興味あるドラマでも見られないのかもしれませんね。

自閉の人と自閉じゃない人の幸せ観には違いがあります。
そして自閉じゃない人の方が、幸せを実現するって簡単ね、って思います。
自閉っ子が幸せを実現するためには
もう少し段階が必要のようです。

それは今の本を作っていて、つくづくそう感じるのです。

たとえば私は、赤毛のアンに夢中になっていたころ
いつかはカナダに行って、プリンスエドワード島に行きたいなと思っていました。
いつか時間とお金ができたら。

でも今は、別に行かなくてもいいや、って思っています。
その夢は果たしていないけど
果たしていない夢が傷になっていません。

なぜなら

大人になって自分で旅行してみると
北米ってあんまり好きじゃないところだってわかったし

もっと好きなところがあるとわかったので
貴重な時間やお金はそっちに使いたいからです。

それに「赤毛のアン」ももう読まないしね。

そしてそれが別に、心の傷になっていません。
いつのまにか見なくなった「笑っていいとも」のように
過去は過去なのです。

でもね、とにかく

ちゅん平の活躍はこのブログにきている皆さんとっくにご存じでしょうけど
ニキさんも10年前に「こうなりたい」と言っていた通りになっていますよ。

もうすぐできあがる
「10年目の自閉っ子」
どうぞお楽しみに!