イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ジュビリー休日に思うこと、英国民にとって女王とは、王室とは何ぞや

2022年06月04日 05時58分46秒 | 英国の、生活のひとコマ

プラチナ・ジュビリー Queen Elizabeth II platinum Jubilee の当日、木曜日、そしてジュビリー・バンクホリデーズ Jubilee bankholidays(公休日)の金曜日、ジュビリー・ウィークエンドの土曜日日曜日と4連休のお祭り騒ぎです。

日本でも「プラチナ・ジュビリ―」という名称が定着していることを知り、表記を変更しました。

銀行やオフィス、それに役所などの公的機関は休みですが、公共交通機関は「休日」スケジュールで運行、店も通常通り営業しています。

そしてもちろんパブやレストラン、カフェなどの飲食店は、パンデミックの大赤字を挽回して余りある利益が期待できる空前絶後の大儲けチャンスなのだそうです。

あ、プラチナ・ジュビリ―当日の木曜日には予定通りゴミの回収がありました!

 

私たち家族は全くジュビリー行事に無関係です。

私がテレビで王室関係の番組を熱心に視聴する以外はストリート・パーティに招待されたわけでもパブに祝杯を挙げに行くわけでもなく家でのん気に過ごしています。

夫は王室無用論者、娘はただ関心なし(若い世代特有の伝統行事への反発もあるでしょう)、お祭り騒ぎが好きな私も大勢が集まってお酒を飲む席は敬遠です。

ジュビリー当日の王室のパレードと閲兵式 Trooping of Colours、バッキンガム宮殿正面のバルコニーでの王室メンバーのお目見え Balcony Appearance と 空軍ジェット機のアクロバット飛行 Fly Past をテレビで楽しみました。

日本でも夕方にライブ中継されましたよね。

閲兵式に女王が出席されなかったのは初めてのことだそうです。衛兵隊長の軍装のチャールズ皇太子が名代をつとめたということです。高齢の女王の体調が心配されています。

宮殿のバルコニーから軍の偉い人でもあるらしいいとこのケント公マイケルと、閲兵を終えて宮殿に入る騎乗の3人、ウェールズ公(チャールズ皇太子)とケンブリッジ公(ウィリアム王子)、プリンセス・ロイヤル(アン王女)への敬礼を閲兵に変えたようです。

 

バルコニーには、公務を退いたサセックス公夫妻(ハリーとメガン)と王室の面汚し、軍籍を追放されたヨーク公(アンドリュー王子)が出てこなかったのが予想通りで、納得です。

君主(女王)と王位継承者3代(チャールズ、ウィリアム、ジョージ)が4代揃う最後のバルコニーへのお目見えだと(ひそかに)言われているのですが...

ロンドンのセント・ポール寺院での戴冠70周年感謝礼拝を主役の女王は欠席されました。前日の式典の途中に体調不良を訴えられたそうです(詳細不明)。

礼拝をつかさどる予定だったカンタベリー大司教もコロナウィルスに感染して欠席です(あ~あ)

アンドリュー王子の不在に関して解説者のコメントリーは、一切なし。教会からも追放された可能性ありです。

BBCでの式典や礼拝の中継に入る何時間も前に始まる、有識者や関係者、女王と面識のある人などなどが女王の人柄や役割、王室の国家への貢献などについて賛美しまくるコメントを延々と聞かされます。

国外からパレードを見るためにやってきた、あるいはパレード見物の場所取りのため何日も沿道に寝泊まりしたという熱烈女王崇拝者や、旗を振りながら「女王陛下ばんざーい God bless the Queen!」を叫ぶカワイイ子供たち、「女王のいる国の国民である誇らしさ」を熱く語る一般人...等々の映像も前座として次々と写りました。

夫のような王室無用論者や、私がボランティアでお手伝いしているチャリティ・ショップ、オックスファムのマネージャーのような左翼どっちらけ主義者がけっこう私のまわりにいるものですから、王室関連盛り上げ番組を見ていると「私の生活圏は今テレビで映っている善男善女の住む英国と別世界」感がぬぐえません。

 

まあ、誰彼かまわず王室の悪口を言いまわる人もまわりにはいませんし「どうでもいい」程度の王室容認派がほとんどではないかと思います。知り合い全てにどう思うか聞いてみたわけではないので、実は不確かなのですが。

アメリカ合衆国でトランプ元大統領がものっすごく好きか、ものっすごく嫌いか、あるいは英国の記憶に新しいブレクシットの是非のような、二つに一つの二極化しているような「社会の分断」は王室/女王に関しては今のところ、ないはずです。

「王室に敬意は払わないが無用とも言い切れない」「女王はいなくても別にいいが、いるなりによくやっているようだ」という認識でゆるく王室や女王の存在を認める左派自由派の人たちもけっこう多いようです。

王室や貴族制が存在するわりには、英国は国際的には非常に左寄りな国家だということです。

 

 

金曜日には近所の(と言っても徒歩20分)入り組んだ住宅街の真っただ中にある広々としたクリケット・グラウンドで開催されたジュビリー・パーティ(とは実は書かれていませんね、下のポスターには)...

を散歩がてらのぞいてみました。

現住所に落ち着いて20年、こんな場所が家の近所にあったなんて全く知りませんでした。

ポスターのイラストに描かれている女王と衛兵は見当たりませんでした。

あまり長居はしませんでしたが、写真をいくつか撮りました。以下次号。

 

コメント (4)
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