Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

天乃屋!

2013-02-16 | Others
 今回は違いますが、京都に行くと、年によっては南座の顔見世のまねきがまだ残っていることがありました。
昨年暮れから勘三郎さん、団十郎さんの訃報が続き、ひとに優るエネルギーに溢れたと思っていた方々がつぎつぎ斃れたことは残念です。

カブキといっても私が普段縁があるのは、タイトルの方くらいなんですけど。



子供たちの結婚会見に出て来た菊五郎さんと吉右衛門さんはたいへん面白かったです。

菊「この年になって、播磨屋さんと姻戚関係になろうとはおもいませんでした」
吉「この間まで(菊之助が)お相撲さんの役をやっていたから、(急な結婚話も)がぶり寄りの押し出しって感じでしょうか」
菊「前は(菊之助が吉右衛門の娘を見ると)あの顔を見ると、播磨屋さんが出て来て怖いって言ってたのにねぇ」

楽屋落ちと申しますか、よくそういう場になると悪いこと言う人が親戚に一人はいて、周囲を狼狽させたりします。
たいしたこと言うわけでもないのに、「本当に口が悪いですよね」なんてからかわれる人もいます。

旅先でも、日頃やってることを場所を替えてやるのが主旨だったので、飲んでいて筒井君から「アフロだからそう見えないけど、本当に口が悪い」と毎晩言われてました。

ところで菊五郎さんの奥さんがあとでマイクを向けられた時のこと、
「主人になる人が好きなようにするのが一番いいんじゃないでしょうか、奥さんが締めるところはしっかりしめて抑えていれば」
というのがあって、東映の頃をしのぐ迫力で文字どおりシメていました。


Ninna-ji, Kyoto


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同行三人

2013-02-11 | Others
 ちょっとそこまで行ってました。

先月のことですが、出かけた先で階段をのぼろうとすると、狭い階段の上のほうで20代の女性が幅いっぱいの大きなダンボール箱を抱え、片足を踏み出したまま身動きがとれない状態になっていました。

かなり限界に近そうなのは、鼻の穴が開いて喘いでいるらしい表情から見て取れます。
急いで駆けのぼって箱を受け止め、後ろ向きに1Fまで降ろして邪魔にならなそうな場所に置こうと身体の向きを変えると、後ろで「すみません、すみません」と申し訳なさそうに言う声が聴こえました。

さてその箱を地面に降ろそうとすると、女性の「すみません、すみません」の声のニュアンスがさっきと違って聴こえます。
顔だけ振り返ると、階段をおりた背後に位置する辺りで台車を指して「すみません、こっちへお願いします」と言っているのでした。
それくらいお安い御用ですが、後から思い出すとおかしくて仕方ありません。

そんな他愛ない話を一番喜んでくれたのが、満月の「阿闍梨餅」が大好きで一気喰いする小泉さんでしたが、今はそれも出来ないので、今回の「ちょっとそこまで」は然るべきところで菩提を弔ってもらうことも目的の一つでした。



普段遊んでもらってる方々と一緒に旅に出て、私が旅先で出会った人たちに会ってもらったり、食べたり飲んだり出来たらという思いは漠然とありましたが、皆さん忙しい身の上ですから現実なかなかそうはいきません。

ところが今回、筒井君が旅の前半に付き合ってくれました。
既婚者なのに、滅多にないありがたいことです。
よくお遍路の方で身体のどこかに同行二人とあるのは、弘法さまと一緒という意味らしいですが、私たちは同行三人で、日によってはゲストを加え観て食べて飲みました。

ほんの二三年前まで、筒井君はイタリアだけでなく京都も毎年出かけていたそうですが、折角来てくれたと思うと、観てない所があったらあっちこっち観てもらいたいと強行軍になってしまいます。

帰ってからヘトヘトだったんじゃないかと、あとから心配になりました。

でも一緒に旅すると普段知らなかったことが分かります。
出町ふたばの「名代 豆餅」が好きだとか、鯖寿司も同様に好きだなんてことは漠然とは聞いていましたが、その二つがあったら相当幸せなんじゃないだろうか、というくらいたくさん食べるのを目の当たりにしました。
今回は「苔」にも開眼したそうなので、来冬のジャケットに反映されることでしょう。




