Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「お日さま お月さま お星さま」カート・ヴォネガット文(国書刊行会)

2010-01-25 | 児童書・ヤングアダルト
「お日さま お月さま お星さま」カート・ヴォネガット文アイヴァン・チャマイエフ絵(浅倉久志訳)国書刊行会を読みました。
2007年に逝去したカート・ヴォネガットがアメリカ・デザイン界の重鎮アイヴァン・チャマイエフと共作したクリスマス絵本の邦訳です。(原書刊行は1980年だそうです)
無神論者だったヴォネガットが造物主生誕の奇跡を独特の文章で描いています。
ちなみにヴォネガットが書いた最初で最後の絵本。

切り絵のようなぱきっとした色調のアーティスティックなイラスト。
先にチャマイエフが何の説明もなくイラストを描き、ヴォネガットがそれに物語をつけたそうです。
イラストはぱっと見は、太陽、月、星で、多分私がこのイラストを受け取ったら、もちろんみっつの天体をめぐる空のおとぎ話にすると思います。
でもヴォネガットが語る物語では、それぞれの形の意味するものが実はそうではありません。
これから読む方は、最初に文章の部分を手で隠して絵だけ見て、ヴォネガットがどんな物語を作ったのか予想してみるのも面白いかも。
変化球的で面白い絵本でした。

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