老いてくると、どうしても出来ないことがふえてくるものであ
る、だから残りの人生をどう生きていくかというのは高齢者に
とって重要なことである、たとえ順風満帆な人生を歩んできた
人でも死ぬまで充実した人生を送れるとは限らない。
明日の保証を手にしている人など一人もいない、今は元気で安
定していても明日のことは誰にもわからない、心の危機は誰に
も訪れるものだ、そんなときは自分なりの解決法を持つしかな
い、生きる苦痛の根本的な解決はできなくても、それなりに何
とか折り合いをつけて生きるしかない。
生きてる限り、すべての悩みから解放されることはない、ある
意味悩むことは生きてる証しともいえる、実際こうありたい自
分、こうあって欲しい人間関係があるから悩むので、悩みを通
して人との距離に気づき自分を再発見するものだ、そしてたと
え生きにくい日々であっても何とかもちこたえて、できること
を楽しみ、真摯に今を生きたいというのが76歳の実感である。