降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★作った新聞が売れるのは嬉しい。

2013年04月06日 | 新聞

【写真は本文と関係ありません】
4月3日付産經新聞コラム「編集日誌」で、K編集長が書いていた。
「最寄り駅前にある朝のコーヒーショップ。カウンターの隣席で初老の男性が、新聞紙面を凝視し記事の所々を水色の蛍光ペンでなぞっていた。
よく見ると、産經新聞。ジンときた。」
以前、僕も同じようなことがあった。僕はグッときた。

面担していた頃のこと。
深夜1時過ぎ、担当したフロント面を降版後、
「出稿部と整理部、製作局の最終グループは早朝、JR主要駅キオスクで即売売れ行きをチェックするように。いいね? 分かりましたね? 私らは寝てるけどーー総務」
という通達があったので、朝5時ぐらい、帰宅方向が同じ整理部長と宅送りタクシーでJR新宿駅西口(東京・新宿区 )に向かった。

早朝6時ごろのJR新宿駅は、早くも通勤通学者で混雑が始まっていた。
疲労困憊のおっさん2人(僕たち)が、煙突状に重ねられたキオスクの朝刊スタンドを、遠くからじ~っと見ていた。
「はあ~疲れますね、部長........。今日は明けだから早く帰りたいっすね。総務もむちゃくちゃ言いますね」
煙突状の朝刊紙スタンドを見ていると、すごい早さで一般紙・スポーツ紙が売れていくのが分かった(当時はオバサン販売員がいて、朝刊・週刊誌・たばこなどを一瞬にしてさばいていた)。
見る見る新聞の煙突が低くなっていくーー。

他紙を買う人が多いが(笑)、数時間前に作ったばかりの、僕たちの新聞を買っていく人たちを目の前で見て、グッときた。
「ご多忙のなか、当紙をお買い求めいただき、ありがとうございま~す! 先ほど降版したばかりの新鮮な商品でございま~す!」なんだか分からないけど、買っていただいた方々に御礼を言いたかった。
ーーーー若かったなぁ、感性汚れていなかったなぁ(笑)。

きつかったけど、読者の方々の顔が見えた経験は良かった、と思っている。


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