久しぶりの谷作品発見でございます。
わたしは見た
谷悠紀子(谷ゆき子)
別冊少女フレンド 1967年(昭和42年)
出かけた両親を待つ冬子。
いつの間に来たのか、応接間からは
おばさんの幸子と陽子の声が。
二人の会話を聞いていると
冬子を引き取るのは自分だと
言い争っていた。
なんと、両親が交通事故で死んだという。
驚く冬子。
遺産目当ての二人は
お互いを殺そうとする。
驚いて部屋に入ると
二人の姿はなかった。
そこに帰って来た両親。
冬子は、鍵穴から見た事を
懸命に話すが
信じてもらえなかった。
それから1年が過ぎた。
冬子の家を訪問する
幸子おばさんと陽子おばさん。
そこに「両親が交通事故で亡くなった」
と電話が入る。
そして、1年前のあの日に見たのと
同じく言い争う二人。
ぐうぜんだったのでしょうか。
それとも、冬子はほんとうに
未来を見たのでしょうか・・・
とうとう、
冬子は気がくるってしまいました。
そして、病院の鉄格子の中で、
冬子は、さびしく、
この世をさっていったのです・・・
・・・おわり・・・
って、
え?
え?
えー?!
なんと 最後のひとコマで
全てを終わらせてしまいましたねー
それにしてもビックリですね。
「この出来事は、いったい
なんだったのでしょう・・・」
なんて曖昧に終わらせるどころか
気がくるって!
鉄格子の中で!
さびしく死んで行った!
・・・・
不思議な出来事は謎のままに
冬子の最期だけはえらいリアルです。
少女フレンド執筆時代の
谷先生の読み切りは
こんな感じのいきなり感の作品が
結構あったように思います。
(個人の感想です)
「あらしの中のゆり」
「少女フレンドの谷作品」
は いきなり嵐だし、
「王女カテリーナ」
「少女フレンドの谷作品・2」
も、最期 長々とした言い訳謎の答えが
1コマにギユッと詰まってます。
なので、この作品を読んだ時、
久しぶりに谷作品に出会えたな~
と思いました
ちなみに同時掲載されてた
「バッチリいっちゃん」
今村ゆたか
も、
「いっちゃん霊感少女になるの巻」
ある朝、とつぜん
霊感少女になったいっちゃん!
予言がバッチリあたって
うちじゅうの人がびっくり・・・。
という漫画です。
当時はこんな「不思議な出来事」系
漫画が流行ってたのかな?
最新の画像[もっと見る]
- 忘れる・覚えられない・思い出せない 2ヶ月前
- 雨でも良かったのに・・・ 3ヶ月前
- 雨でも良かったのに・・・ 3ヶ月前
- 雨でも良かったのに・・・ 3ヶ月前
- 雨でも良かったのに・・・ 3ヶ月前
- 雨でも良かったのに・・・ 3ヶ月前
- 雨でも良かったのに・・・ 3ヶ月前
- 雨でも良かったのに・・・ 3ヶ月前
- 雨でも良かったのに・・・ 3ヶ月前
- ジャカランダ 3ヶ月前
タイムスリップのような…そして急展開のラストはびっくりですね。
今ちょうど、わたなべまさこ先生のムック本を読んでいたのですが、「聖ロザリンド」は1973年の連載の陽です。少女フレンドはそれ以前から、学園ものだけじゃないジャンルを意識していたのでしょうかね?
そういえば、きのう、さいとうたかを先生の訃報がニュースで取り上げられていましたね。
あまり読んだことは無いのですが、昔から知っている漫画家の方の訃報は寂しいです。
いしかわじゅんさんという漫画家さんのツイッターを見たら、さいとう先生が花村えい子せんせいの60周年の画業を祝って描かれた色紙が載っていました。 花村先生の似顔?が可愛らしく描かれていたので、もしお時間があったら見てみてください
さいとうたかを先生が描かれた花村先生の絵は、花村えい子本にも載ってます
先日見に行った川越の花村えい子と漫画展でも展示されていました。
大御所の先生方の訃報を聞くのは寂しい事ですよね。
谷先生の新発見作品、すごいインパクトでした。いきなりエンド!ページが少なかったこの当時の読み切りらしい、とも言えますが。
1966〜68年の少女フレンドって、楳図かずお先生が「へび少女」「黒いねこ面」「赤ん坊少女」など、名作と言われる恐怖マンガを連載されてるんですよね。まさにそういう時期に求められたサイコホラーという感じがします。
谷先生の意外な一面を見た思いです。
あの出来事は何だったのでしょう。夢?それとも現実?
みたいな「不思議な世界」を描きたかったと思うんですが
最期の1コマで冬子の人生の全てを終わらせてしまうところが
後に「ジェットコースターマンガ」と言われる谷作品の
片鱗を見るようですね。