「すべてを失ったんだ」
なんて青柳さんが言うものだから、極めて、わずかながら
心配してくれる人がいるのです。
そんな心ある人から、このギターが届けられたと受け止め
ます。かわりに差し出したのは、新宿の街で譲り受けたあの
ギブソンのB-15。
Gibson L-1 は、実は、1992年の夏に買い逃したギター
なのだ。ロバート・ジョンソンのブームが再熱した頃、モンタナに
移ったギブソンのアコギ部門が制作したギター。当時の定価
は39万5000円くらい。とても手に入る金額ではなかった。
その後、ギブソソン社は、カスタムショップラインなどでロバー
ト・ジョンソンモデルとしてL-1を制作してきた。
時代を追うごとに、ロバート・ジョンソンさんの使っていたモデ
ルに形やスペックが忠実になると同時に値段も比較的安価に
なって買いやすくなっていった。だから、旧モデルでオリジナル
と違ったこのモデルの市場での価格も当初の販売価格と関係
なく安くなっていったのだろう。
でも、青柳さんは、スペックが異なる92年モデルの雰囲気が
好きなのだ。サンバーストの雰囲気、ピラミッドブリッジ、ヘッド
部分のニックルーカスのようなインレイ(これは同じ1992年頃
のモデルでもないのがあって、結構、簡単に売られていて、そ
れじゃ神田の楽器街を歩きまわるギターマニアとしては納得で
きないのだ。「あそこに、剣みたいなのがある方がかっこいいよ
ね」とは言われたくないのだ。笑)。
そして、ブレイシングもオリジナルの方がラダーブレイスである
のに対して、こちらはエックス。指板やブリッジの木材もローズに
対して、こちらはエボニー。「オリジナルが欲しい」という人にと
てはなり過ぎるという感覚になると思うが、ブルースばかりでなく
フォーキーな弾き語りもする青柳さんにとっては守備範囲が広が
って逆に好都合なのだ。
ほんとに欲しいモデルが、手元にきた。メインは、ギルドさんで
あるには変わらないけれど、たまには、この子で歌いに出ようと
思います。どうぞ、よろしく。そして、このギターを授けてくれた神
様、ありがとう。もう少し、がんばってみますよ(笑)。
路上音楽情報紙「ダダ」編集発行人・青柳文信
http://pub.ne.jp/solo_solo/
マイスペース(演奏動画)
http://www.myspace.com/tokyojuggler
青柳文信著「路上ライブを楽しむ本」読書直前ワクワク紹介
「持つべきは、ヒッピーな友達だ。サンキュー、13号倉庫!!」
http://www.stickam.jp/video/179719778
2013「お花見ライブ」ドキュメント(撮影・埼玉県大宮ジャンキング・ギター・ジュンさん)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=LKg1Boz1Ngg#!
追記。このひょうたん型のフォルムがたまらないのだ。
以前に池袋のイシバシにこれとそっくり同じテイストの
オービルメイドのL-1があって、もちろん安いのでメロメ
ロになって買いそうになったのだけれど踏みとどまった
よかった。やはり、欲しいギターは苦しくてもまって、
本当に欲しいスペック、形のものを手に入れないと、ま
た、どうせ買い替える事になるのだ。