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花好きじじい

花を求めて山野を歩き回っています。
花好きの皆さん花にまつわる話をお聞かせください。

クマ被害

2018-01-17 09:52:15 | Weblog

   ・・・ 今日の話題は山野草とは無縁な事柄です ・・・ 

 今朝、通勤の車の中で聴いたNHK秋田のローカルニュースでは、昨年の秋田県内での
熊の目撃情報は1298件で、人が被害に遭ったのが20件と伝えておりました。
 この目撃数というのは警察に届けられた数であって、過疎地などではクマの目撃など
は極めて日常的なことなので人が被害に遭わない限り届け出などはしないため実際の目
撃数というのはこの数よりも格段に多いと考えられます。 
 事実、私たちの施設でもクマによる器物損壊の被害を蒙っていますが警察への届け出
はしていません。 
 
 秋田市より北に約53Km離れた山間部にある私の勤務する施設周辺には日常的にクマ
が出没しているらしく、晩秋になると連日町役場からクマ目撃の防災放送が流されます。

 平成29年9月29日朝、 職員が出勤してきて施設敷地内にある旧宿舎を改造して使用し
ている更衣室に入ったところ、壁が大きく抉られているのに気付き管理課に連絡してきま
した。
 

 連絡を受けた管理課の職員が建物の裏に回って調べたのが次の画像です。
 


 外壁が乱暴に破られ床にまで穴があけられたているのはどう見ても人間の仕業とは考え
られません。
 3日後に修理に入った職員が破られた壁のすぐ近くの2ヶ所に巨大な糞塊を発見し、犯人
はクマに間違いないと確信しました。


 糞塊を拡大しました 。


 破られた壁と床の周辺には蜂の巣の破片が散乱していましたから、クマは建物の床下に
営巣したススメバチの巣を狙ってかかる乱暴狼藉をはたらいたものと思われます。
 


秋田の萩

2018-01-08 14:29:58 | Weblog

 秋田県内で見られるハギの名の付けられた植物については 2015ー09ー07 のblog
にも載せていますので、これはそれに多少の手を加えた全くの焼き直しです。
 なお、これら植物の観察場所は私の行動範囲(秋田市以北)に限定しています。 

     撮影した植物一覧

マメ 科 Fabaceae 

ハギ 属 Lespedeza — ヤマハギ・ミヤギノハギ・シラハギ  
                                   イヌハギ・ネコハギ 
               メドハギ・ハイメドハギ                                      
   ソラマメ 属 Vicia — ナンテンハギ
 センダイハギ 属 Thermopsis — センダイハギ
 シナガワハギ 属 Melilotus — シナガワハギ
 ヌスビトハギ 属 Desmodium — ヌスビトハギ
 イタチハギ 属 Amorpha — イタチハギ

ミソハギ 科 Lythraceae
 ミソハギ Lythrum — ミソハギ

ヒメハギ 科 Polygalaceae
 ヒメハギ Polygala — ヒメハギ

        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヤマハギ(山萩)・ミヤギノハギ(宮城野萩)・シラハギ(白萩)
ヤマハギは各地で見られますがミヤギノハギ、シラハギは秋田植物園に植栽されたものを撮影したものでです。
 両種はかなり似ていて区別するのは必ずしも容易ではないのですが、区別点としてあげられる特徴を表示すると下の様になります。













イヌハギ(犬萩)・ネコハギ(猫萩)・メドハギ萩)・ハイメドハギ(這萩)

  3種とも道端や荒れ地などに何処にでも比較的普通に見られて類似していますが、葉の形、サイズが異なっているため容易に区別できます。



イヌハギ



ネコハギ
 


メドハギ ハイメドハギ
各所の道端や荒れ地などで見かけます。

 
道端

 ナンテンハギ(南天萩)
  
男鹿半島、雑木林の樹下の草地で見られました。




センダイハギ(千代萩) 
 能代市風の松原の他、男鹿半島寒風山などでも見られます。




シナガワハギ(品川萩) 
 男鹿半島 鵜ノ崎海岸の岩場で見られます。


ヌスビトハギ(盗人萩)
 林縁の草地などの至るところで見ることが出来ます。




イタチハギ(鼬萩)
 河川敷 、堤防などの至るところで見られます。



ミソハギ(禊萩)
 休耕田で大群落を作っているのを各所で見られます。




ミソハギ と エゾミソハギ との違いは エゾミソハギ では全体に細毛が密生し、花の向きは茎に鈍角なことです。



ヒメハギ(姫萩)
 三種町石倉山公園の草地では紅紫色と白色花弁のヒメハギが見られます。
 



 以上、秋田で見られる8属14種の『萩』の名の付けられた植物を並べてみました。


秋田で見られるムラサキ科

2017-12-31 19:16:56 | Weblog

 世界中のムラサキ科は約150属、約2700種からなる大きな科で、日本には15属、35種が知られて
ると記載されています。
 一般に花序はカタツムリ状、円錐状、散房状、花は小型で、5数性の皿状または筒状の合弁花冠で、


