コズモと読んでください COSUMO

株式、債券、為替、投資信託を主に

米株左右する決定的瞬間到来-CPIとFRB金利予測がリスク要因か 2023年12月10日 12:23 JST ブルームバーグ

2023-12-10 14:36:29 | 日記

米株左右する決定的瞬間到来-CPIとFRB金利予測がリスク要因か
Jess Menton、Elena Popina、Carly Wanna
2023年12月10日 12:23 JST ブルームバーグ

向こう数日間で予想されるボラティリティー高まりでヘッジ需要増加
S&P500種の時価総額、10月下旬以降の上昇で約580兆円膨らむ


投資家は極めて重要な週を迎える。注目の米消費者物価指数(CPI)が12日に発表されるほか、13日(日本時間14日午前)には米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定が明らかになり、2024年の株式市場と経済を方向付けると予想される。

  連邦準備制度は既に利上げを終了し来年半ばまでには利下げを開始するとの観測が強まっており、米国債利回りの急低下と投資家のリスク選好意欲の再燃を招いた。S&P500種株価指数は10月下旬以降の相場上昇で時価総額が約4兆ドル(約580兆円)膨らんだ。借り入れコスト低下で恩恵を受けやすい小型株など、これまで売りたたかれていた市場の一角にトレーダーの買いが集中した。

  「連邦準備制度の利上げは終了したとの楽観から株価は上昇している」とインディペンデント・アドバイザー・アライアンス(IAA)のクリス・ザカレリ最高投資責任者は指摘。「10年債利回りが10月中旬からどれだけ低下したかを踏まえれば、合理的な価格設定だ。24年に向け、株価は上昇を続けるもようだ」と述べた。

  だが、より注意深く見ると、今後1週間に待ち受ける懸念が見えてくる。S&P500種の今後5営業日の予想ボラティリティーを示す指標は、その後5日間との比較で急上昇している。今週のある時点では、この期間のギャップは3月以降で最も大きくなっており、乱高下に対するヘッジ需要の高まりを示している。

Vol Mismatch | Volatility pickup seen in the coming days



  12日には11月の米CPIが発表され、正念場のワンツーパンチが始まる。インフレ鈍化の兆しが見られれば、米金融当局が近いうちに緩和に転じるとの見方が強まり、年末にかけて株価がさらに上昇する可能性はある。ブルームバーグがまとめた予想によれば、CPIは前年同月比3.1%上昇と、6月以来の低い伸びとなる見込み。

  12日から2日間の日程で始まるFOMCでは3会合連続で政策据え置きが決まると予想されている。トレーダーらは米金融当局が来年、計1ポイントの利下げを実施すると予想しているため、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)の記者会見や、当局者の金利予測分布図(ドット・プロット)にも特に注目している。

  堅調な経済がインフレを高止まりさせ、当局が追加利上げを検討したり、政策金利を高い水準に予想より長い期間維持したりするリスクもある。その場合、23年の相場上昇を大きくけん引してきたハイテク株に重くのしかかる可能性がある。

  「来週のパウエル議長の発言は、人々の考えを変える可能性がある。特に、人々の予想よりもタカ派的なトーンの発言があれば、そうなるだろう」とザカレリ氏は指摘した。

  S&P500種は今年20%近く上昇し、8日は22年3月以来の高値で取引を終えた。トレーダーは、債券利回りがまだ全般的に低下に向かっているのであれば、年末に向け株価が幅広く値上がりすると期待している。10月19日以来、10年債利回りは5%近くの水準から4.2%前後まで低下。その間、S&P500種は8%近く上昇している。
利回り低下がけん引

  歴史を振り返ると、債券利回りの大幅な低下は株式市場への追い風となってきた。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのクリストファー・ケイン・ストラテジストがまとめたデータによると、1980年以降、10年債利回りが1カ月以内に50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上低下した例は33回ある。S&P500種のその後の3カ月リターンの中央値は8%近く、ラッセル2000種株価指数は8.2%だった。
relates to 米株左右する決定的瞬間到来-CPIとFRB金利予測がリスク要因か

Source: Bloomberg

  「この債券ラリーは、米金融当局がより景気支援的になるとの見方に基づいており、これは株式に有利に働く」と同ストラテジストは指摘した。

  個人投資家もこうした楽観に乗っているようだ。JPモルガン・チェースのペン・チェン氏がまとめたデータによると、個人投資家は6日までの1週間で68億ドル相当の米国株を買った。これは、米金融当局が引き締めサイクルを開始した22年3月以降では週間ベースで最大の資金流入だ。

  一方、今年の上昇局面で見送り姿勢を取ってきたアクティブマネジャーの多くは、年末までに失った分を取り戻そうとしており、株式相場の勢いはさらに増している。バンク・オブ・アメリカがまとめたデータによれば、大型株のアクティブファンドは先月の相場上昇に後れを取り、ベンチマークを上回ったファンドはわずか41%だった。

  ストーンXのグローバル・マクロ戦略ディレクター、ビンセント・デルアード氏は、多くの投資家がリセッション(景気後退)を予想していたと指摘。「アクティブマネジャーにとっては非常に厳しい年だった。多くの人がマクロを見誤った」と語った。

関連記事

米利下げ期待しぼむ、予想上回る雇用統計で国債利回り大幅上昇
サマーズ氏、FRBはインフレ抑制の「確かな」データを待つべきだ

原題:Decisive Moment Arrives With $4 Trillion Stocks Rally at Stake(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE

中国のデフレ懸念強まる、11月CPIは前年同月比0.5%低下 Bloomberg News 2023年12月9日 11:04 JST 更新日時 2023年12月9日 13:46 JST ブルームバーグ

2023-12-10 05:59:52 | 日記
中国のデフレ懸念強まる、11月CPIは前年同月比0.5%低下
Bloomberg News
2023年12月9日 11:04 JST 更新日時 2023年12月9日 13:46 JST ブルームバーグ

11月のCPI、20年11月以来最大の落ち込み-豚肉価格下落
11月のPPIは3%低下、1年2カ月連続マイナス
中国の消費者物価は11月に過去3年で最も急ピッチに下落し、生産者コストはマイナス圏でさらに落ち込んだ。


  国家統計局の9日の声明によると、11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.5%低下。これは2020年11月以来最大の落ち込み。ブルームバーグ集計のエコノミスト予想中央値は0.2%低下だった。

  生産者物価指数(PPI)は前年同月比3%低下。市場予想は2.8%低下だった。1年2カ月連続でデフレ領域に陥っている。

China's Deflation Pressures Worsened | Consumer and producer prices both fell more than expected

  CPIの低下は豚肉価格の落ち込みが一因。豚肉の潤沢な供給と消費低迷が市場の重しとなり、政府は価格下支え策を講じた。豚肉は中国のCPIの中で大きな割合を占める。変動の激しい食品・エネルギー価格を除いたコアCPIは前年同月比0.6%上昇と、前月と同じ結果となった。

  世界の多くの中央銀行がインフレ抑制に注力している状況とは対照的に、中国は今年の大部分にわたり物価下落に見舞われている。ブルームバーグ・エコノミクスの予測では、住宅不況が需要と価格を抑えており、デフレリスクは24年まで続く見通し。

  ピンポイント・アセット・マネジメントの張智威チーフエコノミストは、内需低迷でデフレ圧力が高まっていると述べ、「これは、財政政策の重要性を浮き彫りにしている」と指摘した。

原題:China’s Consumer Price Drop Worsens, Fueling Deflation Fears (1)(抜粋)





(統計の詳細とエコノミストのコメントなどを追加して更新します)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE