安らぎと戒め

仏像と花と山と写真を楽しみます

ボルタ判カメラからデジタルカメラまで

2012年08月15日 16時15分51秒 | 日記
 最近、中学生の時に隣町の雑貨店で買った「 ボルタ判カメラ 」で撮影し、自宅で現像したことを頻繁
に思い出す  そのたびに、「 田舎の農家の3男で、2年後の高校時代に女性に映画鑑賞を誘われた
時 、入館料がないので断った私が、何故カメラを買ったのか 」と疑問を感じていた

 有り難いことに、今はインターネットで検索すれば色々な疑問のヒントが得られる  
 「 ボルタ判カメラ 」で検索すると、1950年頃は、子供の玩具用としてボルタ判カメラが製造・販売さ
れており、中には現像液と定着液のセットもあったそうだ  価格も、300円~500円程度だったこと
が分かり、納得した  当時、我が家の山に行き、「バイラ」(竈で煮炊きに使う小さな枯れ枝)や「杉の
葉」(枯れた杉の葉で、焚き付けに使う)を集めてくれば、1束10円で母が買ってくれた 

 1956年(昭和31年)に中学2年生の私が購入したカメラが何であったか記憶にないが、当時のボ
ルタ判カメラは、エボニー35デラックス、リッチレイ、スタート35kなどがあったそうだ   玩具屋、電
気店等で販売されていたそうだが、当時の私は玩具とは思っていなかったし、今回の資料を見るまで、
本物のカメラだと思っていた

 カメラで撮影し、現像する 
 
 昼間、座敷の廊下の雨戸を締め切り、裸電球に菓子を包んでいた赤いセロファンを巻きつければ暗室
になる  洗面器に水を入れ、現像薬を溶かして現像液を作る  この中にフイルムを漬けると、間もなく、
うっすらと画像が浮かび上がる  ワクワクする瞬間だ  しかし、直ぐに水洗いして定着液に漬けなけれ
ばいけない  現像液に漬ける時間を間違うと、フイルムは真っ黒になる   水道がなかったので、手押
し式の井戸から何回か水を運ぶ  

 24×24ミリのボルタ判カメラは、高校時代まで使用したが、フイルムもカメラも残っていない
 
 その後、フイルムカメラからデジタルカメラまで、大きな乾燥器に納めきれないほどのカメラを使用した
 写真集を4冊世に問うている先輩から「 風さん、カメラは何でもよい  使いこなしなさい 」と言われ続け
ながら、「 もっと良いカメラを買えば・・・」、「 これが最後だ 」と言って来た

 私の人生も終章を迎えつつあることを感じながら、「生きている間に、生きているからできることをしたい」
と思いながら、のんびり、ゆっくり、ぼちぼち山に登り、仏像写真撮影等を楽しんでいる

 団地住まいの私にとって有り難いことは、自治会長を務めたお蔭で地域住民の皆さんとの交流が深まり、
週3回の早朝グランドゴルフ、カラオケ同好会、地区公園清掃、里山づくり等々を楽しんでいる   遊び好
きで遊び上手な皆さんのお蔭で、私も楽しく遊んでいるので、「少なくとも80歳までは日本アルプス、少なく
とも90歳までは九州の山に登る 」 ことは、達成可能だろう

 ボルタ判カメラからデジタルカメラまで、56年間続いた写真遊びは、何時まで継続できるだろうか

     2012年8月15日
                                    風  太郎