Koutou-in, Daitoku-ji, Kyoto




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タンニーノ

2013-01-24 | Others
 14日は笠をかぶり蓑をきて仕上げにカンジキで足拵えも完璧に、新美南吉か椋鳩十かというトラディショナルな装いで出かけました..........
と言いたいところですが残念ながらどれも持ってません。
朝はふつうの雨だったんですけど、昼近くなるにつれ本格的な降りになって、7年振りの大雪だそうです。
水分が多く重い雪でした。その名残りは、まだ路肩に残っています。

本日、日頃お世話になっている幼馴染みの健ちゃんが結婚する日です。
おめでとうがざいます! パチパチパチ......



遅ればせながら、先夜気づいたのですが.......
飲みながらその葡萄酒について語ってたりしますが、4本目くらいになってくるとそこそこ廻っているので、何を語っていてもたいてい当てになりません。
一応、なるべく真実の含有量はアルコールのパーセンテージより多くなるよう願ってはいますが、言えば言うほど核心から遠ざかるというような気もします。
重いのの後に、誤ってそれより少しでも軽いのを選んでしまうと、味なんか尚更わかりません。
それで、筒井君に笑われちゃうんですね。
その頃は、あと一歩でヘベレケと言っていいかもしれません。

画像の葡萄酒は3年くらい前に出かけた先でのいただきもので、店で飲んだ時は強烈なタンニンが印象的でした。
というより、タンニンの固まりです。
その後、獅子が我が子を谷に落とすの例えもあるとおり、暑い夏も寒い冬も台所に放置したままでしたので、環境の劣悪さは赤道越えたらどうのこうのという比ではありません。

年末に何となく開けてみようと思いたち、その晩にいただくと、驚いたことに全ての要素がバランス良く満たされて素晴らしくいい感じになっていました。
頑固おやじが30くらいのエレガントな女性に変身したような......何のことだか分かりませんが、まぁそんな風に変貌して奇跡の一本になりました。



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パレードに雨を降らせないで

2013-01-19 | Others
 多い日には5往復くらい、少ない時でも一週間と空くことのなかった小泉さんからのメールや通話が絶えて、もう10日以上経ちました。



一年近く前までのこと、おかしな会話で何度か登場してもらった面白い感じの人は変名でしたが、実は小泉さんという人です。
「話題を提供しちゃうよ」なんて言ってもらってたわりに、ここ最近出ていただいていませんでしたが、昨年春のS&G「四月になれば彼女は」をタイトルにした時は「おっ、懐かしいね。俺なんかリアル・タイムだったからね」と言ってました。

小泉さんは就職したアパレルメーカーが倒産すると、しばらくして他の勉強の為イタリアへ渡りました。
ほどなく日本でイタリア製品が急拡大する時期へとさしかかり、最初は輸入業者の通訳みたいなことに駆り出されます。
その後イタリア製品はさらにブームの様相を呈し、前職が素地となっていた小泉さんも勉強そっちのけでビジネスに飲み込まれていきました。

これを読んでくださっている中にはいらっしゃらないかも知れませんが、商社や大手メーカーの方で昔イタリアの工場見学に行ったら、案内してくれた人が異様にエネルギッシュで、見学より印象に残っているとか、紹介を受けてイタリアに着くと、フィレンツェ在住という面白い人が世話をやいてくれたとか、靴の輸入枠を融通してくれた人が確かいたはずだというような経験がおありでしたら、もしかするとそれは小泉さんだった可能性があります。

いくつかのメーカーに出入りするうち、人を逸らさない小泉さんはすっかり現地に馴染んで、日本の会社を相手にするだけに止まらず、その後N.Yのスペシャリティ・ストアにイタリア製品を納めるまでに仕事を拡げていきました。
フィレンツェの真ん中にあるMichele Negriの男前の店主等といっしょに、街のVTRにも出たのはその頃だそうです。

私が出会ったのは、まったく違う事情で会社を整理した後のことでした。
最初、会う度私のタイを冗談みたいに欲しがったり、持ち物がどこのものか執拗に興味を示す不思議な人でした。
ある日フィレンツェの話になると、「前に住んでたことがあるんだよね」というところから色々話をするようになり、ただヘンな人ではないことがようやく分かります。

