正さん日記

世の中思いにつれて

安全保障法制への批判を目くらます、安倍政権の大仰な経済政策

2015-09-25 14:16:32 | 政治

 無投票で自民党総裁に再任された安倍晋三首相が、全ての人が職場や家庭で活力を発揮できる「1億総活躍社会」を目指すなどと大風呂敷を広げ、先に無理やり国会を通した安保法制による国民の不信感を目くらまそうとしている。

 安倍首相の思惑は、誰にでも分かるように来年夏に行われる参議院選挙を念頭に、今から不人気の挽回を図ろうと国民を馬鹿にした見え透いた画策とも言えるものだ。

 総裁に再任された機会に新たな気持ちで政策を打ち出すことは理解するにしても、なぜ、今までの政策が中途半端なのに、ここで目先を変えた新政策を打ち出したのは、未だ国民が理解していない安保法制から目を背けさせることが目的なのはありありだ。

 安倍首相は、いかにもいわゆるアベノミクスが成功して、次の段階の「新三本の矢」に発展させるような言い回しだが、果たしてアベノミクスの成果は上がっているのか。確かに第一の矢の金融緩和によって円安となり、輸出産業は利益を上げたが、その効果は地方、中小企業、勤労者にまで行き届いていないというのが通説だ。

 またアベノミクスの目的であるデフレ脱却の指標として上げている物価上昇2%には未だ達していない。また、第三の矢の「成長戦略」はまったく見るべきものがない。

 このような、アベノミクスの評価がほとんど定まらない内に、新アベノミクスとはその厚顔無恥ぶりに呆れるばかりだ。

 しかも、その内容が新アベノミクスで「1億総活躍社会」を目指し、(1)国内総生産(GDP)600兆円の達成、(2)子育て支援拡充、(3))社会保障改革だというから、ホラもいい加減にしてほしいと言いたいところだ。

 1億総活躍社会を言うのならば、例えば、貧困率がOECD諸国平均値10.2%を上回る15.3%の実態をどのように変えるか、格差の広がりをどのようにして縮めるのか具体策を出せと言いたい。

 国民総生産600兆円など、今まで二十年間の増加率から計算して、達成不可能な数値を臆面もなく出すべきではない。子育て支援にしても、社会保障改革にしても現実を見ると具体策を出すのにも難しい問題で、人気取りにしてもいい加減にしろと言いたい。

 今までもそうだが、どうも安倍政権は、耳触りの良い言葉を弄して国民をごまかすやり方が多いが、もうとうに国民は、言葉だけでごまかせられなくなっている。「1億総活躍社会」などは、現実の社会から見て脇の下がむず痒くなりそうな非現実的なキャッチフレーズだ。

 安倍政権は、憲法違反の安保法制で目覚めた国民の意識を、何とか来夏の参議院選挙まで忘れさせるため、経済中心の政策を強調しているが、この手は、自民党が昨年末の衆議院選挙で公約の中心にアベノミクスを掲げ、安保政策はほとんど表面に出さず、今回の可決成立に結びつけたことで国民の知るところとなっている。

 自民党は、柳の下のどじょうを狙っているが、こんな国民を馬鹿にしたやり方は、もう通用しないのではなかろうか。

 ただ、安倍首相は、経済重視政策を打ち出す反面、憲法改正に関しては「(自民党の)改正案に支持が広がるよう努力を重ねていく。次の選挙でも公約に掲げる」と述べつつ、民主党に対し「勇気を持って議論に参加していただきたい」と呼び掛けている。民主党も馬鹿にされたものだ。

 こうなったら野党、国民は、今回の安全保障法制に見せた、安倍内閣に対する不信感を来夏の参議院選挙まで忘れずに繋げていかなければならない。「関連:9月21日

 

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