そろそろ

路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信のブログ

やっぱ!!マダム・ギター、長見順ちゃんのようでなくっちゃ。

2008-08-27 22:08:39 | 日々の泡立ち。


 成熟した商品を売るには、キー・ワードや特別な見せ方を
提示する必要性がある。ビジネス的に言えば、音楽、あるい
は、ミュージシャンの作品やライブチケットを売る行為も十
分、成熟商品(と言うより、それは完熟を越え、もう醜い限
りの状態になっている)。

 こんな状況の中で、最近、「面白い」と驚いたのは、ブル
ース系女性ミュージシャン、長見順さんの新しいアルバムの
ビジュアル・アピール。そこにおいて彼女は、革ジャンを着
込み、パールロイド調のビザルギターを抱えて登場する。
  おまけに、髪型は、女性であるにもかかわらず、丸いコ
ッぺバンを乗せたようなリーゼント。正に、コテコテ。その
インパクトたるや凄まじい(どうしても現物が見たい人は、
書店で最新の『ブルース&ソウル・レコーズ』誌を探された
い)。

 しかし、この選択は正しい。彼女のスタッフ達は、この最
高にインパクトのあるアドバタイズ・ツールを掲げて、発売
記念イベントに笑いながら向かって行くだろう。

  と、思った今日、「これではだめだ」というアピールに、
東京・虎の門で出会った。店頭にかかげられた看板には、心
意気でコーヒーを売る的なことが書いてある。
 もし、これが顧客へのアピールだとすると、ここに入れば、
何がしてもらえるのか、他店に比べて何がよいのか、まった
くわからない。
 何歩か譲って、従業員達の意識を一つにまとめるための言葉
であるとしよう。もし、そうだとしても、この言葉をベースに
従業員達がどう動いていのかイメージすることができない。

  物事は、「やればよい」という事ではない。的を得た事をし
なければ、顧客は疑問符を浮かべ、従業員は混乱をきたす。さら
に、そのわけのわからないアクションに対して、経営者が従業員
のリターンを求め出したら、正に、最悪なのだ(残念な事に、そ
ういうケースは極めて多い。いくら経営コンサルタントに大枚を
はたいてキャッチ・フレーズをつくらせようと、ダメなものはダ
メなのよ。トホホ)。

  「ズレのない受け手アピール」を考えよう。
 その成功事例は、この不況で沈んだ社会をパッと明るくしてくれる。

路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信