その後、機会があると食事に誘ってくれたり仲良くしてくれるようになりました。
その頃よく、十年早く出会ってれば良かったね、と言ってました。
確かにその分野なら私も役に立てたかも知れませんし、いい仕事も出来たでしょう。

しかし、その頃には小泉さんの人柄はもうよく分かっていたので、そんなことがあってもなくても問題ではありませんでした。
仕事に対する生真面目さや正義感など、やはり経営者だったと思わせる瞬間もありましたが、ずっと年上なのに幼馴染みみたいに見える時もあります。
大人の我儘があっても、それを上回る正のエネルギーやチャームが溢れているというような人でした。

最後に勤めていた会社は、雇っている側の人で小泉さんの経歴や能力を詳しく知る人はなく、ただエネルギッシュな仕事振りと明るい人柄が知られるばかりだったようです。でも、周りには情の厚い方が多くて良かったです。

すでに見慣れたカッコなのに、会う度むこうの人みたいに褒めてくれるのは面映ゆかったですが、その一言一言に、やはり最期まで服が本当に好きだったんだなと今にして思います。

「パレードに雨を降らせないで」という歌がありますが、ロンドン・オリンピックの頃から涙もろくなったと言っていた小泉さんは子供の成人式に感激するあまり、こらえきれず門出に大雪を降らせてしまったようです。



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クロウトの意見

2013-01-08 | Others
 昨年中におこった疑問(瑣末な)は年内にクリアしようと、長谷井さんや常盤さんと飲んだ時も根掘り葉掘り伺ったので、氷解してすっきり新年を迎えられました。

他にも秋頃から、昔読んだ塩野七生さんの「男たちへ」の話の一節が気になって、ずっと確かめたかったのですが、つい棚上げになったままでした。
これも年末にカタをつけて話題に上せようとしましたが、ご乱行中(と家で言われている)につき、書くのはこうして年を越してしまった次第です。



今ちょうどピッティが開かれていますが、それは三十年前の同じピッティの会場での話です。
顔見知りのイタリア人デザイナーを見つけた塩野さんは、インタビューを試みました。
塩野さんの「洗練された男の装いとはどういうものか」との問いに、

「第一に、ちょっぴりの古きイギリス。第二に、アメリカの色。最後は一と二のすべてをイタリアの洗練された感覚で、フィルターしたもの」
との答え。

これを読んだ'90年代初めにはごく当たり前に思えて、この話のタイトル「クロウトの意見」というのにも不遜ながら拍子抜けしたというのが実際です。
しかしそこから20年ほど経過した今、その箇所がやけに思い出されるのは何故だろうと考えました。

それは黒スーツの氾濫やカジュアル化の加速などで、すっかり様変わりした男の服から、そんな当たり前と思われた要素さえ失われつつあるからだ、と新年で忙しいので短絡的に結論付けました。
私の好きな人たちはそんな要素をさらっとクリアしているので、巷間流行るものを一々嘆くにあたらないのですが.........

ところで本を読み返していたら、今なら更に面白い箇所がありました。

    話題を変えて、最近の日本のモードについての彼の感想を聞いてみた。
    「悪趣味をともなった、過度の攻撃性」

この話の初出は'80年代前半だそうで、塩野さんは「野望ばかり大きくて、それを実現する手段をいまだ見いだせない年代の人の作るものが、悪趣味といわれても当然の帰結」と優しく弁護していますが、以前書いたように'90年代半ばになっても、イタリア人が日本人を見る目は「一部の人以外日本人は分かってない」とか「プロでも大多数はへんなカッコしてる」と思われていた節のあったことを思い出します。

さすがに見ている人は見ていて、塩野さんはこの話の最後を「男の装いの場合の良き趣味とは、年齢を越えるなにものかを見出し、生かすところに生まれるものではないだろうか」と結びます。
これこそクラシックといわれる装いのエッセンスだろうと、やはり性急に結ぶ正月でした。

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一年の計は元旦にあり

2013-01-04 | Others
 明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い致します。

クリスマスには伝統に則ってイタリアから来たパネットーネを食べましたが、1kgもあるので年末まで毎朝食べ続けなければなりませんでした。
そこへ健康診断の結果が晦日に届き、師走の食生活を思ってはらはらしながら開くと、「体内年齢37才」とありました。
良いのか悪いのか分かりません。



