まき網の小型漁獲枠500㌧削減、大型魚に250㌧振替
水産庁が留保枠250㌧で小型魚の漁獲超過をカバー
水産庁は5月29日、30㎏未満の小型魚漁獲に上限を設ける資源管理を実施している太平洋クロマグロの第3管理期間(まき網2017年1月〜12月、沿岸同7月〜6月)に向け、新方針を発表した。大中まき網の小型魚漁獲の上限2,000㌧から500㌧を削減し、250㌧を30㎏以上の大型魚の漁獲枠に振り替える。また、残り250㌧の小型枠は水産庁留保索として全体4007㌧の上限を守る国際公約遵守体制の徹底を図る。
水産庁の発表によると、大中型まき網業界(全国まき網漁業協会)が小型魚の漁獲枠を減らし、大型魚の漁獲枠を増やすことを検討した結果を踏まえた措置としている。日本周辺の太平洋クロマグロを管理するWCPFC(中西部太平洋まぐろ類)は2016年「翌年より小型魚の漁獲枠から大型魚の漁獲枠への振替を可能」とする決定している。また、資源評価を行うISC(北太平洋まぐろ類国際科学小委員会)は、中西部太平洋のまき網漁業の漁獲上限を、小型魚の枠から大型魚の枠に250㌧移譲した場合、低加入という前提を用いた場合でも、暫定回復目標を達成する確立が現状の62%から73%に上昇するとの将来予測を提示した。
30㎏未満の小型魚の漁獲量は、5月29日時点で4102㌧と上限を95㌧超過している。沿岸の第2管理期間が6月末まであるため、定置網などでさらに漁獲が上がることも予想される。
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