ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

アルハ・シアター「chat」

2005-07-29 23:55:28 | アーツマネジメント
チェコ・プラハの Archa Theater (アルハ・シアターと読むのが実際の発音に近いらしい)による「chat」という公演を観た(主催=ポイント東京、後援=国際交流基金)。場所は、東京・赤坂の国際交流基金フォーラム。

→ Archa Theater来日公演 『CHAT―危険なほど易しいつながり』イントロダクション

この舞台を観て、演劇だろうか、コンサートだろうか、クラブイベントだろうか、はたまた、マルチメディア・パフォーマンスだろうか、などと考える必要はない。そのすべてである、のだから。

セリフは、多分ほとんどがチェコ語なのだが、ときどき英語も混じるので、その感覚で感想を記せば、「Eeverything was in」という感じ。
エンタテインメントでもあり、アートでもある。何でも入っている。

ここでは、エンタテインメントと文化(これは、アートを含むと考えてよいだろう)とを区別するハンナ・アーレントの思考法は適用できない。

→ (参考)コマーシャリズムと文化との関係(2005/07/25)

(多分、その理由のひとつは、ここでの「エンタテインメント」にはコマーシャリズムのドライブがまったくと言ってよいほどはたらいていないからであろう。)

この舞台は、インターネットだけがヴァーチャルな世界だと主張してはいない。多分。
この舞台は、インターネット(の、とりわけ、チャットというもの)だけが匿名性を持っているということを主張してはいない。多分。

アルハ・シアターの俳優5人(それに、ときおり日本語のセリフを喋る日本の俳優ひとり)によるこの舞台は、プラハを拠点とする演劇人が、「世界は私たちにこう見える」「これが、私たちにとってのいまの世界だ」、ということ(アクチュアリティ)をストレートに提示しようとすると、おのずとこうなるのだろう、と思わせる、そういう舞台だ。

30日14:00が最終回。



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