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花好きじじい

花を求めて山野を歩き回っています。
花好きの皆さん花にまつわる話をお聞かせください。

石倉山で見られた山野草

2015-03-09 10:24:48 | Weblog

  秋田県山本郡三種町(旧山本町)森岳にある標高143mの石倉山と名付けられた高地は世界遺産白神山脈の峰々と男鹿半島・八郎潟残存湖などを眺望できる展望台やキャンプ場、遊歩道などが整備された公園で、四季折々の山野草も見られる穴場でもありました。
 私は平成2年からこの高地への登り口にある職場に勤務し、山腹にある宿舎で生活してきましたので石倉山はいわば我が家の庭にも等しい馴染みの所なのです。暇があればカメラを提げてこの公園に出かけ山野草の撮影を続けており、私の作ったホームぺージ『秋田の山野草』の中にも沢山取り込んでいます。
 ところが、数年前から町がこの公園の整備を始め、松喰虫に蝕まれた多数の赤松の伐採、雑木の間伐と林床の下草刈などを徹底的に行った結果、見た目には大変綺麗に整備された公園に生まれ変わったのですが実は多くの貴重は山野草があらかた失われることになってしまい、山野草を愛する私にとっては大変残念なことなのです。
 私がこの公園とその近接地で撮影した花々を供覧します。

              3月の花
    
       カキドウシ       ネコノメソウ           シュンラン          ザゼンソウ

              4月の花
   
ニオイタチツボスミレ     ミズバショウ         ミチノクサイシン     ウスバサイシン
   
   エゾアオイスミレ    オオイヌノフグリ      オオバクロモジ         カタクリ
   
 キクザキイチゲ          キブシ              コブシ         ショウジョウバカマ

              5月の花
    
  オオタチツボスミレ      クサノオウ         スミレサイシン        タガネソウ
   
 タチツボスミレ         タニウツギ           チゴユリ           ツボスミレ
     
  ツリバナ            ハルジョン           ヒトツボクロ           ヒメハギ
 
   マツブサ          ヤマウルシ   
           
                                    6月の花 

     
   イチヤクソウ            ウワミズザクラ     クモキリソウ      ササバギンラン

    
ジンヨウイチヤクソウ    スイカズラ        タラノキ        ツルアリドウシ
   
  ヒメジオン      マルバイチヤクソウ     ヤマツツジ      レンゲツツジ

             7月の花
   
  ウツボグサ       オトギリソウ       クサフジ         ヤマユリ

             8月の花
      
   イヌゴマ         オトコエシ      サジガンクビソウ    ナンブアザミ

 ヨツバヒヨドリ

            9月の花
   
  エゾリンドウ       コシアブラ        コシオガマ      ツルリンドウ
 
  ネコハギ        ヒヨドリバナ

            10~11月の花
   
 アキノキリンソウ    イヌコウジュ       オヤマボクチ      センブリ
 
   タカアザミ        ミゾソバ

 

       
 
   


秋田花の会写真展(28回)の準備

2015-01-31 20:17:17 | Weblog

2月14日(土)から17日(火)までの4日間、秋田市総合生活文化会館
アトリオンで開催されます。
私は平成14年より毎年継続して11回企画展に出展しておりますが今年も
下の様な展示を準備しております。

            『奇妙な名の野草」 
   気の毒な和名が付けられた野草は沢山ありますが、名前に拘らず
     きれいな花を咲かせるものも少なくありません。

     オオイヌノフグり(大犬の陰嚢) クサイ(草藺)クサギ(臭木) 
    クサレダマ(草連玉)クソニンジ(糞人参)ノミノフスマ(蚤の衾)
    ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋) ヌスビトハギ(盗人萩)                     ハキダメギク(掃き溜菊) ブタナ(豚菜) ブタクサ(豚草)
    ヘクソカズラ(屁糞葛)ボロギク(襤褸菊) ウバユリ(姥百合)                   ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)(下線10種の花を供覧します)

   
                  オオイヌノフグリ   クサギ      クサレダマ
 
  
      キランソウ    ヌスビトハギ    ハキダメギク
 
  
      ヘクソカズラ   ベニバナボロギク ママコノシリヌグイ
 
   
       ウバユリ       ウバユリ     オオウバユリ

タコノアシ

2014-10-09 10:39:12 | Weblog

2014.8.20「山野草の播種」の中で、由利本荘市芋川の岸で採集してきたタコノアシの種を播いて育てた苗を私の職場の中にある湿地で育てていると書きましたが、10月に入ってから紅葉して実も紅色に変色して名称の由来となる「蛸の足」に似てきました。かきましたが、

ああ 余談になりますが、私の知っているタコノアシのもう一ヵ所の生育地、下新城笠原の新城川
    河川敷
の湿地では今年から始められて農道造成のため環境が一変してしまいタコノアシが
    絶滅したようです。

ああ今年は私の職場内の湿地に種を播いて人為的な生育地を作ってみたいと考えております。     

     


