Sketch of the Day

This is Takeshi Kinoshita's weblog.

IFLA paper

2005-05-31 | Japan
Monday, May 30, 2005
*「公園計画論」講義6週目
自作農創設特別措置法」(いわゆる農地解放)の功罪。一人当たり公園面積の虚実。公園大国ニッポンのこと。土地増価税のこと。公園・緑地は土地利用としてのカテゴリーを与えられていないこと等々。午後は卒論ゼミ。

*IFLA paper
第42回IFLA世界大会エディンバラ、6月末)での発表論文をようやく脱稿。時差よありがとう。今回は、昨年関わらせてもらった「佐倉市市民文化資産の保全及び活用に関する条例」の初動期の運用過程とその一環として開催した市民ワークショップにおけるランドスケープアーキテクトの役割について報告した。日本~アジアは決して欧米に引けをとらないことをやっている。しかし、言葉の壁があってそのことが十全に理解されていない。英語で発信するしかないのだ。これからプレゼンの準備だ。

最後の頼みは時差。

2005-05-29 | Japan
Sunday, May 29, 2005
早朝5時就寝。論文未だ終わらず。今回は英国発表用の英文の論文なので翻訳に時間がかかるのだ。午前10時起床。今日は本当は見沼田圃で研究室のみんなと田植えの予定であったが、論文が終わらずドタキャン。宿舎のクリーンデイ(草刈り)も、妻と息子に任せた。昼過ぎ、隣室の息子の友達のAちゃんが遊びに来た。息子は大喜び。僕が仕事を続けていると、「パパもコンピュータやってるよ」とAちゃん。せっかくの日曜なのに、いずこも。。。夕食後、息子とビデオの返却(ついでにまた借りてきた。今日は「となりのトトロ」)。息子を風呂に入れ、仕事再開のはずが、こうしてブログ。いかんいかん。終わらん。まずいぞ。明日は授業だが準備がまだだ。さらにまずい。何時に寝られるのか。。。締め切りは明日30日。時差を最大限に利用することになりそうだ。

Saturday, May 28, 2005
一日中、自宅で原稿書き。夕方、家族とeating out@回転寿司。

市川市あま水条例等

2005-05-28 | Japan
Friday, May 27, 2005
市川市議会で「市川市宅地における雨水の地下への浸透及び有効利用の推進に関する条例」(通称 市民あま水条例)という面白い条例が可決された(7月1日から施行)。5月27日付朝日新聞千葉版でも掲載されている。詳細は上記ウェブサイトや新聞に譲るが、要は、地表の透水性能を高め(再生し)、都市型水害を防止するために、住宅新築に伴う建築確認申請で、宅地に雨水浸透升の設置方法などを示す「雨水排水計画」の届け出を義務づけたようだ。年間約580棟の浸透升設置を見込み、向こう10年間で地表の透水性能を40年前に戻すことが目標だ。既存住宅の改修の場合には上限20万円までの助成規定も盛り込まれている。背景には水害常習地帯という市川市の地域性があるが、この街は市民(納税者)が選ぶ「市民活動団体支援制度」など、先進的で面白いことを結構やる。

An Ordinary Day

2005-05-27 | Japan
Thursday, May 26, 2005
朝、息子を保育所に連れて行き、その足で大学へ。教員要覧に載せる写真撮影を済ませてから(ひげを剃るのを忘れていた、まあいいや)研究室へ。メイルチェック。返事を書きそびれていたメイルにまとめて返信。10時30分。午前中の残りの時間をIFLAの論文書きに充てる。お昼。弁当を買いに生協へ。really niceなお天気だったので木陰でランチといきたかったけれど、ついついブログをチェックしてしまう今日この頃。お昼を食べていると学生がやってきたので相談に乗る。そうこうしているうちに13時30分。教授会へ。めずらしく2時間で会議終了。戻って、N市農政課に電話を入れ、学生と打合せ。中国S農業大学のBさんから国際シンポジウムの招待メイル。立て続けに、N大のM先生から委員会の案内メイル。

18時。息子を保育所に迎えに行きひとまず帰宅し、仕事先から戻った妻と家族水入らずで夕食。19時、会議のため再び大学へ。キャンパスのイメージスケッチを描けとのお達し。20時30分、研究室に戻って、事務的なメイル数本を済ませ、スケッチの下準備。21時帰宅。やれやれ息子がまだ起きている。カルタに一回だけつきあってから、風呂に入れ、妻が息子を寝かしつけた(普段はたいてい耳をほじくりながら僕が息子を寝かしつける)。ここで、息子と一緒に寝てしまうこともあるが、たいていは眠い目をこすってもう一仕事し(といいつつ半分くらいはネットサーフィン)、1時30分~2時頃に就寝というのがいつものパターン。職場が近いのでかなり助かってはいる。

