ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

ビックカメラの失策

2009-05-09 22:23:14 | その他
ビックカメラが先頃、下取りキャンペーンをやっていた(期間を延長して継続中のようだ)。

私は、4月に買い物に行ったときに、このキャンペーンの告知チラシを手渡されたのだが、それによると、手持ちの古い製品を店頭に持参すれば定額で買い取ってくれるという。

その対象製品の一番に、ウィンドウズパソコンが挙げられていた。すでに使わなくなったノートパソコンが何台もあって、何かの機会に処分したいと思っていたので、これはこの機会を利用しない手はないと思ってキャンペーン期間が終わらないうちに急いで手持ちのノートパソコン1台を布袋に入れて持っていった。

ところが、行ってみると、対象となるウィンドウズパソコンは、OS が Windows XP 以降のものに限定されているのだという。

そう言われてみれば、たしかに、チラシに掲載されているウィンドウズパソコンの写真の横には、小さな文字で、Windows XP 以前のものに限ります、と書いてあった。
だが、チラシにホッチキス止めで添えられたキャンペーンチケットなるものには、ウィンドウズパソコンと書いてあるだけで、XP以降の製品に限定とは書いてない。

これには、あきれかえってしまった。

ビックカメラは、何のために客を「騙す」必要があるのだろうか。

誰もが間違えないように、「Windows XP 以降の商品が対象」とパソコンの写真の横に大書すべきではないか。
そもそも、例外事項を但し書き的に添えるのではなく、対象が「Windows XP以降のパソコン」であると最初から書けばいいのである。

「Windows XP 以降のパソコン」と書くか書かないかで、このキャンペーンに興味を惹くことのことのできる対象顧客の母数が違ってくるのはたしかである。
だが、客の立場からすれば、すべての「Windows パソコン」のユーザーが対象だと思わせられてしまうことは、「騙される」以外の何ものでもない。自分の持っている製品が(ということは自分自身が)、このキャンペーンの対象になっているのかいないのかの線引きが客にとっての唯一の問題なのであって、自分に関係のない製品についてあいまいに気を惹かれても困るのである。

それに、現に自分が持っている製品をもてあまして処分に困っているのは明らかにWindows 2000 以前のパソコンを処分し損ねているユーザーである。

ビジネスのしくみとして考えれば、中古市場にも回しようのない古いパソコンを高価で下取りできるわけがない、ということは、説明されればわかる。
だが、客の方が量販店業界の商売のしくみについてあたまをめぐらしてから、このキャンペーンのしくみはこれこれのはずだから、この謳い文句は用心したほうがいい、などとは普通考えない。ウィンドウズパソコンが対象と書いてあればウィンドウズパソコン全部が対象となるはずだ、と考えるのは当たり前である。

それを、客に対して「注意書きを読んでいない方が悪い」とでも言わんばかりの仕打ちを与えてしまったのは、明らかにビックカメラの失策、失態というべきだろう。念のために書くと、店頭のスタッフに「読んでいない方が悪い」というひどい対応をされたわけではない。(そういう対応をされたら、さすがに私も頭に来ていたろう。)

もう一つ言っておこう。
先に、「ビジネスの常識として、中古市場が成立しないような古い製品が下取りの対象にならないのはある程度予想できる」という意味のことを書いた。
ここでは、「だから、自分はそれに納得した」のではなく、自分としては、「だから、よけいに腹が立った」ということを言いたい。

つまり、自分でもそこに気がつきさえすれば商売上の理屈は理解できるのに、うかうかと(あいまいな惹句に乗せられて)古い製品を持ち込んでしまったことに自分で腹が立ったのである。店頭で対象外だと指摘されて初めて、「そんなことも気がつかなかったのか」と自分で思ってしまったことが、心情的にはかなりの屈辱を覚える出来事だった。

このように、客に怒りと屈辱を与えてしまうキャンペーンとは何なのか。

(別に、心情的にということではなく)客観的に、ここ数年来、ビックカメラのよい顧客であったと自負してきたのに、残念である。













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