本澤二郎の「日本の風景」(4775)

<人が人を殺す猿以下の社会=袖ヶ浦市レポート8>

 いま国会が廃れている。国会議員が国民の代表者としての義務を果たしていない。大事な常任委員会に遅れて来たり、無断で欠席する者もいる。特に与党議員には問題人物が少なくない。そのはずで、本人の1票以外の票を取れなかったものまでがバッジをつけていた!しかもその議員を、岸田内閣は政府の要職につけていた。案の定、頓珍漢な考えの持ち主だったが、独裁者の極右の安倍晋三の一存で、国会議員にさせられていたことが判明した。

 委員会をさぼって遊んでいる議員もいる。国会対策副委員長は、さぼる議員を監視しているが、目下余りのひどさに溜息をついている。事務所に催促しようとして電話をしても誰も出てこない!ありえないことだ。真昼間から事務所内で情事にふけっていた?まさかの事態が起きているのか?女性秘書も電話に出られなかった、ありえないことだ。昔の国会議員事務所も密室で、扉を閉めると内部の様子は分からない。ただし、やくざ代議士の部屋は別格で、本人が吠えたりすると扉の外どころか隣室の秘書まで震えたものだ。

 日本の国会議員の報酬は、驚くなかれ世界恐慌だろうが、コロナだろうが関係なく、世界一の高給を懐に入れている。倫理も道義もない。国会を開会してると、それだけで血税に負担をかけている。こうした国権の最高機関の無様な状態は、小学校の教室でも見られない。むろん、猿山でも。同じような事例が地方の議会ではどうだろうか?

 

<袖ヶ浦市議会・建設経済常任委員会の議事録を初めて点検>

 林地区の住民の努力で、今からほぼ1年前の袖ヶ浦市議会の建設経済常任委員会の議事録(2022年5月23日)が手に入った。名称からして「利権」の臭いが感じられような委員会名称だ。

 国会には、以前は建設省に比例して建設常任委員会が存在、与野党議員が競争で委員になろうとした。自民党では、派閥のボスが動いて側近を送り込んだ。利権ポストは選挙に有利だからだ。他方で、大臣は誰でもなれた。追及する野党議員(委員)もいなかった。

 袖ヶ浦市の建設経済委員会もほぼ同じと受け止めた。地方議会の審議を見たことがない。むろん、議事録も。昨今は居眠り議員が多い。「防犯カメラを設置してはどうか」との声も聞かれるようになった。

 国会では、小泉純一郎の居眠りが有名だった。彼の議席の隣人が、よく語っていた。「夜中に活躍する小泉は離婚して独身だから、だれも文句を言わなかった」のだが、納税者は断じて許すことは出来ない。

 横道に入る。彼の罪は、人によって郵政民営化の強行だったが、日本国憲法を鏡として生きてきた人間は、彼の戦争神社・靖国神社参拝だった。憲法の政教分離違反を首相として強行した。彼は神社神道、戦前の国家神道の操り人形として首相になったことに対して、反骨ジャーナリストは怒りを覚えた。ひとり「純ちゃん間違っていませんか」(データハウス)を書いて、彼に警鐘を鳴らした。小泉の兄貴分の森喜朗は、神社神道の指令を受けて「日本神国論」という途方もない暴言を吐いた。

 二人とも戦前の国家神道復活に汗をかいていたのだ。許しがたい反憲法的な人物だった。隣国との信頼関係は崩壊した。二人とも岸・福田の清和会の政治屋だった。3人目の清和会の政治屋が安倍晋三で、自衛隊を戦争させる違憲違法の「戦争三法」を強行した。非戦の憲法に真っ向から違反した。安倍は他方で、アベノミクスと称して財閥の懐を肥え太らせた。今では内部留保金500兆円を超える。黒田日銀に次いで、植田日銀も。そして今43兆円の世界第3位の軍国主義大国を目指している。

 総括すると、戦前の軍国主義は国家神道と財閥と軍閥の3本柱。どうだろう、国家神道・財閥・軍閥の戦前体制が確立したといえないか。戦争国家の布陣が整ったことである。凡人ジャーナリストもようやく歴史の真実を掴むことが出来た。

 

<吉岡委員の質問通告に村田委員長と市の飯野副参事の猿芝居?>

 手元の議事録の文字が小さい。新聞の文字よりも小さい。「読んでくれるな」という市の姿勢に腹が立つ。読むに値しない内容であると、あえて小役人の悪知恵なのか。それとも、住民向けに特別小さい文字にして手渡したものか。

 この袖ヶ浦市の重大事件は、7年もの間、市が監視業務をしなかった。行政と業者の癒着に事柄の本質があるのだが、従って委員長と市当局で事前に協議したらしく、答弁者を廃棄物対策課副参事に格下げしている。この委員会は実態に沿ったものでは全くない。丁々発止を期待する方が間違いなのだ。猿芝居かそれ以下に違いない。

 市は万全の予防線を張った。委員会当日に100ページ以上の資料を用意して、質問委員を面食らわせた。事情を知らない委員は、質問さえできない。行政の手口はこの程度のレベルなのか。「林字陣場台の瓦チップの堆積」という用語で、地元の深刻すぎる事態の矮小化に知恵を出していることが素人でも分かる。

 「平成25年3月18日に当該事業場に関する通報があった」「事業者の説明だ」などと発言してワコーエコテック名を伏せる配慮までしている。そういえば、問題の産廃業者の名称さえも蓋している。地元関係者は「残土問題では委員長は怪しい人物」との評判だ。

 小さい文字ともうしばらく付き合わねばなるまい。

2023年4月15日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)