リスク回避のシステム

2005-05-26 | Great Britain
やはりベテランの言うことは違う。。。「証拠」という、写真や映像のもつ役割にはすごいものがありそうだ。頭ではわかっていても、さすがに自分で実行する(写真を撮る)となると、引いてしまうものがある、というのがおおかたの日本人のメンタリティーであろう。先日紹介したブログのお兄ちゃんはべつに異常でもなんでもないのである。さすがにCCTVが国土の隅々にまで行き渡っている国だけのことはある。リスクを最大限に回避する術を個々人が身につけ、それでも被害に遭ってしまったら、今度は徹底的に責任の所在を追求する、というわけだ。

だから、「国のシステムがリスク回避に傾注していることで、顧客サービスが考慮されない」というのは大いに頷ける。そうだよな。イギリス。っていうか、国際的に見れば、日本がむしろユニークなんだと思うけど。。私の妻は韓国人であるが、顧客サービスの行き届いた(と称して妙にビジネスライクな)日本の接客のあり様をあまり好いていない。あんなふうにマニュアル的に接してもらうなら(例えばファストフードが典型)、むしろぶっきらぼうな方がよほど人間味があっていいという。だけど、ぶっきらぼうさがたんに「やる気のなさ」ではなく、「責任回避」や「リスク回避」に起因するものになってくると、社会全体が妙にぎすぎすしてくる。とはいえ、大きく見て、いまの日本社会も間違いなく「リスク回避」のベクトル上にある、と思う。

英人だって苦労している

2005-05-24 | Great Britain
もし僕が英国でこんな目に遭ったとしたら、英国生活に慣れていない外国人(とりわけのんびりした日本人)だからこんなことになったのだ、とか考えて妙に自省しちゃうのがオチだったろう。でも、英人だって苦労しているんである。ひどい目に遭うことだってあるのだ。あたりまえだけど。でも、むしろ怖いのはこのブログ書いてるお兄ちゃんである。バス追っかけてって、証拠写真撮っちゃうんだから(結局失敗したみたいだけど。でも顔を隠すドライバーもすごいよね)。やっぱり英国って怖いよ。

日比谷の問題の本質はパッチワークにあらず

2005-05-24 | Japan
Monday, May 23, 2005
*「公園計画論」5週目
戦前期日本の公園・緑地について概説。欧米の文明装置を移入した日本がほんとうに学ぶべきだったのは、欧米の公園の「欧米的」姿形ではなく、欧米の公園がなぜあのような姿形をしているか(伝統的庭園との連続性)ということだったのではないか。そのことに気づいていれば、日比谷公園に本多静六案は採用されなかったはずである。本多静六案の問題の中心は「パッチワーク」にあったのではなく、むしろ「日本庭園との断絶(空間的・機能的)」にあったのではないか、と僕は考えている。

*「変わるかダムの国」(5月23日付朝日新聞朝刊記事)を読んで
首都圏の水瓶として利根川上流に計画されている八ツ場ダム建設差し止め訴訟にまつわり、東京都の水供給能力がダム建設により実際の供給量を34%上回ること(ダムなしでも23%上回っている)。地下水を加えると実に41%に上るそうだ。都はこの供給力オーバーを認めているが、渇水時に役立つと反論している。しかし、この過剰の水、大震災害時には確実に供給される保障はどこにもない。

昼下がりの紅花栃

2005-05-22 | Japan
2005.5.22.Sun
今日は妻が息子を連れて階上の友人母子と一緒に千葉ニュータウンに出かけるというので、僕は大学の研究室に仕事に出かけた。今月末締め切りのIFLA世界大会(英国エディンバラ)論文に取り組むためだ。農場の中に住んでいると誠に四季の変化の豊かなことこのうえない。特にこの時期の、草花、草木の日毎に移り変わる様を眺めながらのわずか5分の通勤時間は、通い慣れた道ではあるが毎日新しい発見があり飽きることがない。

研究室で午後3時頃まで仕事をした頃、妻から帰宅したと電話があり、ちょうどきりがよかったので僕も帰宅して洗車に出かけた。息子の要望で洗車前にレンタルビデオ店に寄り、例によってウルトラマンのビデオ(今回はウルトラマンネオス)を借りた。そうこうしていうるちに雨が降ってきた。スダジイの花とスギ花粉の微粒子とわけのわからない樹液がベットリとこびりついた車体にとってこれは恵みの雨である。洗車効果が高まること請け合いである。

