空想というのは例えば「私が空を飛べたら」は想像でプラスの
発想、一方妄想というのは「私は空を飛べるから」という断定
でマイナスの発想である。
当時時代の寵児と呼ばれた、今は亡き作家の森瑤子のとってお
きの遊びは「空想」であった、暇さえあれば頭の中で自分を主
人公にしたストーリーを組み立てることが一番楽しい遊びだっ
たという。
本当はウインドウショッピング、ドライブ、料理、食べ歩き等
が代表的な遊びだろうが、彼女がいう遊びとは肩の力が完全に
抜けて少しばかり不真面目で、ちょっとうしろめたくて、でも
あまり人に迷惑をかけないでひたすら楽しい、妄想とは違う空
想、恋愛小説の旗手ならではの遊びかもしれない。