はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「紙の月」

2013-01-31 17:12:10 | 本・映画・ドラマ
角田光代さんの「紙の月」を読みました。

わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が約1億円を横領した。
梨花は発覚する前に、海外へ逃亡する。梨花は果たして逃げ切れるのか?
―--自分にあまり興味を抱かない会社員の夫と安定した生活を送っていた、
正義感の強い平凡な主婦。年下の大学生・光太と出会ったことから、
金銭感覚と日常が少しずつ少しずつ歪んでいき、
「私には、ほしいものは、みな手に入る」と思いはじめる。
夫とつましい生活をしながら、一方光太とはホテルのスイートに連泊し、
高級寿司店で食事をし、高価な買い物をし・・・・・・。
そしてついには顧客のお金に手をつけてゆく。。。

読んでいて、怖くなった。
あまり、物欲がなく、贅沢なことにも興味がないと、思っている私だから、
お金に狂って、主人公のようなことをすることは、絶対ないと、確信して
読み始めたのだけれど、主人公の梨花だって、派手でもない、、普通の主婦で、
そんな人が、そんなことになってしまうまでの心情の変化について、
リアルにつづられていたから。

あまりにも、梨花の行動が浅はかで、痛々しく、
心の中が、ちくちくと、不快な感じがする展開だったのだけれど、
最後まで一気読みさせてしまうところは、さすが角田さん!って思ってしまった。

彼女たちは、お金で何を手に入れたかったのだろう?

空虚感を埋める何か?
平凡な毎日を変えてくれる高揚感?
自分が、自分らしくいられる時間?

お金さえ出せば、何でも手に入る…その勘違いが、どんどん泥沼にはまっていくということに
早く気づいてほしかった。

買い物依存症が病気だとすれば、私は絶対陥らない!なんてことはないのかも。
そう思うからこそ、じわじわ怖かったのかもしれない^^;
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