多くはルリ色の5数性で、雄しべは5個、雌しべは1個あります。
 この中で、秋田県内で見ることの出来た下の9属、14種を供覧します。 

  一覧(属genusのアルフアベット順)
 ハナイバナ属 Bothriospermum - ハナイバナ
 ミヤマムラサキ属 Eritrichium - ミヤマムラサキ
 キダチルリソウ属 Heliotropium - スナビキソウ
 ムラサキ属 Lithospermum - ムラサキ, ホタルカズラ
 ハマベンケイソウ属 Mertensia - ハマベンケイソウ
 ワスレナグサ属 Myosotis - ワスレナグサ, ノハラムラサキ, ハマワスレナグサ
 ルリソウ属 Omphalodes - ルリソウ
 ヒレハリソウ属 Symphytum - ヒレハリソウ
 キュウリグサ属 Trigonotis - キュウリグサ, ミズタビラコ, タチカメバソウ

ハナイバナ
各地の空き地とか耕作放棄畑など比較的乾いた場所に群生していますがハコベと見誤ることがあります。 

ミヤマムラサキ
秋田駒ケ岳の砂礫地に見られた。花冠の色が淡紫色からほとんど白色のものまで多彩。


スナビキソウ男鹿半島入道崎海岸の砂地の草地に見れれた。


ムラサキ(植栽)
  嘗ては秋田県北部(旧南部藩領)には多く生育し、紫色染料とし使用されたようだが、現在では殆んど
絶滅寸前にまで減少してしまったらしい。

 ここに載せた写真は岩手県滝沢市の農家の屋敷内に植栽されていたものを写させて貰ったものです。

ホタルカズラ 
 男鹿半島の寒風山、入道崎の草地など数カ所で見られる。


◎ ムラサキ属に入れられているムラサキホタルカズラとは花冠の色は違っていてもよく似ている。

ハマベンケイソウ
  数カ所の海岸の砂地で見られる。

 

 ワスレナグサ  ノハラムラサキ  ハマワスレナグサ
 何れも観賞用に持ち込まれた帰化植物。


ワスレナグサ



ノハラムラサキ




ハマワスレナグサ  3種の中では最も小型


ルリソウ 
秋田市下浜羽川舘跡で撮影


ヒレハリソウ(コンフリー)
観賞用に持ち込まれた帰化植物。逸出して各地に生育している。

 ◎ 形態が属の違うハマベンケイとよく似ている。
 

キュウリグサ


◎ よく似たノハラムラサキと同じ場所に生育していると区別が難しいこともある。

ミズタビラコ 羽後町田代で撮影。 

タチカメバソウ  五城目町湯ノ又で撮影。 


 ◎ ミズタビラコとタチカメバソウとは水辺に生育していて良く似ています。


カキツバタの晩秋開花

2017-10-29 20:55:19 | Weblog

 2015-11-14落ち葉の中に咲くカキツバタ」、2016-6-14二度咲きカキツバタ」では秋田市
千秋公園のアヤメ園のカキツバタは6〜7月と10〜11月の2回開花すると書きましたが、今年
も10月に入ってから秋の開花が始まっているのを昨日(10月28日)観てきました。 



 開花が始まったばかりで多くはまだ蕾でしたが開花した4輪を並べてみました。 

 

 カキツバタでは不定期な狂い咲きが間々見られますが、毎年決まった時期に複数の花が開花
するものを狂い咲きとはされないと考えています。 


ヤブツルアズキご飯

2017-10-21 18:44:02 | Weblog

 

 私の職場近くにあまり手入れが行き届いているとは言い難い大豆畑があり毎年ヤブツルアズキ
が混じって生えることが分かっています。
 今年、実の熟すのを待って種子えお採集してヤブツルアズキご飯を作ってみました。 

 大豆畑の中に生えたヤブツルアズキは葉が似ていて紛らわしいが通常の大豆の花が紫色なのに対
してヤブツルアズキの花はアズキと同じ鮮やかな黄色なので容易に区別することが出来ます。
 黄色の花と未熟な緑色の長い豆果とが見られます。
 
 

 豆果が熟してくると莢が暗紫色に変わり、はじけて暗灰白色の種子が飛び出してきます。
 

 種子はアズキよく似た楕円形ですが小さく暗灰白色をしています。

 種子を水洗して10分ほど煮沸しました。

 これを、うるち米3 :もち米1 、少量の食塩を加えて炊飯器で炊き込みます。

 炊き上がったご飯をよくかき混ぜました。 

 茶碗に盛ったヤブツルアズキご飯です。
 

 アズキご飯と全く同じ食感でした。ご飯の色も炊きたてはご覧のようなくすんだ白色ですが、
時間が経っとアズキご飯のような淡紫色調を帯びてきます。

 来年はヤブツルアズキを使ったおシルコ作りなどに挑戦してみます。 


サクラタデ と シロバナサクラタデ

2017-10-11 14:32:55 | Weblog

 私の生活圏の至る所にタデ科の花々が見られあす。
10月9日晴天に誘われて朝からタデ科の花々を撮影して回りましたが、その中からサクラタデと
シロバナサクラタデの写真を並べてみます。 
 タデ科は湿地か水辺の土手などに群落を作りますが、 サクラタデやシロバナサクラタデも休
耕田とか耕作放棄田などに大群落が見られました。
 開花期になると花被(萼片)の色から淡紅色のサクラタデの群落と白色のシロバナサクラタデ
の群落とが明らかに区別できます。
 両種の草丈には殆ど違いはないのですがサクラタデの花序が垂れ曲がったものが多いのに対し
てシロバナサクラタデの花序は真っ直ぐ立ったものが大部分です。
 

