Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「アメリカ文学のレッスン」柴田元幸著(講談社)

2006-05-25 | 柴田元幸
「アメリカ文学のレッスン」柴田元幸著(講談社)を読みました。
ポーやメルヴィルからオースター、パワーズまで著書自らが訳し、語るアメリカ文学。雑誌に連載されていたものをまとめたもので、論文というよりはアメリカ文学のエッセンスを集めた感じ。
それぞれのテーマを掲げて、いくつかの文学作品に触れています。
「アメリカ文学における外で自分を確立させる手段とは家とたてること、しかしHouseが必ずしもhomeにはならない」など、興味深い指摘がいくつもあります。
東京出版会から出版されている「アメリカン・ナルシス」とも重なる部分があります。
古典から現代文学まで幅広く語る柴田さんの頭の中を一度のぞいてみたい!

「ネクロポリス(下)」恩田陸著(朝日新聞社)

2006-05-25 | 児童書・ヤングアダルト
「ネクロポリス(下)」恩田陸著(朝日新聞社)を読みました。
下巻では双子のジミーとテリーの秘密、連続殺人事件の真相、行方不明の叔父の正体が明かされます。そして変質しはじめるアナザー・ヒル。
死者たちの共同会見や、ヤタガラス、原始のアナザーヒルへの冒険などさまざまな要素がつまっています。
舞台設定が興味深く面白いだけに、ラストをもう少し丁寧に紙数を費やして描いてほしかったなあ・・・とちょっと残念な点も。
殺人犯の正体も「むむ」とちょっと、ちょっと・・・う~ん。なんかちょっとな感じです。