水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

「水産北海道」11月号が出ました。今月は流木対策のほか、各地で広がる先進的な取り組みなど話題が盛りだくさん

2016-11-10 21:34:19 | 月刊水産北海道

 

 北海道は秋をスキップして冬に突入。これから時の進み方がぐっと速まり、あっという間に師走、大晦日という感じでしょうか?

 2016年の北海道漁業は主要魚種の記録的な減産、台風など自然災害による打撃など、マイナス・イメージで記憶に残る年となりそうです。

 そこで11月号では、海や川で大きな障害となる流木被害を防ぐ新たな対策の構築や、栽培漁業、加工事業などで振興を図る各地の取り組み、道漁連の上半期取扱概況、主要魚種の生産動向、恒例の全道漁協みな貯金運動の成果、ブックレビュー、魚食普及・消費拡大をめざすイベントなど、盛りだくさんの話題を取り上げました。

 特に新しい無添加加工、冷凍・鮮度保持技術として注目される「ヨネマス・メソッド」はぜひご一読下さい。鹿児島県産黒豚のハム・ソーセージで有名な㈲鹿児島ますやの米増昭尚氏のノウハウを紹介しましたので、水産物でどんな効果をあげられるか、楽しみなところ。

 また、表紙とカラーグラビアでとりあげた道立漁業研修所の総合研修修了式も、これから浜の第一線に羽ばたく漁業者の表情をご覧いただき、北海道漁業の将来に期待を込めたいと思います。

 


秋サケ2,190万尾、前年比3割減、記録的な不漁に

2016-11-10 09:12:37 | ニュース

 

 秋サケは、前年同様に4千万尾を切る来遊が予想されたが、主力の4年魚が大きく落ち込み、前年同期の6〜7割と低調に推移した。10月末の来遊数は2,190万尾程度にとどまり、3千万尾割れが確実となっている。道漁連の速報も7万㌧で、最終的に8万㌧を下回る大不漁となる見込み。

想像を絶する不漁で、価格は高騰。メスは㎏単価が1,000円の大台を上回り1,200〜1,300円台も。オスは400〜500円で落ち着いている。そのため、製品価格の原価が大幅に上昇し、イクラは前年より1,000円以上高い価格に。札幌中央卸売市場では5千円〜7千円台(道東産)の値段で取引されている。さらに年末にかけて上がる気配だ。

 8月下旬に本道に上陸した一連の台風、大雨、暴風雨により、各地で被害が発生し、9月からの定置網の解禁も出鼻をくじかれ、初漁から低調にスタートした。河川の氾濫や沖での流木被害が収まるに伴い、操業も安定し水揚げも徐々に回復したが、前年対比3割減のラインで終始した。

 道連合海区漁業調整委員会の秋サケ漁獲速報は、10月末までの全道累計で2,189万9,349尾、464億6,734万円となり、単価が前年より高騰したことで、金額は最終的には500億円に届くと見られる。

 全道の45%を占める網走管内の10月末のサケ漁獲状況は、網走海区漁業調整委員会によると、952万尾(前年同期比86%)、3万3,088㌧(同85%)と数量では前年を1割以上下回っているが、価格高騰で金額は205億3,750万円(同103%)となっている。平均目回りは3.47㎏(同97%)で、単価は621円(同123%)とオスメス込みで前年より100円高く600円を超えている。

 また、岩手県の秋サケ漁獲も50万6千尾と前年同期の62.9%と低迷しており、平均㎏単価は765円に高騰。そのため、金額では9億3,500万円と同82.3%となっている。