サクラタデ 
 

シロバナサクラタデ



比較
 花被の色はサクラタデでは淡紅色で、シロバナサクラタデでは基本的に白色。
 花被のサイズはサクラタデは5〜7mm、シロバナサクラタデでは4〜5mm



サイズ
 披針形で先端の尖った形は類似していますがサイズに差があります。
 茎の中央部から切り取った葉を比較したのが下の画像です。
 サデクサ 12〜15 x  1.5cm     シロバナサデクサ 7〜12 x 1.0~1.5cm
 


ハシカグサとオオハシカグサの比較

2017-09-17 16:20:36 | Weblog

 ハシカグサ(麻疹草)は本州と沖縄諸島に広く分布し、その変種オオハシカグサ(大麻疹草)は中部地方の日本海側から東北地方に分布していると記載されていますが、秋田ではオオハシカグサは各所で見られるもののハシカグサは極めて稀にしか見られません。
  ハシカグサもオオハシカグサも樹下のやや湿った草地で、枝分かれして地面を這うように広がり、8〜9月には小さな白色の筒形の花を付ける目立たない植物です。
 この近縁の両種はよく似ていて区別するのが難しいのですが、並べてみるとその違いがはっきりとしてきます。
 ここに、私の生活圏で見られた両種を並べてみます。 

ハシカグサ
 葉は卵形から狭卵形で表裏両面には白い軟毛が生えています。
 花冠は筒形で先端が4裂しています。萼に白い軟毛が密生しています。
 
 

オオハシカグサ 
  葉や花の形はハシカグサと同じですが、葉も萼も無毛で、サイズがやや大きいという違いが分ります(多分、名の由来)。


 

葉の比較

花の比較

 



 

 


ホドイモの花

2017-08-30 05:56:39 | Weblog

 ホドイモ(塊芋)は山野に自生するマメ科の植物で昔から食用にされていますが、
食用に販売されているのは明治中期アメリカから持ち込まれたアメリカホドイモ
(アピオス)です。
 この2種のホドイモを同じ鉢で栽培して花を比較してみました。


 両者の花の並んだ部分を拡大してみました。


 ホドイモでは淡緑色の花が狭円錐状の花序を作ります。


 アメリカホドイモ(アピオス)ではクズに似た円錐搭状の花序を作ります。


 両者の花は色とサイズが違っていますがよく似ています。


 1本の花柱(雌しべ)と6本の雄しべとは屈曲した竜骨弁の中に収められていて露出したもの
を見るのは珍しく、ことにアメリカホドイモでは竜骨弁を開かなければ現れてきません。




 ホドイモ属での受粉がどの様にしてなされるのか、媒介者がいるのかどうかも分かりません。
 私は3年前から自生のホドイモと栽培のアメリカホドイモとを観察していますがまだ結実した
のを見たことがありません。
 ホドイモはマメ科なのに結実することが少ないらしく、ことにアメリカホドイモにいたっては
結実したという報告を見たことがありません。
 なお、ネット通販などでアピオスの種として発売されているのは種芋のことなのです。
 


ネムノキの花

2017-08-23 08:51:48 | Weblog

 松尾芭蕉が象潟の地を訪れ華麗な合歓の木の花を眺めて詠んだ句“象潟や雨に西施がねぶの花”は
有名ですが秋田では何処ででも合歓の木の花を観ることがことが出来ます。




 私の職場前の土手にも樹高の低い合歓の木が一本生えていて、毎年その芽吹きから開花、そして
結実までを何気なく目にしていたのですが、ふと、この花を詳細に観察してみたくなりました。
 

 花は枝先に10〜20個集まった頭状花序を総状に付けます。5枚の花弁の下部は合着した筒状で
7〜9mm、微短毛があります。上方が淡紅色で下部が白色の3〜4cmと長い糸状の雄しべ多数と、
白色の花柱(雌しべ)とがあります。萼は3mmほどで筒形をしています。 



 14個の花が総状に付いたものを基部から切り離して並べたみました。
この中に頂生花と名付けられた花冠が長く、雄しべが合着して横に広がった花がありますが、
この花の底にある蜜は夜間にやって来る送粉者ススメガだけが饗応にあずかれるのだそうです。


 花の一つだけを拡大してみました。花冠と下部の萼には微短毛が見られます。


 実体顕微鏡で花糸(雄しべ、雌しべ)の上部を観察してみました(20x)。


 更に拡大(40x)して見ると、雄しべの先端の葯の部分に小さな花粉の粒子が認められました。


 この粒子をスライドグラスに移して顕微鏡で覗いたら、桑実胚に似た形(集粒型)の花粉が
観られました。