一年の内に何度か、風呂の湯加減が絶妙な感じなところにめぐり合います。
気温や気分によるので、一年中一定というわけではありませんが、それだけで、他愛なく嬉しい気持ちになれます。

以前書きましたようにネクタイを選ぶのも、何気なく選んだ一本が合ってるような合ってないような、でも何となく合ってるか、というのが今のところ自分のイメージする状態です。
しかし昨年一年だけとっても、そういう日は片手で納まってしまうかもしれません。
その日にぴったりの風呂の温度にあたる頻度のほうが、まだしも多いようです。

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36―43

2012-12-20 | Others
 寒さと風で桜並木の黄や赤の葉がすべて落ち、夕刻ともなればLEDの灯りが裸の木のシルエットを、黒々と冴えた姿で浮かび上がらせます。

本当に寒い地方や、寒い国に暮らす方にはまた笑われそうですが、一日中10℃以下の日が年内にあろうとは思いもしなかったので、寒さと宴会に気をとられているうちに今年もあと少しになりました。

明日は冬至ですが、実際に昼が一番短かいのは上旬だったそうです。
つまり、日が永くなりつつあるわけですね。
そう思うと、多少気が楽になります。



先日は岩元さんと、かねて約束していた市内某所で食事しました。
「わけのわからない作文」と言われてましたが、飲んでいるうちに「本人を知っていると何だか味のある作文」にまで昇格させてくれます。
普段がマシンガン・トークなので、座って向かいあった日には機銃掃射かと思いきや、やさし目のマシンガンで色々聞かせていただきました。

「人に歴史あり」岩元さんの社会人スタート時は、シャツのネックサイズ「36」の痩身だったそうですが最大「43」まで成長し、その間すべてのサイズを着てきたという珍しい経験の持ち主です。
一時期休憩時の甘い物が習慣化すると、成長が止まらなくなったといいますから、日々の積み重ねは怖ろしい。

その日用事をキャンセルして合流してくれた津々井社長のおかげもあり、盛り上がって、午前中の人間ドックで飲んだバリウムを忘れさせてくれるくらい美味しい食事となりました。


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握手、握手.......

2012-12-18 | Others
 稀にひとからブログにたどり着きましたよとか、ブログ書いてるでしょとか言われることがあります。
ちょっとやそっとのことでこれに行き当たるとは思えないので、どんなのか聞いてみると、そりゃエロなやつじゃないのなんて外れていたりします。

ですから、皆さんいい方ばかりでという先日の記事を読んでいただいているわけもありませんが、年末で一番大きなイベントにお邪魔すると、そこでもいい方ばかりで皆様にお気遣いいただき、何時にも増して楽しい一時を過ごしました。
二次会に行っても妙に持ち上げられたりするのでおかしいなと思っていると、帰りは電車で睡魔におそわれ乗り過ごしてずっと先まで行ってしまいました。



一年に一度その集まりでしかお目にかからない方もいらして、一晩で半年分くらい握手した気分です。
なかでも鈴木さんに浅野忠信さんの「ファミリーヒストリー」の話をすると、一週間ぶりなのに十年分くらいの力強さで握り返してくれました。
たまに、いつもどおり「何、真面目な話してんですか」という呪文が後ろから聴こえてきます。

二次会は前週に引きつづき筒井君のご厚意で、トラットリア・フランコになだれ込みました。
みんな美味しいので初めての方にも喜んでいただき、話がはずみます。
時間は瞬く間に過ぎ、パーティーはあっという間にお開きとなります。
皆様お気遣いいただき、誠にありがとうございました。

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ぼんろく

2012-12-10 | Others
 結婚ラッシュのあとは、うれしくありませんがノロです。
なんだか腹の調子が悪い、と言ってた人がノロだった。
その同僚がノロだった。
ウサギより亀がノロだった。
食べ物にあたったと思ったらノロだった..........