コシロネとエゾシロネの比較

2014-08-31 14:52:37 | Weblog

  今の時期に秋田で開花しているコシロネエゾシロネとは半日陰の湿地に生育し、しかも良く似ているためしばしば混同されていますが、私の生活圏で撮影したこの2種を並べて違いを示したいと思います。

                    コシロネ                                エゾシロネ
  
                            両種を葉だけで区別するのは難しい
 
                                 エゾシロネの花はシロネ属4種の中で最小
  

         萼の先端は鋭                        萼の先端は鈍
  
                                    エゾシロネの根はチョロギに似る
  

                                   秋にエゾシロネの葉は黄色に変わる
 


イヌハギが咲きました

2014-08-29 09:29:32 | Weblog

 イヌハギは秋田ではそれほど稀ではないらしく準絶滅危惧種に指定されています(環境省カテゴリ絶滅危惧 II類)。
 私の職場近くでも道端の数か所で咲きだしましたので昨日の昼休みに撮影してきました。
その折、近所のお宅の庭に植えてあるシロハギも咲いているのを見かけましたので比較のために撮影してきました。
 なお、ネコハギも職場近くで沢山見られるのですが、まだ開花時期にはなっていないらしく撮影できませんでした。

    
         
 

                            
              シロハギ(植栽)

  


山野草の播種

2014-08-20 16:16:11 | Weblog

 数年来、山野草の熟した種を見かけたら採取してきて庭や鉢に播き発芽率や生育状態を観察しています。
 ただし、正確なデーターを得る目的で行っているわけではありませんから、かなり大ざっぱな観察であり、また用土の検討などをしているわけでもありませんから、皆さまの参考となるものとは到底考えられないことをお断わりしておきます。
 また、種蒔きはいわゆる採取してすぐに播く‶取り播き″の場合が多く、越冬して春に播いたものは数種しかありませんから、どちらが適しているかも分かりません。

 ギョウジャニンニク は発芽率が良い上に、毎年少しづつ殖え続けて大きな群落になっています。
 カタクリ は毎年20粒以上蒔いていますが、気付かぬ間に発芽して20株以上に殖えてきました。発芽してから開花するまで数年を要するとのことでが、今のところ開花するのは数株しかありません。
 サンカヨウ も可成り発芽率は良いのですが、開花までに3年以上を要するようで、毎年開花するのは3株のみです。
 エゾノリュウキンカ の発芽率は良くないため数年から試みていて漸く5鉢に殖しました。
 オクトリカブト も発芽率は悪い方ですが10株ほどが開花します。
 コウモリソウ は発芽率が悪く。多数の種を蒔いても発芽して生育するのは数株のみです(イボブキ・・4株 、モミジガサ・・2株、イヌドウナ・・0株)
 タコノアシ は発芽率は良く、生育も甚だ良好です。
     ここには、今年観察中のタコノアシの画像を供覧します。             

       昨年11月本荘市の芋川の岸の土手で採集したタコノアシの実
           
 

       微細な種を取り出して鉢に蒔きました     (顕微鏡拡大写真)

                   

          5月24日      6月7日      6月18日

     
     
        職場の敷地にある湿地に移植しました 

           7月7日      8月1日      8月25日
   

             8月28日 花が開きだしました
 

 




秋田で見られるイチヤクソウ

2014-07-20 15:23:15 | Weblog

 秋田では6種のイチヤクソウが見られますが、それらの鑑別の重要なポイントは花(花弁の形、花柱の形、萼片の形)と葉(形と葉脈)です。

   イチヤクソウ
              

   カラフトイチヤクソウ
             

   コバノイチヤクソウ
  

    ジンヨウイチヤクソウ
  

   ベニバナイチヤクソウ
        

   マルバイチヤクソウ
   

   


シオデとタチシオデの違い

2014-07-10 10:46:32 | Weblog

  秋田ではシオデを山菜「ひでこ」と呼んで食べられています(秋田民謡ひでこ節は若い男女がシオデ採りに野山に出かけた時の唄だそうです)。
 私も秋田に勤務するようになってから地元の人から教わり近辺の原野や杉林の数か所から毎年5~6月にシオデの新芽を採集してきて食べていますが、シオデタチシオデとの2種のあることを知らずに過ごしてきました(つまり、味には全く差がないというわけです)。
  昨年からこの2種の違いを比較してみようと撮影してみました。

 
 早春に「ひでこ」として採集する芽の頃にはシオデもタチシオデとも真っ直ぐに立ち上がり殆ど差がありません。タチシオデの特徴として立ち上がること記載されたものが多いのですが、この段階で見分けるのは大変難しいと思います。
 また、傍に他の植物なり木があれば葉腋より出した髭蔓で絡みつき這い上がるが、何も無ければ地表を這って拡がる点でも両種で差がありません。
                     シオデ       タチシオデ

                

 
 シオデでは茎に浅い稜が数条あり、ざらつくのに対して、タチシオデは滑らかです。

                    シオデ       タチシオデ  

                          

