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日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「ジャングル・ブック Ⅰ オオカミ少年モウグリの物語」キップリング著(金原瑞人訳)偕成社

2009-04-05 | 児童書・ヤングアダルト
「ジャングル・ブック(第一部)オオカミ少年モウグリの物語」キップリング著(金原瑞人(かねはら みずひと)訳)偕成社を読みました。
狼に育てられた少年モウグリ。彼は厳しいジャングルの掟にきたえられて逞しく成長していきます。

登場する動物たちがみな個性的で面白いです。
自由に生きるために狼のおきてを守る、群れの長アケイラ。
大胆に獲物を狩る賢い黒豹・バギーラ。
ジャングルに住むあらゆる動物たちの言葉をモウグリに教える、情け深いクマのバールー。
巨大なニシキヘビのカー。
そしてモーグリの宿敵で、人間を戯れに殺す、虎のシーア・カーン。

「人間」であることから狼の群れに追われるモウグリ。
しかし人間の村でも「狼少年」「悪魔の子」として追われることに。

この物語を読んでいると、単純に「自然のすばらしさ礼賛」ではなく、動物たちの中にもジャングルのおきてを守る筋の通った動物と、自分の欲求だけを主張して、群れの迷惑をかえりみない動物といろいろいるのだなと感じます。

そして人間が一番獣の心をもった生き物だということも。
おきて破りで裏切り者で狡猾で二枚舌で妄信的で・・・。

頭のよさとジャングルで生き抜く賢さ、強さをもったモウグリは、知略をめぐらし猿たちをやりこめ、シーア・カーンを倒し、人間の村に復讐します。
第二部もモウグリのエピソードを読むのが楽しみ。

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