今週は、先のIFLA論文の執筆と出版企画を2本と、会議漬けの一週間である。

都市を動かしている奴というのはいる

2005-05-21 | Japan
2005.5.21.Sat
*園芸学部百周年企画委員会準備会
昨夜、息子を寝かしつけていたら不覚にも自分が寝込んでしまい、仕事をし損ねた。それなら、今朝早く目覚めたかというとそういうことでもない。最後に起き出してきたのは何を隠そう僕である。妻と子供はすでに食卓についていた。「パパ、遅いねぇ~」と息子。なんてやつだ。。。

朝食後、自宅でちょいと仕事。今週のうちにたまった書類に一通り目を通す。午後は学部の百周年記念事業の企画委員会に出席。。。それにしても、物事というのは、自分(達)の与り知らぬところで、我々のことをよそに、勝手に、冷徹に、当然のことながら経済に従って、驚くべき速度で進められているものである。自分もそういうレベル(のことがら)に主体的にコミットできたらさぞかし刺激的であろうと思うことはある。だけど、むしろ面白いのは、そういう(ところで日々仕事をこなしている)彼らをして、知らぬ間に足下をすくわれるようなことがあるということだ。それを称して、おそらく我々は「一つの時代が終わった」とか「画期」と言うであろう。ここで、さらに面白いのは、昨今、そのような画期の原動力を、我々一人一人の「力」が担いうるということだ。時代を「動かす」のも魅力的だけど、時代を「変える」ことの方がやはりよほど魅力的ではないか。それにしても、時代の中心にいてそれを動かしている連中というのは、時代を変える(変えられる)ことに消極的(というか否定的)である。また、変革者も、その後の変革には消極的であったりする。えらい抽象的な書き方になっちゃったけど、具体的に書くとヤバイので。。。

*新日本紀行ふたたび
今回は、岩手県沢内盆地。それにしてもこのご時世に硬派な番組づくりだ。そこがいいんだけど。

New Arrivals

2005-05-20 | Media
*TOWN & COUNTRY PLANning, Mar. 2005, Vol.74, No.3, TCPA
Special Issue: The European Spatial Planning Agenda and the UK
言うまでもないことだが、EU加盟国のプランニングとアメリカや日本を初めとするその他の国々のプランニングとの決定的な相違は、国際的な要請(EUの指令)を自国のプランニングの中で消化しているか否かである。と同時に、EUが自国の都市計画や開発の重要な資金源になっている点も重要である。さらに注目すべきは、使途が限定された硬直的な補助金ではなく、国や地域の個性を反映しうる自由度の高い補助金であることだ。

*神野直彦『地域再生の経済学 豊かさを問いなおす』中公新書1657,2002
「地域社会再生のシナリオは、大きく二つに分岐している。一つは市場主義にもとづく、日本を含むアングロ・アメリカン型の地域再生のシナリオである。もう一つは市場主義にもとづかないヨーロッパ型の地域再生の道である」「ヨーロッパの地域再生とは、市場主義によらない地域再生であり、それは市民の共同の経済である財政による地域再生ということができる」

情報リテラシー教育には懐疑的である

2005-05-19 | Japan
2005.5.18.Wed
*「情報処理」授業
僕の担当分(MS-Word)がようやく終わった。来週からは同僚が担当するExcel(表計算)が始まる。現在の小中学生は学校でパソコン関連の授業を受けていると聞く。したがって彼ら彼女らが大学に入る頃には、基礎的な情報リテラシー教育は不要となっているはずである。大学ではもっと高度な情報処理教育が求められることになるだろう。ちょうど今の大学新入生というのは、小中高であまりパソコンに触れたことのない世代なのだ。

2005.5.17.Tue
*母帰静
学会期間中息子の面倒をみにきてくれていた母が帰った。息子は毎日のようにお菓子やおもちゃを手に入れてご満悦であった。

*卒論ゼミ
中心市街地活性化、都市計画、土地区画整理事業、住宅地コモン、いずれもいわゆる造園プロパーとは言い難いキーワードが並んだ。いいことだと思う。

諸力の総和としてのデザイン/プランニング

2005-05-18 | Japan
2005.5.16.Mon
*日本造園学会全国大会最終日@東新宿
今年で3回目(3年目)になる分科会「“アーバニズム”とどう向き合うか? その3 都市化する河川とランドスケープのデザイン」を、マスターピースの高橋さんとツイン・モデレート。石川さんが言うように面白い話が幾つか出てきました。でも、一番刺激的だったのは石川さんご本人のプロポーザル「沈み行く東京」でした。

この日はもう一つ企画サイドとして関わった分科会「コラボレーションと造園技術者の役割」に出席。ほんとうに久しぶりに上野泰さん(ウエノデザイン)のお話が聞けた。タイトルは「都市設計における建築・土木との協働」。「都市設計という営みにおける様々な力(特に人的ファクターについて)の相互関係、作用のプロセス(諸力の総和としてのデザイン/プランニング)が全く記録・評価されていないことは大いに問題である」というのが上野さんのご指摘のポイント。さすが。