 
 卵状長楕円形から披針状形など形に開きがあり、大きさにもばらつきがあってそれだけで両種 を区別するのは難しいのですが、タチシオデの葉の裏面は粉白色なので明瞭に区別できます。
                    シオデ       タチシオデ  

                          

 
 開花期はシオデでは7月で、タチシオデではそれよりやや早く5~6月です。 
 両種とも雌雄異株で、
   シオデでは雌雄花とも花披片は反り返り    タチシオデの花被片は反り返らない
   雄蕊の葯は線形で長く、先が巻いている    雄蕊の葯は長楕円形、点状
                  

 実
 未熟の時期ではタチシオデでは白味かかっていてシオデとは区別できますが、熟したものでは 殆ど差がなくなってしまいます。
           シオデ                 タチシオデ
                 

                  画像をクリックして拡大してご覧ください。
 


ホザキノヤドリギの花が見たい

2014-07-02 10:18:53 | Weblog

  2012-4-9 「ヤドリギの花が見られた」 との表題のブログは、それを書いた2日前の4月7日に目的も無く車を走らせていた田沢湖湖畔で、その2日前に吹いた強風によって倒されたヤナギ類の巨木の梢にヤドリギが多数寄生しており、長いこと近ずけななかった雌花、雄花、それに前年の実までもを間近で観察する幸運に恵まれたとを書いたものでした。
  今回は、同じ湖畔に立つミズナラの巨木の高い枝先に寄生したホザキノヤドリギを見かけ、何とかしてこの花の撮影をもと挑戦したのですが、二匹目のドジョウは容易には捕まえきれなかったという顛末について書いてみたいと思います。
  山野草同好の友人からの情報を得て、昨年11月24日肌寒い日に玉川ダム上流のプレイパーク戸瀬にホザキノヤドリギを探しに行ってきました。この時期になると落葉樹は葉を落としてしまっているため果実をつけたヤドリギ類は容易に見つかるとのことだったからです。
  しかし、戸瀬の林の高木の梢には夥しい数の球状のヤドリギが見られたばかりでホザキノヤドリギと思しき枝は全く見つからず落胆しました。

  
  帰途、昼食を摂るために田沢湖畔のレストランORAEに立ち寄りました。

  窓辺の席に着いて何気なく湖面を眺めていたら湖岸道路の傍に立ったミズナラの巨大な古木
(樹齢250年)の枝の先端の数ヶ所に異状に枝の混み合った部分(⇨)があるのに気が付き、食事もそこそこに望遠レンズを付けたカメラを携えて樹下に行き望いてみたらこれまでに探していた
ホザキノヤドリギだったのです。
  
  
  その後、2年前この場所でヤドリギの花の撮影に成功した時のような幸運に遭遇しはしないかと早春から幾度となく訪れているのですが、いまだに花の撮影には成功しておりません。
  
  4月29日にはまだ芽が出たばかりで宿主木ミズナラとの区別は明瞭ではありません。
 
 
  5月31日にはミズナラの葉とは区別できるようになっていますが、まだ花穂は付いていま
せん。
  
   
  6月30日花穂に多数の花を付けていますが100mm望遠レンズで撮影出来る限度はここまででした。
 


  同好者によると、秋田にはホザキノヤドリギの生育する地は数ヶ所あるとのことですから、これからも諦めずに花を間近に観察できる場所を探し続けるつもりです。

            (追記)

  昨日(2015.7.5)200mmの望遠レンズを持って再度花の撮影に臨みましたが、期待する
 ほどの写真が撮れませんでした。

 

 

 

 

 

 


ヤマブドウ開花

2014-06-11 11:49:13 | Weblog

 自然豊かな秋田ではこの時期ブドウ科の植物が何処でも見られます。
今回は通勤の折に時々通りかかる山道に覆いかぶさるように伸びているヤマブドウ
に沢山の花を付けていましたので載せてみます。
 

 ヤマブドウは雌雄異株ですが、道端で目にするのは殆どが雄株で、雌株は道端から
少し林の中に入っていかなければ通常見つかりません・・・私は道端のほど近くに雌株
の数本纏まって生えた秘密の場所を見つけ、秋には熟した果実を採集してジャムを作
り愛好しています。
                               雄花


 蕾の時は雄花、雌花の区別はつきません。一本の花茎に総状花序としてピーマン型
の花を多数付けていますが、覆っている合弁花が脱落すると、その中に収められてい
た5本の雄蕊、そして雌花では徳利型の花柱が出てきます。
                              雌花


 
  開花は早朝にするらしく、撮影する時間には既に完了していて縁がめくれた帽子の
様な花弁が沢山下に落ちています。
 

 花弁の落下する状態を再現してみるため、職場前から開花が始まったばかりのサン
カクズルを折ってきて蕾を実体顕微鏡下で見ながらピンセットで摘まんでみたところ,花
弁が剥がれてその下に収まっている雄蕊が飛び出してくるのが見られました。
            

 昨年秋にジャム用に採集したヤマブドウです。秋田では‘さなずら’と呼び、秋田銘菓
「さなずら」の原材料ともなっています。