というわけで周りにノロの洗礼を浴びる人が続出ですが、幸い皆さん数日で回復しております。



写真にいたずらして、面白おかしい意味を付加した画につくり変えたりするのがあります。
いわゆるパロディーですが、マッド○○○さんの作品が先ず思い浮かびます。
○○○は言うまでもありませんが、ドッグとかラッズではありません。

ところで下の荒い画像は、右の人物の顔だけなんだか貼り付けたようにも見えますが、手は加えられてないようです。
逆パロディーというか、素です。
左の方が普通に見えるところを勘案すると、どうも右の方は頭部が大きいような、縮尺をいじってしまったような印象を与えます。

以前、体つきが柔道家みたいな首相が就任間もなく、賓客を迎える図が新聞の一面をかざったことがありました。
握手しようと差し出した腕に、うまく連動しない袖が取り残されて、カフががばーっと出ています。
それを見せてくれながら、訪ねた仕立屋さんが嘆いていました。
「こんな写真が世界に配信されると、日本の仕立屋のレベルが疑われてしまう」というのです。

じゃあ、オタマジャクシみたいに見えてしまったら?
小顔に削るのは痛そうですから、ただちに服の主治医・良い仕立屋さんをさがすのがお薦めですね。

ところで関連して思い出しましたが、選挙が近づいてTVは賑やかです。
中で日本をとり戻すみたいなことを言ってるのが、何だか自分の自信を取り戻すみたいに聴こえるのはうがち過ぎでしょうか。



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もっと光を

2012-12-05 | Others
 ここ二・三年は年末まで暖かく、年が明けるのを境に思い出したように寒くなったような気がします。
今年は秋なのに寒いというか秋が短いというか、慌てて寒さへとなだれ込んだような、リズムの合わない感じがしています。
今週末は寒波がやってくるといいます。
くれぐれも風邪にはご注意ください。



前にも似たようなことを書いたような気がしますが、ジャケットの下に、他人から見たら一年中似たような中間的な色合いのグレーを合わせています。
もちろん夏は白っぽいものが多いとか、上が明るいのでライト・グレーも多用する等、例外はあります。

ですからひとから尋ねられても、そういうものを薦めます。
ところが比較的多い頻度で、茶系には茶じゃないかとか、何でそこでグレーなんだ、と怪訝な顔をされる場合があります。
そういう時は次善の選択肢を説明することになります。
また日本人のバヤイ、何でもかんでも紺や黒のパンツを合わせようとする人がいるのも困ったものです。

上の画像で合わせたパンツは普段よりちょっと濃いのですが、先日これを穿いたつもりで電車に乗って、ふと膝の辺りを見るといつものミディアム・グレーを穿いてきてしまったと思いました。
ボケちゃったのかしら、と少し慌てます。
窓を透して斜め上からくる日射しに、実際よりだいぶ明るく見えたのでした。

ある夏の夕暮れ、南イタリアの仕立屋さんで地がミックス調の生地を判別し間違えそうになると「ルーチェにかざして見た方がいい」と言ってくれます。
夏で南ともなればことさら日が永いですが、さすがにその時間は光線の色もかわって、すでに微妙な色は判別し難くなっていました。





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猛ラッシュ

2012-11-28 | Others
 まわりでは先月から結婚・結婚式ラッシュであります。
ちょっと古いですが、荒勢とガッチュ石松とヌーの大移動を合わせたくらいの勢いですね。
イェーイの家みたいに揉めないで、せっかくですから幸せが持続して欲しいものです。



毎度登場いただく津々井社長も、今度結婚式で挨拶をすると前回昼を一緒にした時仰ってましたから、もう無事に終えたことでしょう。
どんなのがいいかと尋ねてくれましたが、ご本人が経営者の集まりでスピーチするくらいですから、私に聞くまでもありません。

でも、最近あったという悪い例をあげて、反面教師にしてもらいました。
それは乾杯の挨拶のはずが、シャンパーニュかカヴァかヒポポタマスかわかりませんが、泡はすでに立ち上らなくなるほどスピーチが永かったそうです。
話も新橋での飲み会の延長かというような内容で、田舎から来ためったに会わない親族は裸足で逃げ出しそうな勢いだったらしいです。

何でもかんでもぶっちゃけてしまっては、救われません。
カショクノテンなんて言葉もあるくらいです。
その日くらい、普段良いところを120%くらいに盛ってあげたり、家でジャージでも外にはきちんとして行く人くらいにはヨソイキに扱ってあげて欲しいものです。


ふたりは結婚してません。

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木枯らしが吹いたそうです。

2012-11-27 | Others
 普段お付き合いいただいている方々の、何て気持ちのいいことかと思わずにいられない今日この頃です。
何かヘンな表現ですが....... 