もう一つ、ランドスケープ遺産研究委員会主催の分科会「ランドスケープ遺産を考えるー学会設立前後をめぐる状況についてー」にギャラリーとして参加。こちらも面白かった。日本造園学会の設立(1925年)、自然景観や郷土景観をめぐる諸制度(国立公園や、史跡名勝天然記念物ほか)の施行は、社会全体のベクトルが内向きに傾斜し、その帰着点として第二次世界大戦に行き着くという時代状況において発生した。一方、昨今の、観光立国施策、景観法施行、文化的景観の保全をめぐる動きと、改憲論やナショナル・アイデンティティをめぐる議論の高まりという世相に80年前との相同性を見る。このような見方は、景観法を切る一つの大事な視点になりうるはずである。

2005.5.15.Sun
*日本造園学会全国大会3日目@東京大学農学部
「江戸の火除地の防火性能の評価とその動態」「日韓の国土づくりのシステムと関連法制度の比較」「超高層住宅居住者の意識からみた俯瞰景としての公園緑地の評価」の3本の論文(いずれも共同研究)について発表。

火除地の論文では、白幡洋三郎先生(日文研)から「図絵等をみるかぎり火除地というのは空地(くうち)であるものがほとんど。したがって、よく調べたわけではないが、江戸人の防火認識というのはただそこを空けておくこと(空地化)によって延焼を防ぐ、という程度のものだったのではないか。そのへんは文献研究で補完する必要がある」という示唆に富むご指摘をいただいた。それにたいして、慶応大学の石川幹子先生、兵庫県立大学の斉藤庸平先生が、「火除地にも樹木が濃密に植えられていたところがある。それは江戸人が、空地性のみならず、緑地性にも防火性能を認めていた証拠ではないのか」と反論し、いずれにしろ文献研究が必要であると指摘された。非常に有意義な意見交換だった。ありがとうございました。

Cultural Landscape as Universal Keyword

2005-05-15 | Japan
2005.5.14.Sat
*日本造園学会全国大会二日目@東京大学農学部
学術委員会主催のワークショップ「景観を育てる制度の現場での運用 -研究・行政・産業の立場から-」の第2セッション「景観緑三法による街づくりの課題」の司会者をやらせていただきました。終了後、五十嵐君と明日の論文発表の最終打合せ。総会に出席。

2005.5.13.Fri
*日本造園学会全国大会初日@東京大学農学部
日本造園学会80周年記念「持続可能なランドスケープの保全と再生」国際シンポジウムに出席。アン・W・スパーン(マサチューセッツ工科大学教授)とオギュスタン・ベルク(フランス国立社会科学高等研究員教授/日文研)の生のお話を聞けたのがなによりの収穫だった。さすがにいいこと言うよな。7時間の長丁場だったけど飽きることなく聞き通せた。希有なシンポジウムだった。

Sinking Tokyo

2005-05-12 | Japan
2005.5.12.Thu
明日から4日間の日程で開催される日本造園学会全国大会@東京大学に妻も私も出席するため、母が息子の面倒をみるために来てくれた。

2005.5.11.Wed
*「情報処理」の講義
今年から始められた新入生向けの授業科目。僕の担当はMS-Word。教えられなくても先輩達は皆使えるようになっていること。僕自身はふだんはMacユーザーであること。まして、ワードのスペシャリストでも何でもないこと。あえて言うならスペシャリストはそのソフトウェアをつくったプログラマーだけであること。以上をことわったうえで授業をやらせていただきました。

*日本造園学会全国大会分科会事前打合せ
ランドスケープデザインの石川さんと修景社の辻野さんと高田馬場の修景社事務所で最終打合せ。『沈み行く東京』。

New Arrivals

2005-05-11 | Media
*地域開発,2005.5, Vol.488,財団法人日本地域開発センター
・多様性とアーバンデザイン-アムステルダム東部港湾地区を事例として-:後藤良子、海道清信、pp.50-56
・環境保全か、開発か-試練を迎えるセマングム大規模干拓:大西隆、pp.58-59

「多様性」を指向するということは、つまるところ「ふつうのまち」のもつダイナミズム/持続性を追求することである。だけど、「ふつうのまち」に「何でもあり」という含意はない。そこに「デザイン」が介在する余地があるわけだ。求められているのは巧妙なるふつうさである。それにしても、欧州は「都市形態」に対する関心、というか認識が豊かである。うらやましいというより、「なぜそうなのか」ということに興味がある。「(都市形態は)操作可能である」という認識が前提になっていることは言うまでもない。