持続痛(=慢性痛)をもたらすもの 2025-04-11 13:53:23 | 症例から考える 医療において「痛み」というのは重要なファクターだ。痛みの強弱や、それがどのくらいの期間続いているのか、といったことは、患者の受けた損傷の程度を図る指標になる──と一般の人はもちろん、専門的なトレーニングを積んだ医療従事者も思っている。しかし、モンティ・ライマンは『痛み、人間のすべてにつながる』で、特に持続痛(=慢性痛)について、そうした見方に修正を迫る。 持続痛は解釈が難しい。けがが治癒したあと . . . 本文を読む
バイオダイナミックなクラニオと施術の意識のあり方 10 2025-03-18 21:21:02 | 症例から考える クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)を今も練習を兼ねてセルフで自分にやっている。クラニオに限らず、自分が自分に対して行う施術の結果は言い訳も誤魔化しも効かないから、私には最もいい学びになっている。 そこで最近ある気づきを得た。といっても、それは今まで誰も気づかなかったことなんかではなく、既にクラニオの本の中に繰り返し書かれていることで、しかもその本は自分が訳したものだった。「灯台もと暗し」とは . . . 本文を読む
臨床の現場から 16 2024-07-30 11:08:05 | 症例から考える 定期的に来てくれてるYさんの、ある回の施術でのこと。「今、左上顎の歯の治療中だが、歯茎が腫れているような感じがあって、それが治療を受けていない右上顎の同じ部分にもある。歯の治療のせいでそんなことになっているのか不安だ」と。 キネシオロジーでは施術の前に「スイッチング」の有無を調べ、あるならそれを除去する処理を行わなければならない。この時のYさんには「TOXIN(毒素)のスイッチング」があった。身 . . . 本文を読む
耳のスイッチング 2023-08-25 11:55:25 | 症例から考える キネシオロジーは、施術の前にチェックして、あれば除去しておかなければならないスイッチングというものがある(スイッチングとは何かについては、例えば過去記事「臨床の現場から 9」に書いているので、そちらを見てほしい)。 スイッチングにはさまざまなものがあり、またキネシオロジーの流派?ごとに何をスイッチングと見なし、どう除去するかには違いがあって、今もオーソライズされていない。ここで述べる「耳のスイッ . . . 本文を読む
2023年春アニメの感想と評価 2 2023-07-06 10:08:58 | 症例から考える 粒ぞろいという前評判だった2023年春アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。今期は12作を見て、途中切りはなし。この記事では、そのうち放送終了が7月になったものと現在も放送が続いているもの3本について述べる。 ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も( . . . 本文を読む
象徴機能と身体-幻想的身体論 3 2023-03-27 20:43:50 | 症例から考える 竹田青嗣の『新・哲学入門』をネタ本に、竹田が展開する身体論について考える3回目(以下、太字は本書からの引用)。 竹田は人間の身体は、単なる感覚器官なのではなく世界感受の綜合的な能力、すなわち対象と世界を、意味、価値、エロス性的総体として感受する一つの「能(あた)う(Ich Kann)にほかならない。と述べる。これは「2」で引用した幻想的身体は、人間的関係世界を、諸対象の価値性、エロス性として感受 . . . 本文を読む
カバラと「生命の木」 32 2023-01-19 11:48:10 | 症例から考える 「カバラと『生命の木』」の第32回からは、話題は「生命の木」の一番下に位置する第10セフィラ、マルクトへと移る。 以前の記事で既に何度か述べたように、「生命の木」は3つの三角形の構造を持つが、マルクトはそうした三角形の構造から外れ、独立したセフィラである。 他のセフィロトが単一の色彩で表されるのに対して、マルクトは複数の色彩で表される。というのも、マルクトは四等分され、それぞれ地・水・火・風の . . . 本文を読む
2022年秋アニメの感想と評価 3 2023-01-07 11:42:42 | 症例から考える 2022年秋アニメのうち、全5話の『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』と、途中で切った4本については「1」、年内に完結した作品については「2」に述べたので、今回は年を越えて放送が続く作品についてネタバレなしで感想と評価を。 ここに挙げた作品はまだ放送中なので、評価は暫定的なものだが、AからEの5段階。 ちなみに私の場合、アニメの評価では何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも . . . 本文を読む
アンガー(怒り)・マネジメントとしての「百会(ひゃくえ)タップ」 2022-11-22 10:50:58 | 症例から考える 本屋に行くと「怒らない技術」だとか「怒られない技術」だとか「怒らせない技術」などといった本をよく見かける。そのくらい世の中、怒りを溜め込んでいる人が多いのだろう。だから、アンガー・マネジメントは今の世を生き抜くための重要なスキルになっていると見られる。 そのアンガー・マネジメントにはさまざまな手法があるようだが、私がある人から教えてもらった方法は非常に手軽で、自分でもやってみてそれなりに効果もあ . . . 本文を読む
順序を問う 2022-09-09 19:32:14 | 症例から考える 最近、また腰にビキッと痛みが走ることがあって、それを自分で治療した。主にキネシオロジーを使って「弱さ」を検出し、それを取っていくというのが基本だが、実際のところなかなか痛みが改善しないことも少なくない。今回もそうで、腰痛の症状が長引きそうな不安があった。 そんな時ふと、いつもとは違う順序で「弱さ」を検出することをしてみた。具体的にいうと、私は普段、まず相手の身体空間が実座標空間にあると設定して「 . . . 本文を読む