ネヴィル・ブラザーズがライブで演る曲に、「恐怖、憎しみ、悪意、妬みが、炎のように世界を覆い尽くす」と始まる歌があります。
漢字で並ぶと、一段とおどろおどろしいですねぇ。

「Tipitina」でのライブ盤で初めて聴いた'80年代には、もちろんあの9月11日の出来事は想像できません。漠然と、そうならなければ良いと思いました。
それから30年経った今、世界のあちこちで現実となって以前より頻繁に報じられます。
報復の連鎖は途切れる気配がありません。
中東では、締結されては破られる何度目かの停戦合意がありました。



ある時、親子二代でクレイマーだと言って憚らない人がいました。
類は友を.......といいますか、結婚した相手もまたそういう傾向の人なのか、夫婦してクレームをつけた事例を喜々として他人に聞かせます。
そういうタイプでない人にとっては楽しくないどころか、困りもの以外の何ものでもありません。

中には、相手が言ってないことまで都合よく歪めて、何とか自分たちの思い通り有利に事が運ぶようなことまでする人がいると聞きます。
クレームをつけるところが無くなったからでも、互いのそんなところに嫌気がさしたからでもないでしょうが、夫婦は終いに別れたそうです。
取りあえず、負の連鎖が三代にわたる可能性は持ち越しました。

こういう人ばかりだったらさぞ棲み難い世の中でしょうが、幸いなことにそうでない方が断然多いのが救いです。

ここまで書いていたら、アメリカでの出来事が報じられていました。
泣きやまない赤ちゃんを抱いた母親に、バスを降りてくれと迫る運転手。
仕方なくバスを降りて途方に暮れる母親.......とその後に、次々降車する乗客たち。
結局乗客全員が降りて、母親への同情と、運転手への抗議の意を表したといいます。
サイレント・マイノリティという言葉がありますが、ここで黙々と行動したのは全員です。
まるでF・キャプラの映画のワン・シーンのような出来事です。

日頃仲良くしていただいている方々は、皆さん気持ちのいい人ばかりです。
なんか誤解されそうな表現ですが........
皆さん多少のことなら笑いに転化して、お互いに楽しくし合うように思います。
そうでないことは、それなりに。

永いつきあいの方も間もない方も、頻繁に会う方も年に数回しか会えない方も、遠くの方も近い方も、北島選手も思わず叫んでしまうくらい気持ちいーい人ばかりです。
そんなわけで皆様、いつもありがとうございます。
何だか年末の挨拶みたいになってしまいましたが、今年もあとひと月です。





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Serendipity?

2012-11-20 | Others
 めったに利用しない駅を降りると、その近くのパチンコ屋の前で、チンドン屋さんが賑やかしているところに遭遇しました。
最近ではめずらしいので、ちょっと得したような気分です。

タイコの女性、可能かどうか分かりませんが入歯を失くしたソニー・ロリンズが吹いているようなサックス、そして鉦や鳴り物担当のバンマスらしい男性の3名ですが、リズム・セクションがしっかりしているので(そんな大仰な?)、肩の力が抜けたというよりストレートに息のヌケたようなサックスも映えようというものです。



異業種の方々も集まるような席で、中にとても面白い方がいらっしゃいます。
扱い品目が私どもと異なっても、仕事にたいするアプローチは自分と似たような方がいらっしゃって、ランダムな質問にもスラスラ明快に答えていただきました。

それとは別に、今年会った方で印象に残る人がいます。
その日、宴もたけなわどころかお開きになろうかという頃、声をかけてくださった方です。
仕事を尋ねられその関連からイタリアの話になると、ミラノのモンテナポレオーネ通りに住んでいらしたことがあるといいます。
ご存知のように、階上にはアパレル各社のショールームが櫛比するような環境です。

そうかと思えば、タイの奥地へシルクをもとめて通った時期があるといいます。
伝手があるなら同行させてもらいたいと国連のひとが言ってくるくらいの危険地帯を、護衛付きで分けいるのですからヘタな冒険譚も顔負けの面白さです。

