ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

300

2007-06-02 23:01:57 | 映画
今日、先行で『300』を観た。
昨日の腑抜けた人畜無害な駄作『パイレーツ・オブ・カリビアン:ワールド・エンド』とは違い、この『300』は観る者の魂を揺さぶる素晴らしい傑作でありました。

本作はアメコミ界の巨匠フランク・ミラーのコミックを、『ドーン・オブ・ザ・デッド』を手掛けた俊英ザック・スナイダー監督が映画化したもの。
内容はスパルタ率いる古代ギリシャと、時の権力者ペルシャ帝国による、史実にもある凄惨な“テルモピュライの戦い”がベース。
“史実”とは言え、そこは原作がアメコミ。
かなりミラー特有のニヒルなヒロイズムと、スナイダーの独創的な映像美が効いた、ある種の「ファンタジー」とも言える映画になっているのがポイント(笑)。
もう首・腕・脚が勢いよく転がり、ド派手に血飛沫があがる、阿鼻叫喚な地獄絵巻が展開します。
今の「スパルタ」と言う語源にもなった、スパルタの掟や価値観は、ともすれば良識ある方々からは「差別的だ」と言う誤解も招きかねない。

敵は息があっても一人残らず情け容赦なく惨殺し、その死体で防御壁を作る冒涜ぶり、珍獣(サイ・象)すら躊躇無く殺す徹底ぶりは圧巻。
更に随所に五体不満足なキワドい人物達、スパルタ王に恨みを抱く奇形の裏切り者まで登場し、何故かアジアから忍者的な不死身軍団が参戦、ペリシャ帝国のボスは自称“生き神”で性的倒錯者(!)と言う、良識ある方が観れば不愉快になる描写が満載。
案の定『300』を観たイスラム社会から猛烈な非難と抗議が上がり、日本でも「Rー15」指定され社会情勢が微妙ならば日本での公開も危うかったと思える程に過激な内容だ。
でも、本作の真意は過激で暴力・残酷描写にある訳ではない。

それはラストまで観れば判る。
本作のメッセージは自由を奪う権利に対する反逆であり、その為には自己犠牲をも問わない人間の尊厳を問うテーマがあるかと思う。
あのラストを観て、燃えない漢がいるのだろうか? !
あそこに込められた熱い思いは感動的ですらあった。
まぁ~難しい事は抜きにして、筋骨隆々な男たちの血と汗が飛び散る、久々の本格的な濃~い男性アクション映画としても文句抜きで楽しめる。
ホラーだけでなく、アクション映画にまで、最近は自主規制の波が押し寄せる中、ここまで豪速球で直球ど真ん中な映画が大ヒットするから、ハリウッド映画の懐の広さと凄さを実感してしまう。
正に映像革命、またコミックの映画化に新たな「基準」が誕生しました。
文字通りの傑作です!!

「…忘れるな、俺達の事を。」




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