Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「どこにいても、誰といても」藤本和子著(筑摩書房)

2006-05-18 | 児童書・ヤングアダルト
「どこにいても、誰といても」藤本和子著(筑摩書房)を読みました。
ブローティガンの翻訳などで知られる著者のエッセイ集です。
著者はアメリカ、イリノイ州のシャンパンという街で、アメリカ人の夫とふたりの養子(ペルー人の長女と韓国人の長男)と暮らしています。
テーマは子育ての悩みや考え、庭づくりの話、アメリカでの女性保護シェルターを手伝う話や、南西部に旅行した際のネイティブ・アメリカンの織物や陶器の話などいろいろ。
藤本さんのエッセイはどれも弱いもの、しいたげられている者への視点がこまやかで優しい。
「上から見ている」感じではなく、共感して自分にとりこんで社会的問題を考えている著者の生きる姿勢を、とても素晴らしいと感じました。