築地まで「「関戸勇写真展『よみがえる大坊珈琲店』」を見に行った。
私は入ったことがない喫茶店であるが、雰囲気もマスターの人柄もこだわりもよく分かるような写真であった。懐かしい感じがよく伝わり、自分がその喫茶店の常連だったような気分にもなった。
黒光りする材木を使った内装、少し傾いたカウンターも魅力的だったが、豆の焙煎からドリップまでの一連のこだわりのある淹れ方が目の前で繰り広げられているようだった。珈琲の香りが漂ってくるような気になった。
このような喫茶店はもう全国どこにもなくなってしまったのではないだろうか。人がくつろげる場所、私たちの世代の人間が「あぁ、そういえばこんなところがあったなぁ」と肩の力が抜けていくような懐かしい場所というのが、どこかにあったはずだ。とてもいい写真を見せてもらった気がする。