ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

Fate & Destiny

2005-08-03 12:45:27 | 音楽
ウチの電気湯沸かし機がブッ壊れた。
昨晩勉強等をして風呂に入ろうと思ったら、スイッチを入れてもお湯が出ない…困った!
ガスは出るから電機系の故障の様だ、昨夜は仕方なく水シャワーでしのいだが、いくら真夏とは言え水だけってのは軽い罰ゲームの様だった(苦笑)。
幸い今日は僕が仕事の無い日だったので、管理人さんとガス屋に連絡して早速修理してもらう事になったが、長く住んでいると色んな事があるものだと実感してしまった。
今DOUBLE DEALERの新作『Fate & Destiny』を聴いている。
DOUBLE DEALERとはCONCERTO MOONのG島紀史と、SABER TIGER~SIXRIDEのVo下山“アニキ”武徳による正当派HMプロジェクトだ。
島もアニキも己のバンドを持っていた訳だが、今回の新作を機にプロジェクトから本格的に一つのバンドとしてスタートをする事になりそうだ。
元々は別々のバンドでも活躍しながら互いの才能を認め合い、人間的にもウマが合った両者が“ソロ”活動の延長からこのD.Dは生まれた。
そして実験的に1st『DOUBLE DEALER』がリリースされた。ろくな準備期間も無かったとは言え、島とアニキは当時思う様に己のバンドで活動出来ない鬱憤を晴らすかの如く、実に勢いのある素晴らしいアルバムに仕上がっていた。
1st発表後~小規模ながら全国ツアーを経て、島とアニキは互いのバンドに戻って行った。
しかし、ここでちょっとした悲劇が生まれた。
当時CONCERTO MOONとSABER TIGERも同じレコード会社に在籍していた、おまけにアニキはその超人的な歌唱力とそのカリスマ性が注目されソロ・シンガーとしても活躍を始めていた。
更に1stが売れた事によりレコード会社はD.Dとして新作を島とアニキに要請したのだ。
島はCONCERTO MOONのリーダーであり、当時新Voを迎えて己のバンドを軌道に乗せたばかりだった。
アニキはSABER TIGERの新作を製作しながらも、当時バンド内の方向性を巡って深刻な問題を抱えていた。
そんな状況で2nd『Deride On The Top』を製作しリリースされた。
1stが二人の天才が自らの才能をぶつけ合い、そこから爆発的なエネルギーが生まれた奇跡的な作品だった。
だが2ndは違った。アルバムの何曲からかつての煌めきを感じさせるモノがあったが、全体的には“この二人”が作る割りに平凡な作品だったと言える。
島とアニキは当時を振り返って言うのが、スケジュール的に1st以上に厳しい状況に加えて、アニキ自身の喉の調子も今一つだったと言う。更にレコード会社が同じである事や、契約・マネージメント等の本人達には手の届かない所で政治的な思惑が働き、2nd発表後にD.D内は険悪な状況に置かれて自然消滅して行ったのだ…。
まぁ~早い話が業界から“潰し”にかかられた訳だ、コレにより島もアニキも己のバンドに専念する様になった。
何故“潰し”に係られのか? アニキは当時の事を振り返り正直に告白している「単なる田舎者だったのが、周りが急に持ち上げ自分でもロック・スター気取りだった」と。
その後島はCONCERTO MOONで順調に活動を続けてアルバムも何枚か発表した、アニキは遂にSABER TIGERを脱退し自らのバンドSIXRIDEを結成し活動を開始した。
しかし運命とは本当に上手く出来ている、CONCERTO MOONの活動に限界を感じていた島、メンバーの脱退によりSIXRIDEを活動休止にしたアニキ。
自然と二人はまた「DOUBLE DEALERをやろう!」と決意した。
これまでの失敗(笑)を生かし、曲作り・レコーディングにたっぷりと時間をかけて作られたのが『Fate & Destiny』だ。
今まで散々な経緯があった再始動であり、正直あまり期待はしていなかったのが本音だ。
島の曲作りやGに関しても過去のルーティンと言うイメージを払拭出来ないし、SABER TIGERの最高傑作『Saber Tiger』を越えるアニキの絶唱を期待するのも難しいと思った。
だが『Fate & Destiny』は違った!
島の今までイメージを覆す華麗なG、アニキの見事なまでの歌が壮絶にぶつかり合い、予想を遙かに越えるテンションの高い傑作になっていて正直驚いた。
1stの頃にあった問答無用な爆発的な勢いの代わりに、この3rdでは正に大人になった二人の円熟ぶりが発揮された深い作品に仕上がっている。
とにかくアニキのVoは素晴らしいし!練り込まれた楽曲と、それにふさわしいしっかりとしたサウンド・プロデュースは正に日本最高峰だろう。
アニキのファンとしては本作の「詩」も大きなポイントだ、今までの攻撃的な内容から人としての弱さ脆さを持ちつつ過去を省みて前向きに生きようと言う詩は読んでいて感動的だった。
勿論看板の二人が素晴らしいのは当然だが、二人を支える小池(Key)・本木(B)・磯田(Dr)も凄い。
多分今現在の日本のHMバンドとしてDOUBLE DEALERは、正に名実共にトップにあると断言して良いだろう。
今回は大規模な全国ツアーを秋に展開する、今度こそ“生”で彼らの凄さを体験してみたい!!