治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

私の中の終わり

2010-04-07 08:55:20 | 日記

先日「お祭り見物」の記事を書いたら、相手の自閉っ子ママドクターがご自分のブログで私への返信を書いて下さっていました。

弊社の本を5冊もお持ちのこと。ありがとうございます! ぜひ6冊目には神田橋先生の本をよろしくお願いします。
ドクターとしてもママとしても役に立ちます。
何しろ、「治療者と受益者が同じレベルにいる」のが先生の理想。
それがあっての花風社へのご指名です。
ママとしてもおうちでこつこつ取り組める情報も入っていて有益です。たぶん目からうろこ。

高砂医師(仮名)についての「美しい仮説」も「ほー」と読みました。
まあ私は、ニキさんと私の被害を少しでも食い止めようと介入してくださろうとした支援者が誰だか知っていますからね。
相当のつわものです。で、TEACCHです。ていうとばれちゃいますね。
だって私は別に反TEACCHじゃないしね。
むしろ、コップの中の嵐の犠牲になったんじゃないかという気がしてるんです。
自分ではできないけど、この人にだけは介入されたくないぞ、みたいなぺティな考えで被害者のことなんか考えてなかったんじゃないかと。それが私のした想像。で、腹を立てていた。

こちらのドクターママさんの「美しい仮説」が当たりなのか、私の立てている仮説が当たりなのか、それはわかりません。
高砂医師(仮名)からは公開質問状への答えもとっくにいただいてますしね。公開前に。
まあ、それを読んでも意味不明だったんで腹を立てていたんですが。

でも、私このドクターママのブログ読んだとき思ったんです。心底。

もう、どうでもいいや。

放置プレイの理由なんて、もうどうでもいい。
もう済んだこと。
そんなこと考えたって脳みその無駄遣い。

初めて「すとん」と思えたんです。

いろいろ大変だったけど、時間もお金も労力もかかって大変だったけど、あの時期があったから「えらい先生なんかいやだ」とかいうわけのわからない駄々をこねるのをやめて、カリスマ精神科医の本を作る気になれた。
そしてこの本を作るのはね、本当に生涯忘れられない経験でした。すごい人がこの世にいるもんだと思いました。

最初に私が自分が受けた被害について話したとき、神田橋先生が「医者なら治せんといかんわな」「治療なき診断はただの粗探し」と言い切ってくださったことも大きいと思います。

私は先生にそういわれたとき、この件で、初めて号泣しました。
ああ、本当に私は悲しかったんだな、と初めて思えました。それまでは「怒り」しか前面に出てなかったんですけど。
それと、家族を巻き込んでしまった申し訳なさと。

私は前を歩いていきます。そして自分の仕事の中で落とし前をつけていく。
自閉っ子と私たちがどう共存できるのか。
どうすればより多くの自閉っ子が、社会の中で居場所を見つけられるのか。

というわけで

私の中の高砂医師(仮名)問題、終わり。

写真は姫路城の桜。読者の方が送ってくださいました。これぞ日本という風景。こういうの大好きです。感謝。