絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

風景画の構図

2012-04-20 | 構図の研究
通信指導のHさんが、風景を描きたいと写真を送ってきました。
気持ちの良い川の風景です。



こういう場所は結構ありますね。水路のような川ですが、川の端に木が一本あるので、絵に描きたくなりますね。

しかし、構図的には、やってはならない代表的なものです。

それは、Z構図と言いますが、地平線と川の線が問題です。

画面左端で、地平線と川の線が丁度ぶつかります。これがいけない。
川の線も画面の右下の角を狙っている。これもいけない。

大きく分けると、空の長方形、草原の三角形、川の三角形という感じです。

それを避けて描くには、このようにしたらどうでしょうかということで、
私がトリ―ミングしてみました。



この写真をそのまま使うなら、こんな風にするしかないかな?と思います。
それでも、左下の三角形が気になります。手前に何か草でも描いて、やや三角形を隠す必要があります。
画面の端を極端な三角形にならないようにすることも必要だと思います。

方法としては、川の中に杭が立っているという方法でも三角形の線を切ることができますね。
また、このトリ―ミングした方が、木が大きく捉えられてインパクトが強くなります。
しかし、一本だけなので寂しい感じがします。
子分を足した方が、役者が増えてこの木が立派に見えるということもあります。
その子分の入れ方は、少し小さめの木を場所を考えて入れます。
どこにどのくらいの強さで入れるかが、また画家の力量です。

これが私の考え方です。
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Yさんの県展制作

2012-04-20 | 県展指導
Yさんが、ここまで進めてくれました。



かなり完成度を増しました。
今日の感じは、右側の暗い部分が無表情で、左側のにぎやかさと比べて、
おとなしすぎる感じがします。

私は、おしゃべりに例えますが、左がおしゃべりで、右側が黙ってしまったように感じました。
右側の黙ったところを少ししゃべらせて、バランスを取りましょうか?と言いました。

しかし、その黙り方がなかなか深い感じなので、それなら、逆に左側のおしゃべりをもっと黙らせてバランスをとることも
できますねと話しました。

どちらを選ぶかは、画家の判断ですと。

左側のおしゃべりな部分は、やや絵具が生の白になっているので、物の材質感より絵具を感じてしまいます。
明暗の対比も強いので、主役の丸い物よりもやや目立ちます。暗く落として黙らせると、主役の主張が強くなります。
その黙らせ方は、絵具が乾いているなら、お汁描きで透明に被せてみる方法がありますと話しました。
被せても下が見える状態で、やってみるのです。

この辺のさじ加減は、オーケストラの指揮者と同じ感覚ですね。どこをどのくらい目立たせて、どこをどのくらい抑えるかという
ことですから、似ているでしょう。そこにバランス感覚、リズム感、アクセント、ハーモニーなどがありますから、音楽に似ていますね。

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