作家村上龍氏の父親は2013年88歳で亡くなった、亡くなる
直前まで自分で車を運転し買い物にも行くほど元気で亡くなった
当日も朝食と昼食はちゃんと食べたという、亡くなるまで介護も
受けず誰の世話にもならず誰にも迷惑をかけなかった。
そんな村上龍氏の父親のことが作家城山三郎の著書の「打たれ強
く生きる」 のなかの「父の根気」で親子のエピソードとして書か
れている。
村上龍氏は高校時代学校を封鎖したり、警察の世話にもなり郷里
を捨て東京へ去った、家を飛び出した息子の許へ一週間ほどして
教育者である父親から葉書が届いた、「お母さんは何をしてる、
近所ではこんなことがあった」全くさりげない近況報告、一週間
経つとまた父親から葉書、同じような内容、読むとすぐ捨てた。
実に7年間で2000通の葉書、ただの一度も返事をださなかっ
た、自分の顔に泥を塗った形なのに手ごたえのないまま7年間に
わたって無償の努力を続けた父親、それだけ息子を信頼してた、
その根気そのやさしさ、まさに無償の努力、無償の愛を感じたエ
ピソードであった。