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深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

臨床の現場から 4

2015-07-15 21:51:02 | 症例から考える

アニメ『ツバサクロニクル』のOST「Hear our Prayer」とともに。



その人──ここでは仮にKさんとでも呼んでおこう──を診るようになって、もう5年近くになる。元々の主訴は顎関節の問題、腰膝の痛み、花粉症による眼球の掻痒感や鼻炎と言ったものだったのだが、いつの頃からか、そのKさんから奇妙な訴えがなされるようになった。

「自分の中に自分とは違う何かがいる/何かが入り込んでいる。それが肩に乗っている」(←この時は、「こんな感じ」という絵をメールで送ってきた。)
「ある特定の人物から攻撃を受けていて(←Kさんは「(何らかの思念的な?力で)撃たれる」という言い方をしばしば使っている)、それがキツかったせいで、かなり調子が悪い」

といったような。

ちなみに、自分を責めたり攻撃してくるような幻覚、幻聴が現れる、というのは統合失調症(旧名:精神分裂症)の典型的な症状の1つとされ、Kさん自身も上記のような状態を「分裂症的」とか「分裂症症状」と言っていた。だからKさんから最初にそんな話が出た時は、正直なことを言えば、心の中で舌打ちしながら「ちょっと勘弁してほしいなー」と思っていた。ただ、私はKさんのそれは「いわゆる統合失調症」とは違うと考えている。本人の思い込みだと思われるが、全てが思い込みだとも言えないところがあり、何とも判断できない。

いずれにせよ、ウチがやっているのは、問診とさまざまな検査からキネシオロジー的に「弱さ」を見つけ出し、それを修正する、というのがほぼ全てだが、その「弱さ」を作り出しているものが「自分の中にいる何か」であろうが「誰かからの(思念的な)攻撃」であろうが、やることは変わらない。

まあ、そういうわけで今も、Kさんの話は話として聞きながらも(といっても、話をテキトーに聞き流す、という意味ではない)、こっちはこっちで勝手に検査させてもらいまーす、みたいな感じで治療は進めている。


さて、上にも述べたようにKさんの言っていることの真偽はいまだに判断のしようがないが、そこに現れる「弱さ」の作る形(注1)は他の人のそれとずいぶん違っていることは事実である。例えば直近のそれは、右目の中から生えてくるように外に出て、体から少し離れたところを右体側に沿うように足方に伸び、足のところで左回りに大きく円を描くように足を取り囲んでいた。

「弱さ」が表れている部分が「心臓を前後(あるいは左右)に貫くような範囲」とか「臍部を前後(あるいは左右)に貫くような範囲」というのはよく見るが、さすがにこんなのは初めてだ。Kさんを診ていると、こんな初めての例によく遭遇するので、これ幸いといろいろ勉強させてもらっている。


治療では、少し前までは「弱さ」を検出するたび次々にポーズ・ロック/スタックしていき、最後にまとめてそれを取る、というやり方をしていたが、ある時期からひと連なりの「弱さ」をまとめて1個のものとしてポーズ・ロック/スタックできるようにしたので、その部分では作業効率はかなり上がった(注2)。これは非常に使える方法なので、キネシオロジーで似たようなことをやっている人にはオススメだ。

(注1)「弱さ」の形などと書くと、私には何かが視覚的に見えているように思われてしまうかもしれないが、私にはそれが視覚的に見えているわけではなく、単にインジケータ筋による筋反射テストで検出した「弱さ」が連続的に表れている部分をつなげて、それを認識しているだけである。
(注2)作業効率は上がったが、そうすると更に余計なことまでしたくなってしまうため、施術時間そのものは、ほとんど変わっていない。


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