Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「シュナの旅」宮崎駿著(徳間書店)

2006-09-11 | 児童書・ヤングアダルト
「シュナの旅」宮崎駿著(徳間書店)を読みました。
宮崎駿さんが描き下ろしたオールカラーの絵物語です。
1982年「アニメージュ」にて『風の谷のナウシカ』の連載を開始したのとほぼ同時期に描かれた作品とのことで、ナウシカやその後のもののけ姫をも思わせる絵柄とストーリーです。水彩画がとても美しい一冊。

主人公は作物の育たない貧しい国の王子シュナ。
彼は、大地に豊饒をもたらすという「金色の種」を求めて、西へと旅に出ます。
旅の途中、シュナは人間を売り買いする町で商品として売られている姉妹と出会う。彼女たちを助けた後、ひとりでたどり着いた「神人の土地」。
そこでシュナは金色の種を見つけるのですが…。

チベットの民話「犬になった王子」に感銘を受けた宮崎駿さんが「地味な企画」ということでアニメ化を断念し「自分なりの映像化」を行ったものだそうです。
現在公開中の宮崎吾郎さん監督「ゲド戦記」はこの「シュナの旅」のキャラクターを参考にしているそうです。

月が生まれ、死ぬ土地。忘れられた神の姿。
原始の世界のような、人がいなくなった未来の世界のような、不思議な神人の土地がとても魅力的です。
その後のジブリ作品のさまざまな要素が詰まっている本だと思いました。


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