国会で成立した安全保障法制について、メジィアはさっそく世論調査を行っているが、朝日と共同通信は約50%が反対、約30%が賛成の意思表示をしている。
また、法律を通した安倍晋三内閣の支持率は、朝日が35%、共同通信が38%といずれも前回より低下した。ただ、共同通信が前回より約5%の低下となったが、朝日は約1%とほぼ変わらない状況だ。
政党の支持率では、自民党、民主党それぞれが前回より下がっているが、野党第一党の民主党が依然として低迷している状況は来夏の参議院選挙を考えると心もとない感じだ。
さて、昨年の12月14日に行われた衆議院選挙における自民党の公約を見ると、
(1)経済再生・財政再建(2)地方創生・女性活躍推進(3)暮らしの安全・安心、教育再生(4)地球儀を俯瞰した積極的平和外交(5)政治・行政改革(6)憲法改正――の6項目となっている。この中で、今回の憲法9条を揺るがす安全保障法制については、公約としてほとんど掲げられていない。
強いて上げれば(4)の地球儀を俯瞰した積極的平和外交ということになるだろうが、この中味を見ると国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、地域や国際社会の平和と安定に一層貢献。
主権と領土・領海を守り抜くため、尖閣諸島周辺海域での外国公船への対応、遠方離島周辺海域での外国漁船の不法行為に対する監視・取り締まり体制の強化など、海上保安庁・水産庁の体制を強化。ということになる。
しかし、この記述から、今回の安全保障法制の集団的自衛権行使容認を主体にした、11本に及ぶ新安保法制がどこにあるのか、まったく予想もできない。
この選挙で国民がよく覚えているのは、自民党が大々的に打ち出したいわゆるアベノミクスの評価とこの年4月1日から引き上げられた消費税増税についての国民の反応を見ることだった。この選挙で、自民党はやや現有勢力を減らしたものの、公明党と合わせ安定多数を確保した。
若し、この選挙で今回の安全保障法制が公約として打ち出されていれば、果たして自民党、公明党は現在の議席数を獲得できたか極めて疑問だ。
つまり、自民党、公明党の安倍連立内閣は、欺瞞の公約で得た国会勢力により国家の行方を左右する安全保障法制を力ずくで決めてしまったことになる。「関連:9月20日」
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