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経産省が「ALPS処理水の海洋放出」風評対策に300億円 水産物の販路開拓や一時買取り・補完、基金造成し全国対応も

2021-11-28 13:05:01 | ニュース

 政府が福島第一原発事故で発生したALPS処理水の海洋放出を決め、東電が2023年頃から実施する計画に伴い、経済産業省は令和3年度補正予算で「ALPS処理水の海洋放出に伴う需要対策」に300億円を計上し、水産物の販路開拓や、いわゆる風評被害に対する緊急避難措置として冷凍可能な水産物の一時買取り・保管などを支援する。

 補正予算のPRペーパーによると、処理水の海洋放出に伴い、万一水産物の需要減少等の風評影響が生じた場合でも緊急避難的措置として水産物の販路拡大や、冷凍可能な水産物の一時的買取り・保管等を支援する。また、漁業者の風評への懸念を払拭するため、ALPS処理水の安全性等に関する理解醸成を実施し、風評影響を最大限抑制すべく取り組む。風評影響を抑制しつつ、仮に風評影響が生じた場合にも、水産物の需要減少への対応を機動的・効率的に実施することにより、漁業者が安心して漁業を続けていくことができるよう、基金を造成し、全国的に弾力的な執行を行うとしている。

 こうした事業を通じて海洋放出に伴う風評影響を最大限抑制し、万一風評が生じた場合でも漁業者が安心して事業を継続できる仕組みの構築をめざす。

(1)水産物の販路拡大等の取組への支援では、企業の食堂等への水産物の提供するほか、水産物のネット販売等、販路拡大・開拓を支援する。

(2)冷凍可能な水産物の一時的買取り・保管への支援では、買取り・冷凍保管等に必要な資金の借入金利を支援し、冷凍保管等にかかる経費を支援する。

(3)福島第一原発のALPS処理水に関する広報事業では、消費者に向けた多様な媒体・方法による広報活動や、公正な取引が行われるよう流通事業者等に対する説明会等を実施する。

 ALPS処理水の海洋放出については、全漁連、地元の福島県漁連をはじめ、道漁連を含めた全国の漁協系統が反対している。


令和3年度補正予算約36兆円を閣議決定 水産予算1,272億円、「赤潮対策緊急支援」に15億円 環境・生態系保全緊急対策で生残ウニの移植・放流も支援

2021-11-28 13:03:28 | ニュース

 政府は26日、過去最大の35兆9,895億円(一般会計)の令和3年度補正予算案を閣議決定し、12月6日招集の臨時国会に提出する。先に決定した経済対策を実現するもので、新型コロナ対策や新しい資本主義の政策を進める。

 農林水産予算は、8,795億円で、うち公共が3,716億円、非公共が5,079億円。TPP関連対策3,200億円を含む。

 水産予算は1,272億円で、積立ぷらすの基金を積み増しする「漁業収入安定対策」に592億円、広域浜プランに基づく漁船リース導入に256億円(所要額)、水産基盤整備(公共)に230億円、燃油高騰に対応する「漁業経営セーフティーネット構築事業」に89億円などを計上した。

 本道の太平洋沿岸で発生した赤潮対策として「北海道赤潮対策緊急支援事業」15億円を計上し、道などを連携しつつ広域モニタリング技術の開発、赤潮発生メカニズムの解明による発生予察手法の開発などを行うとともに、漁業者らが行う漁場環境の回復などのための活動を支援する。

 同事業は「漁場環境改善緊急対策事業」と「環境・生態系保全緊急対策事業」に分けられ、後者では赤潮被害地域においてウニ殻などの除去・処分、岩盤清掃、生残ウニの移植・放流、岩盤清掃、漁場環境の把握などの活動を支援する。これによって「種苗放流」も対象となり、漁場回復に弾みがつくと期待される。


北海道秋サケ沿岸漁獲速報(11月20日現在) 1,666万尾・447億円、前年比数量7%・金額29%

2021-11-28 12:56:48 | ニュース

 本道の秋サケ沿岸漁獲は一部を除き終漁し、1,666万尾・447億円と前年同期に比べ数量が7%・金額が29%増となった。数量は前旬に比べ約16万尾上乗せしたが、終盤の伸びは見られず、来遊は河川を合わせ約1,800万尾となりそうだ。価格は高止まりのまま、年末商戦に入った。

 道連合海区漁業調整委員会の速報によると、11月20日現在の秋サケ沿岸漁獲は全道で1,666万3,540尾と前年同期の106.5%。漁獲金額は447億5,778万円と同128.5%。道漁連の水揚げ日報によると、20日現在は約4万7,700㌧で前年同期の5%増。

連合海区のまとめを海域別にみると、えりも以西を除き、全系統群とも前年の尾数、金額を上回った。尾数ではオホーツクは23%増、根室が14%増、えりも以東が2%増、日本海は前年並み。えりも以西は前年の3分の1と大幅に減少した。

岩手県秋サケ漁獲速報(11月20日) 尾数前年比57%減

 岩手県の秋サケ漁獲速報は、11月20日現在で7万5千尾、197㌧、1億5,100万円と不漁だった前年同期に比べ、尾数で57%、重量で60%、金額も54%を超えるダウン。前年を上回る極端な不漁が続いている。㎏平均単価は1,170円で20%アップとなった。平均目回りも約2.62㎏で前年同期より7%小さい。


石狩後志管内の秋サケが終漁 スタートからの好調維持、5千㌧・40億円を突破

2021-11-28 12:51:49 | ニュース

 石狩後志管内の秋サケ漁が11月20日終漁し、スタートからの好調を維持し、魚価の上昇にも支えられ、5千㌧・40億円の大台を突破した。

 石狩後志海区漁業調整委員会によると、令和3年度の最終漁獲実績は、175万3311尾(前年比116%)、5,175.7㌧(同121%)、40億8,993万円(185%)となった。漁協別では、石狩湾漁協が2,804㌧・22億2,429万円を漁獲し、前年を重量で38%、金額で79%上回った。

 近年の石狩後志管内の秋サケ漁獲量は、1,431㌧に終わった平成30年度(2018)を底に上向き、令和元年度は2,152㌧、令和2年度は4,285㌧と伸長しついに5千㌧を突破した。


2021年11月26日(金)発行/北海道漁協系統通信6599号

2021-11-28 12:44:01 | 系統通信

サンマ漁が11月に入り水揚げ増加
全国で約7千5百㌧、1千㌧台が3日、道内3千6百㌧超

JF共済令和3年度10月末実績
チョコー96%、くらし97%と前年並みの水準

水産物流通適正化法の施行に向けた政令のパブコメ実施

赤潮被害・プランクトン監視結果
被害額サケで300万円増、十勝・日高でKs出現増加

道総研、クロロフィルα濃度分布調査
釧路沿岸と十勝~えりも沖でクロロフィルαが高濃度分布

道漁港漁場協会が中央要請
農林水産省に、水産基盤整備事業予算に関する要望書を提出

道水政協が第2回政経セミナー
第49回衆院選結果を総括、来年の参議院選へ協力呼びかけ

稚内水試、ノース場ホッケの新規加入量調査速報
加入豊度(11月)、2017、2019年に次いで3番目に高いと推定

道若手職員による、道産水産物プロジェクト第1弾
11月24日から、漁協フェア&ECサイトで水産物フェア開催

11月30日、厚真町の児童クラブで食育出前授業