臨床の現場から 5 2016-05-29 09:15:42 | 症例から考える 定期的に来てくれているYさんの今回の主訴は、喉から腹部にかけての正中付近のシクシクする/ピリピリするような感じ、ガスが溜まっているような下腹部の圧迫感だった。ここ最近、サバなどの魚を食べた後で体臭がきつくなっているような気がする、という話も出たので、魚での反応を調べてみることにした。使うのは近所のスーパーの折り込チラシから切り抜いた食材の写真だ。残念ながらサバの写真はなかったが、いくつか魚介類の写 . . . 本文を読む
"Alone"──孤独 2016-05-23 00:05:23 | Weblog エドガー・アラン・ポーは詩人としても知られるが、その中に"Alone"という詩がある。私がその詩を初めて知ったのは、ルース・レンデルのミステリ『わが目の悪魔』の冒頭に引用されたそれを見た時だった。 (実は『わが目の悪魔(A Demon in my View)』は、タイトルそのものが"Alone"から取られている。この本は『わが目には悪魔と見えて』というタイトルにしたかったのだが出版社から「長すぎ . . . 本文を読む
人体の連続性と滑らかさを調べる 2 2016-05-19 12:00:54 | 症例から考える 前回の「1」では連続性について述べたので、今回は滑らかさについて。身体において外部的な構造や内部的な化学反応に連続性が保たれていることは、正常に機能するための最も基本的な条件と言っていいだろう。けれどもほとんどの場合、構造や反応はただ連続であればいい、ということにはならない。生体が生体として機能するためには、滑らかさが必要なのだ。では、その「滑らかさ」とはどういうものなのだろう?数学で言う「滑らか . . . 本文を読む
人体の連続性と滑らかさを調べる 1 2016-05-08 15:17:40 | 症例から考える 数学書を読んでいて、ふと気づいたことがある。数学の定理は全て「こういう条件が満たさされれば、こういうことが成り立つ」という形で述べられている。そして、その「こういう条件」というのは多くの場合、ごく一般的な普通の状態で満たされていることが期待されるものである。つまり、数学の定理とは「自然界の一般的な状態の下では、当然こういうこと(こういう性質、こういう動作)が可能なはずだよね」ということを言っている . . . 本文を読む