そして現在の肩書はといえば、製作会社のプロデューサーだそうです。

短い時間でよくそこまで聞き出せたなというくらい盛り沢山な内容ですが、例によってただ頷きながら相の手入れてただけです。

ここまでの話で想像されるのは、きっとご本人とは異なる人物像に違いありません。
ご本人はといえば、あなたのそばを歩いていてもおかしくない、ごく普通の小柄でチャーミングなご婦人なのでした。



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3週間放置したカボチャを、スープしたら美味かった~。

2012-11-09 | Others
 9月に買ったカボチャを、献立が巡ってこないまま何となくすぐ使わずに放置していました。
三週間ほど経った頃、クリームでのばしてスープにしてもらったらタイミングがぴったり合ったのか、とても美味しく出来上がりました。
適度に水分が抜けたのか、熟したのか、偶然の産物に味をしめてまたころがしてあります。



一頃、実際に着ているサイズより一まわり二まわり大きく見られた時期がありました。
また、歩くことを心掛けていた頃は身体が一まわり細くなり、着ていたものが緩くなりました。

「最近戻っちゃったけど、あの頃少し痩せてたんだよね」
「知ってますよ、ジャケットがブンガブンガじゃなかったブカブカでしたもん」
「なんだ、早く言ってよー」
とか、
「あの時は痩せてたんだよね、また戻ってきたけど」
「うん、その方がいいよ、なんか具合わるいみたいだったもん」
「...........」
なんて話も出来ました。

昼にトンカツ屋は久しぶりです。
注文直後に肉を切り分ける手元を見て、まさか私のじゃないだろうなと思ったサイズのは私のでした。
ことによると300gはあろうかというロースは、特に脂の部分を塩で食すと得も言われぬ旨味が口中にひろがって、無言になるくらいです。
しかし、これがそのまま体についた日には......、と思わぬでもありません。

その大きさだから途中で危うくなったと思ったのは、どうやら既にカゼをひき始めて胃が本調子じゃなかった為らしく、それでもすばらしい肉は数時間後にはすっきり消化されました。

顔(体)を見て肉が大きくなったのか、普段からそうなのか、再挑戦しないと分かりません。


カボチャの話もハロウィンにかかるはずだったのですが、遅れてしまい時事ネタにもなりません。
ダン・ヒックスの2009年の作品の裏面で、何となくそれらしい色合いです。



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イベント・ラッシュ

2012-11-05 | Others
 前回、4年目に入ったからというので硬い話になったわけではありませんが、先夜初めて参加させていただいた会があった晩のことです。
松山さんという方と妙齢の方と何だか少し硬めの話をしていると、後ろで笑い声がします。
振りむくと、満面の笑顔で「何硬い話してんですか!」と背中をどつかれそうになったのは、津々井社長でした。
その後、話がだいぶ柔らかすぎるくらいになったタイミングで、背後からの笑い声に再び振りむくと、またしても「またまた、ヘンなことばっかり言って!」とからかうのは津々井社長です。
どうすりゃ、イイんでしょ。 



暑い夏のあいだ我慢していたのを一気に晴らすかのように、あるいは気がついたら年末まであと二カ月と迫ったことに慌てたようにイベントが続きます。
それ以外にも普段通りの集まりがありますし、通勤時には風邪をひいた人がやたら目立つので、皆勤賞をめざすにはイヤでも健康管理に気を遣わざるを得ません。

数日前に偶然連絡がついた人からのメールで、何年も会っていなかった方々が自分の名を話題に上せてくれていることを知りました。
そこで先夜、初めての会の後、三十年ちかく営業していた店を閉める人を久々に訪ねました。

そういう場合、どうしてもフィッツジェラルドの「バビロン再訪」みたいになるのが避けられません。

「皆さん元気ですか」
「う~ん、タケちゃんはロスに行ったまんま。たまに帰ってくると寄ってくれるけどね」
「まだ、ヨットの設計?」
「うんにゃ、タトゥー彫ってるよ、絵上手かったじゃん」
「ずいぶん違う方へ、行きましたね」
「カッちゃんは沖縄へ行っちゃったよ」
「へー、沖縄ですか」

フィッツジェラルドとはだいぶ違いました。


Comments (2)
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