ようやくと言うか、案の定というか、12月18日(日本時間19日)、アメリカ下院本会議で、トランプ大統領のいわゆるウクライナ疑惑に関し弾劾訴追する決議を賛成多数で可決した。
アメリか大統領が弾劾訴追されるのは1868年のジョンソン氏、1998年のクリントン氏に続き史上3人目。年明けから上院で弾劾裁判が始まる。
弾劾訴追の決議は「権力乱用」と「議会妨害」の二つを理由にトランプ氏の辞職を求める内容だ。トランプ氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領に政敵・バイデン前副大統領の捜査開始を公言するよう要求した。
ウクライナが求めていたホワイトハウスでの首脳会談や軍事支援を棚上げし、圧力をかけた。こうした一連の行為を「権力乱用」と認定した。
また、疑惑を追及した下院の調査に対し、証言や資料提出などを拒否するよう政府職員に求めた行為が「議会妨害」にあたると認めた。
大統領の弾劾裁判は上院で行われる。連邦最高裁のロバーツ長官が裁判長を務め、弾劾訴追した下院の代表が検事役、ホワイトハウスの大統領弁護団が大統領を弁護する。100人の上院議員が陪審員を務め、有罪か無罪かを判断する。
評決で出席上院議員の3分の2が賛成すれば有罪となり、大統領は失職する。ただ、上院では与党の共和党が多数派で、現時点では有罪となる可能性は低いとみられている。
しかし、例え上院で有罪にならなくても、下院で訴追されたこと自体、トランプ氏の大統領選挙戦略にかなりのマイナスインパクトを与えることは間違いない。
これまで、州知事選挙では、従来のトランプ大統領の支持基盤で共和党候補が破れており、今後、訴追の影響が他州に及んでくると、大統領選挙に暗雲を生じる可能性が大いにある。