先日のハリウッド版『DRAGON BALL』ネタのせいか、何故か急に『FIST OF THE NORTH STAR』が観たくなった。
『FIST OF THE NORTH STAR』とは?
あまり知られてはいないが、本作こそ日本が世界に誇る傑作コミックの一つ『北斗の拳』をハリウッドで実写映画化したモノです。
雑誌やTVのバラエティー番組等で、韓国が無許可で勝手に作られた実写版ドラマは結構有名ながら、このハリウッド版はあまり知られていないのが現状です。
このハリウッド・実写版『北斗の拳』の存在を知ったのは、もう今から10年以上前になるかと思います。
当時の僕は機会があれば、本国版『Fangoria』(日本語版はまだ“休刊”のままやね:涙)を買って読んでいました。
その中に特集として「日本のコミックの映画化」があり、結構大々的に取り上げられていたのが他でもなく『FIST OF ~』こと『北斗の拳』(もう一本はマニア必見の傑作『クライング・フリーマン』でした)。
小学生の頃に実体験として『北斗の拳』の洗礼を受けた者として、日本では無理だと思った実写版をやってのけるハリウッドの心意気に驚きつつ感動しました。
オマケに監督は傑作『ヘル・レイザー2』のトニー・ランデル、アニメでも不可能でもあった“北斗神拳”による壮絶なスプラッター&残酷描写への期待も高まる一方でした。
ところが作品は完成すれど、肝心な日本公開が未定のまま、気が付くと小規模でこっそりと日本で公開されていたので驚きました。
結局、自分で観れたのはソフト(LD)化されてからでした。
いや~初めて観た時は、良くも悪くも衝撃的でありました!
主人公・ケンシロウを演じるのが、B級アクション映画に出まくっているゲイリー・ダニエルズ。
でも、何かケンシロウとは全く似ていない(雰囲気は悪くないのですが…:苦笑)。
薄幸にして最強のヒロインである筈のユリアが、何故か日本から鷲尾いさ子(美しさは素晴らしい!)を起用。
他にもマルコム・マクダウェル、今は亡きクリス・ペン…B級映画と言うには中途半端に豪華なキャスティング。
何となく微妙な違和感が作品に付いて回りました。
実際に観た感想は、ハッキリ言って低予算のB級SFアクション映画になっていた事に驚き。
そして本作はシリーズの第一部とも言える『南斗聖拳:シン』編を適当にアレンジ(シンの持つ哀しみや苦悩は全く無視)したモノである事にも落胆。
作品の背景にあるのが『マッドマックス』シリーズの世紀末世界観と、ブルース・リー的カンフー映画の欧米的解釈の安易な融合である事、良くも悪くも典型的な“ハリウッド”のアクション映画でありました。
今もそうですが先に『スーパー・マリオ』や『ストII』、それに『ゴジラ』…日本産キャラクターがハリウッドで映画化されると「レイプ」される言われる始末でした。
その点を踏まえて好意的に考えれば、まだ本作はオリジナルの持つニュアンスをある程度尊重している作品なのは判ります。
でも、決して良い作品とは言えません(苦笑)。
ある意味カルトでマニアックな別の意味で「ケッ作」と言えるかもしれませんが…。
ぶっちゃけストーリー的には、原作の持つ壮大さや熱い「漢のロマン」に欠けていたのが致命的でしたね。
作品の大半がセットでの撮影ゆえに、コミックの持つ壮大かつ絶望的なスケールのデカい虚無感が全く表現出来ていない事。
更にファンから期待された、北斗神拳・南斗聖拳による残酷描写が全く欠けている事。
でも言ってオリジナルを全く無視するハリウッドの作品にあって、本作は比較的オリジナルの持つ雰囲気を最低限生かしていると思う…と言うのは褒め過ぎか?!
北斗神拳ではないものの、ケンシロウ役のダニエルズは素晴らしいアクションを披露しています。
特に美しい蹴り技の数々には、彼の高いスキルを感じます。
その筋でファンが多い、クリント・ハワードの怪演も印象的です。
最後にハリウッドの思う「東洋」的なテイストと、我々日本人の思う「らしさ」の間には、非常に大きな隔たりがあるのが判ります。
この辺りの事を上手く解消出来ないと、この『北斗の拳』とは全く比較出来ない位の金を注ぎ込む『DRAGON BALL』も、散々な内容になるのが予想出来る様に感じます。
色んな意味で楽しみのある作品ですが、吹き替え版はアニメのオリジナル声優が起用されており、特に神谷明氏の怪鳥音には作品に充分な“らしさ”を与えてくれます。
声優の持つ力の偉大さを実感しました。
今度のハリウッド版『DRAGON BALL』も、良くも悪くも本作を「最低基準」に考えれば良い作品になるとは思えます。
忘れ去られた迷作『FIST OF THE NORTH STAR』、良くも悪くも日本産キャラクターを扱ったハリウッド映画の最低基準かと思います。
「他にも英雄はいるか!?」
『FIST OF THE NORTH STAR』とは?
