とらすけ

　一人この家に住むようになってから初めての猫。

　子猫の時、誰かに捨てられたのか？学校帰りの子供が何処からか連れて来てしまったのかは定かではないが、一週間くらいはウロウロしてた。

　「僕良い子にしているから飼ってくだちゃい！」

　まるで懇願するように通りかかりの人間にアピールしてた。

　となりのおばさんも「あんた、飼っておやりよー！」

　「一人暮らしでは面倒を見れないから無理ですね…」

　「うちも竹千代（ヨークシャーテリア）が居なかったら飼ってあげるのに」


　週末の夜、日光方面に登山に行こうと駐車場に行くとその子猫が居た。

　道路の端で用を足しているすぐ側でオス猫がいじめようと狙っている…

　「山登りは止めだ！おまえはうちの子になっちゃえば良いのだ」

　家の中に猫を入れてコンビニで間に合わせの猫グッズを買ってくる。

　ああ、せっかくの新しい家がボロボロにされるだろうなあ？

　こうして私の猫ライフは始まったのである。


　窓ガラス越に猫の姿を見つけたとなりのおばさんが

　「あらいやだっ、お嫁さんを招き入れないで猫なんて招き入れちゃったの？」

　「ええっ？この猫を飼えと言ってませんでしたか～」

　ここは下町江戸川区です。

　こんな会話に驚いていては暮らしてはいけない…


　尻尾は短くタマタマは丸見え、背中のトラ模様はタテ縞のウリ坊。

　名前は単純にとらすけ。

　ご近所さんにも「とらちゃん」とか「とらのすけ」なんて呼ばれて人気者！

　朝と夕方は近くの土手で散歩が日課となっていた。

　喧嘩に負けてばかりだから動物病院の常連さんです。

　
　写真はこれから土手へ散歩に出かける大人になったとらすけ。

　ノミ捕り首輪が皮膚炎を引き起こして、首のまわりが毛が無いぞっ！

　４丁目の大ボスに上り詰めた割りに迫力に欠けておりまするｗ