北村 淳:軍事社会学者)

 本年、令和3(2021)年も、元旦から3日連続して中国公船が尖閣諸島周辺海域に姿を現し、日本領海に隣接する接続水域を航行した。海上保安庁巡視船が中国公船に対して日本領海に接近しないように警告を発するという定型的措置を取ったものの、新型コロナ感染拡大の影に隠れて日本政府もメディアもさしたる関心を示していないようだ。

毎日のように姿を現す中国公船

 2020年は、元旦から27日連続して複数の中国公船が尖閣周辺接続水域内を航行した。2020年に最初に領海内へ侵入したのは1月4日だった。結局、2020年に中国公船が尖閣諸島周辺接続水域内を航行したのは合計333日、そのうち29日は領海侵入であった。

(中略)

・・・・尖閣諸島を実効支配しているのが日本か中国か不明な状況をつくり出すためのサラミスライス戦略をたっぷりと時間をかけて実施している中国に対して、「アメリカの虎の威」などは何の役にも立たない。そもそも中国は、最後の最後までアメリカの軍事的介入を避けるためにサラミスライス戦略を用いている

 日本政府が即刻実施すべき尖閣防衛策の第一歩は、「尖閣諸島を巡る領土問題は存在しない」という立場を撤回し、「尖閣諸島を巡って日本と中国は領域紛争中である」という状況を国際社会に大々的に宣伝することである。

 そして、本コラムでも繰り返し指摘しているように、尖閣諸島は日本固有の領土であるという主張を「目に見える形で」国際社会に示すために、尖閣諸島の魚釣島に測候施設(コンテナハウスなどを利用した簡易施設で十分)を設置し、非戦闘員である海上保安庁海難救援隊員と民間人気象観測研究員などを常駐させるべきである。

 いつも思うのですが、日本政府は本気で尖閣諸島を守る気があるのかという事です。

「尖閣諸島には領土問題は存在しない」

「尖閣諸島は日本固有の領土だ」

この言葉は何度も聞きます。

それなら日本人が自由に、少なくとも石垣市の人は上陸できるはずです。

ところが島内の自然調査は疎か、上陸でさえ許していません。

中国海警局の船舶が領海侵入しても「直ちに出て行きなさい」とアナウンスするだけ。

効果は全くないでしょうが放水さえしていません。

これでは日本領とは言えませんし、領土問題は存在しないとは言えません。

北村氏の言うように「尖閣諸島を巡って日本と中国は領域紛争中である」とか

「尖閣諸島は日本領だが中国が侵略しようとしている」と事実を訴えるべきです。

 

武漢コロナ対策にしてもこの領土問題にしても、日本はこうも中国に弱腰なのかと情けなくなります。

中国依存が危険だと分かっているのにこの有様です。

領土保全に無頓着なのか無関心なのか・・・・。

こんなところでも日本人の平和ボケぶりが表れています。

 

思い返せば中国漁船衝突事件や尖閣諸島国有化では中国は日本企業への略奪、焼き討ちに邦人拘束、

過激デモ、レアアース輸出制限などあらゆる嫌がらせをしてきました。

だからと言って有耶無耶な対応をしていたらそのうち尖閣は竹島の二の舞になるでしょう。

 

そんな中、石垣市はふるさと納税を利用し尖閣諸島について国内外への発信をするそうです。 

 

寄付件数は1391件で、作曲家のすぎやまこういち氏からは、2000万円の大口寄付があったとか。

そういえば国有化の前に東京都が購入する話があり、あの時の寄付金はどうなったのでしょうか。

東京都のHPを見ると、

平成25年1月31日で寄付を終了し、以下の結果となっています。

○ 受付件数・総額(1月31日現在)
・件数 103,602件
・総額 1,485,201,967円

 

このまま手付かずのまま毎年繰り越しするのは勿体ない事です。

寄付した人の思いを考え、有効活用するとともに日本政府や沖縄県にはもっと危機感を持ち、

対処してもらいたいです。 

中国に上陸されて地団駄踏んでも遅いです。