あまり知られてはいないが、本作こそ日本が世界に誇る傑作コミックの一つ『北斗の拳』をハリウッドで実写映画化したモノです。
雑誌やTVのバラエティー番組等で、韓国が無許可で勝手に作られた実写版ドラマは結構有名ながら、このハリウッド版はあまり知られていないのが現状です。
このハリウッド・実写版『北斗の拳』の存在を知ったのは、もう今から10年以上前になるかと思います。
当時の僕は機会があれば、本国版『Fangoria』(日本語版はまだ“休刊”のままやね:涙)を買って読んでいました。
その中に特集として「日本のコミックの映画化」があり、結構大々的に取り上げられていたのが他でもなく『FIST OF ~』こと『北斗の拳』(もう一本はマニア必見の傑作『クライング・フリーマン』でした)。
小学生の頃に実体験として『北斗の拳』の洗礼を受けた者として、日本では無理だと思った実写版をやってのけるハリウッドの心意気に驚きつつ感動しました。
オマケに監督は傑作『ヘル・レイザー2』のトニー・ランデル、アニメでも不可能でもあった“北斗神拳”による壮絶なスプラッター&残酷描写への期待も高まる一方でした。
ところが作品は完成すれど、肝心な日本公開が未定のまま、気が付くと小規模でこっそりと日本で公開されていたので驚きました。
結局、自分で観れたのはソフト(LD)化されてからでした。
いや~初めて観た時は、良くも悪くも衝撃的でありました!
主人公・ケンシロウを演じるのが、B級アクション映画に出まくっているゲイリー・ダニエルズ。
でも、何かケンシロウとは全く似ていない(雰囲気は悪くないのですが…:苦笑)。
薄幸にして最強のヒロインである筈のユリアが、何故か日本から鷲尾いさ子(美しさは素晴らしい!)を起用。
他にもマルコム・マクダウェル、今は亡きクリス・ペン…B級映画と言うには中途半端に豪華なキャスティング。
何となく微妙な違和感が作品に付いて回りました。
実際に観た感想は、ハッキリ言って低予算のB級SFアクション映画になっていた事に驚き。
そして本作はシリーズの第一部とも言える『南斗聖拳:シン』編を適当にアレンジ(シンの持つ哀しみや苦悩は全く無視)したモノである事にも落胆。
作品の背景にあるのが『マッドマックス』シリーズの世紀末世界観と、ブルース・リー的カンフー映画の欧米的解釈の安易な融合である事、良くも悪くも典型的な“ハリウッド”のアクション映画でありました。
今もそうですが先に『スーパー・マリオ』や『ストII』、それに『ゴジラ』…日本産キャラクターがハリウッドで映画化されると「レイプ」される言われる始末でした。
その点を踏まえて好意的に考えれば、まだ本作はオリジナルの持つニュアンスをある程度尊重している作品なのは判ります。
でも、決して良い作品とは言えません(苦笑)。
ある意味カルトでマニアックな別の意味で「ケッ作」と言えるかもしれませんが…。
ぶっちゃけストーリー的には、原作の持つ壮大さや熱い「漢のロマン」に欠けていたのが致命的でしたね。
作品の大半がセットでの撮影ゆえに、コミックの持つ壮大かつ絶望的なスケールのデカい虚無感が全く表現出来ていない事。
更にファンから期待された、北斗神拳・南斗聖拳による残酷描写が全く欠けている事。
でも言ってオリジナルを全く無視するハリウッドの作品にあって、本作は比較的オリジナルの持つ雰囲気を最低限生かしていると思う…と言うのは褒め過ぎか?!
北斗神拳ではないものの、ケンシロウ役のダニエルズは素晴らしいアクションを披露しています。
特に美しい蹴り技の数々には、彼の高いスキルを感じます。
その筋でファンが多い、クリント・ハワードの怪演も印象的です。
最後にハリウッドの思う「東洋」的なテイストと、我々日本人の思う「らしさ」の間には、非常に大きな隔たりがあるのが判ります。
この辺りの事を上手く解消出来ないと、この『北斗の拳』とは全く比較出来ない位の金を注ぎ込む『DRAGON BALL』も、散々な内容になるのが予想出来る様に感じます。
色んな意味で楽しみのある作品ですが、吹き替え版はアニメのオリジナル声優が起用されており、特に神谷明氏の怪鳥音には作品に充分な“らしさ”を与えてくれます。
声優の持つ力の偉大さを実感しました。
今度のハリウッド版『DRAGON BALL』も、良くも悪くも本作を「最低基準」に考えれば良い作品になるとは思えます。
忘れ去られた迷作『FIST OF THE NORTH STAR』、良くも悪くも日本産キャラクターを扱ったハリウッド映画の最低基準かと思います。
「他にも英雄はいるか!?」