
本屋の雑誌コーナーで「自遊人」という雑誌をパラパラとめくっていて、あるページでストップした。今月号の特集は「新緑温泉、絶景秘湯」。
南アルプス南部、大井川源流の野湯「東河内温泉の源泉」が掲載されていた。「自遊人」をレジに持っていった(笑)。購入してじっくり読んだら、結果、源泉にはたどり着けなかったようだ。
8年前の夏、急に思い立って山支度をして妻と子供(当時1歳)を車に乗せて東河内へ向かった。以前、山の仲間から静岡市の奥、井川湖のまた奥に「東河内温泉」と言うモノが有り、その源泉がその奥の沢の中に在ることを聞いてた。そこは南アルプスの南部、白峰南嶺地域だ。
静岡市を朝8時に出て井川へ向かう。井川の本村を過ぎ、田代のオートキャンプ場も過ぎ、赤石温泉白樺荘方面へ。途中で右折し、しばらく行くと舗装路は終わり、凸凹道になる。ちょっと進むと「東河内温泉」と名前が付いた山荘がある。ここまで3時間くらいか。この山荘、まるか山荘にある露天風呂は森林管理会社のものであり入ることは出来ない。
「まるか山荘」裏側から沢へ降りるのは子供を背負っているのであきらめて、沢の上部からアプローチすることにした。長い作業用の階段を下りたり、吊り橋を渡ったりして沢の中へ入る。
清冽な南アルプス南部の流れ。足を沢の中に入れた途端に冷たくて痺れる!。綺麗な岩の上を飛沫を上げながら流れて行く。谷は狭いが空は明るい。ジャボジャボ進む。小さな滝を巻き、渕の中に入り膝下くらいの流れに入って進む。
「う~む、どこにあるんだろう?」

20分ほど進んだあたりで温泉の匂いが「プーン」と風に乗って流れてきた。あたりを見回しても、それらしきモノはない。さらに進む。温泉の匂いが一気に強くなった。目の前に長い渕が現れてきた腰ほどの深さか。ちょっと躊躇して高巻くルートを捜す。
おもむろに右手上を見ると細いけど30mくらいある滝が落ちてる。そして、その横に小さなヤグラが組まれ、そこから白濁したモノが流れ落ちているじゃありませんか!!。
そのヤグラからは東河内温泉へ繋がっていると思われるゴムパイプが延びています。そして水面から10mほどのトコロにその白濁した水を貯めている湯壷があるじゃないですか。 先人が作ってくれたと思われる湯船。ドロが貯まっていたけど、30分ほど掃除をして入れさせて貰った。

その後、この湯船は崩落によって無くなってしまったと聞いている。
この温泉は静岡市営の無料温泉、赤石温泉白樺荘の源泉でもある。

東河内温泉源泉
http://www.the-support.net/something/onsen/higashi/higashi.html

