正さん日記

世の中思いにつれて

安倍首相が在任期間歴代最長に。少ない実績と多い負の軌跡

2019-11-20 11:56:25 | 政治

 安倍晋三首相は今日、第1次政権と合わせた首相在任期間が2887日となり、明治期に3期に亘り首相を務めた桂太郎を抜いて憲政史上単独1位になった。

 安倍首相の在任期間が最長になった理由を上げると、・他に適当な人物がいない(世論調査で常に1位)・民主党政権の失敗で野党に信頼が戻らない。・暫く続いた1年交代の短命政権を改善しなければならないという国民の意識があった。・自民党内の人材不足。・公明党の選挙協力。・官邸が衆参議員選挙の公認権を握り、首相、官房長官の人事権を強めた。などであろう。

 この間の実績はどうだろう。いわゆるアベノミクスの3本の矢の1本目、日銀の異次元の金融緩和によって円安が進み、自動車関連を中心に輸出産業が活性化、経済の緩やかな成長が続いた。

 日経平均株価は2.3倍となり、上昇率は戦後歴代3位だ。これらの結果かどうかは分からないが、雇用環境が改善され、有効求人倍率が大きく伸びた。

 その代わりに問題点には事欠かない。・先ず大きな目標のデフレ脱却は、日銀による2%の物価上昇が未達。・アベノミクスの2本目の矢財政政策により、国の借金は膨らむばかり。プライマリーバランスの改善は先行き不透明に。・3本目の矢、成長戦略は目につくものなし。

 ・第2のアベノミクスとうたった新3本の矢はいつの間にか消滅か。・アベノミクスの負の部分、経済の活性化は、良い会社と悪い会社に二極化される。・実質賃金が低下した。非正規社員が40%超と拡大し、格差が広がった。

 ・日銀の保有債券が膨大に、売却の際に生じる金利上昇を危惧して、金融政策の転換が出来ない。

 社会保障の面ではどうか。・老後資金2,000万円必要問題で、年金の先行き不安を助長した。・生活保護の基準額を引き下げ貧困世帯に不安をもたらしている。・社会保障費が増大したが、改善に打つ手なし。

 右派勢力には歓迎された・秘密情報保護法、・改正教育基本法など民主主義に逆行する法律の強行。

 防衛政策の面では、・沖縄県民の要求を無視した辺野古の米軍基地設置の強硬・憲法違反と言われる集団的自衛権の拡大解釈をしての安全保障法制を強行。

 ・日韓で結ばれている軍事情報に関する包括的保全協定(GSOMIA)の廃棄。・軍事費は年々増大、・トランプ大統領に一機当たり119億円と言われるF2戦闘機94機、1基1000億円の地上型イージズ・アショア2基を買わされる。

 外交では、・北方領土返還後退、・韓国との関係悪化、・北朝鮮による拉致被害者の帰国進まず、・インド、トルコなど原発売り込み失敗(結果的によかった)、・アメリカとの貿易交渉で敗退(17日参照)

 国会では、憲法に基づく臨時国会開催要求を無視。・野党を冒涜、・首相自ら品の無いヤジ、・森友学園、加計学園、桜を見る会等スキャンダル、・10名の閣僚の不祥事による辞任。

 思いついてもプラス傾向より、マイナス傾向の方が圧倒的に多い。本来なら、森友学園問題で首相続行はアウトの筈だ。何だかんだで逃げ延びて続けている在任1位にどれだけの価値があるのか。

 目の前の「桜を見る会」も、辞任ものだろう。それでも続けて大叔父の佐藤栄作首相の続けての在任期間の2798日を破ってどうする。「関連:11月17日

 

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